「サハリンの鉄道」の版間の差分

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鉄道の上下分離施策で[[2012年]]、ロシア鉄道子会社の'''サハリン旅客企業株式会社'''({{lang|ru|АО «Пассажирская компания „Сахалин“»}}、本社・ユジノサハリンスク)が設立され、これらすべての旅客列車運行事業は同社に移管されている。同社はこのほか、ユジノサハリンスク駅─[[ホムトヴォ空港]]間のシャトルバスや、改軌工事に伴う鉄道代替バスの運行も行っている。
 
サハリン島内には運輸通信省によるこれらの連邦鉄道線のほか、[[1934年]]運行開始の{{仮リンク|オハ-モスカリヴォ鉄道|ru|Железная дорога Оха — Москальво}}(総延長34km、軌間1520mm、1999年廃止)および[[1925年]]運行開始、[[1953年]]全通の[[オハ-ノグリキ狭軌鉄道]](総延長233km、軌間750mm、[[2007年]]廃止)、[[三井鉱山内川炭鉱軌道|ポロナイスク-ティフメネヴォ狭軌鉄道]](1995年廃止)、ポロナイスク-トゥルダヴォイ狭軌鉄道(2015年廃止)の各線が存在したが、自動車交通への転移でいずれも廃止された。オハ―モスカリヴォ鉄道線のみは自動車交通への転移ではなく、ホルスク港への転移で廃止された。
 
このうちオハ-ノグリキ狭軌鉄道線はソ連時代の[[1986年]]、1067mmに改軌して極東鉄道局サハリン支局(当時)に移管してノグリキ以南の路線と直通させることになり、[[1998年]]の完成を目指して[[1990年]]に着工したが、ソ連崩壊に伴い2つの橋梁を建設したところで計画は破棄された。
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運輸通信人民委員会および運輸通信省は終戦当時から、サハリン北部の[[ネヴェリスコイ海峡]]に海底トンネルを建設して南サハリン鉄道局管内の鉄道路線を大陸側と直結し、軌間を日本時代の狭軌(3フィート6インチ、1067mm)からシベリア鉄道と同等の広軌(5フィート、1524mm)に改軌する計画を立てていた。計画は後に1520mm改軌に改められたが着工されることはなく、[[1953年]]に海底トンネル計画の中止が決定されると、改軌計画も消滅した。
 
南サハリン鉄道局では一部にソ連製の機関車および貨車の投入例があったものの、戦後も約20年間にわたって戦前の日本時代の車両や設備が引き続き使用された。また1948年に新製輸出された日本製の[[国鉄D51形蒸気機関車|D51形蒸気機関車]]が主力機関車として投入されたほか、1961年には日本製の{{lang|ru|A1}}形ディーゼル動車8両(全車東急車輛製造製)が投入された<ref>「賠償物資として輸出」との誤解した記述がみられるが、正規の条約である[[日ソ共同宣言]]の締結は昭和31年であり条約締結以前に賠償物資の請求は原則的にありえない。そして日ソ共同宣言時には条約第6項においてソビエトは日本に対し[[賠償請求権]]を放棄している。また当時の複数の文献「機関車」第3号(1949年11月発行)や「交通技術」51号(1950年10月号)にも正規の輸出との記述が存在する。一方「賠償輸出」という供述が見られ始めたのは当時の記録があいまいになりだし孫引きが増加した1970年代以降のことである。 </ref>。
 
===極東鉄道局南サハリン支局・サハリン支局===
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このほか、[[1994年]]にはトンネル施設損壊で、往年の東西連絡幹線だったユジノサハリンスク─ホルムスク線ノヴォデレヴェンスカヤ─ニコライチュク([[池ノ端駅|池ノ端]])間が不通となった。同区間の開通にはトンネル12か所(総延長5087メートル)の修復が必要で多額の経費を要することが判明したため、同線の運行休止と不通区間の廃止を決めた。一方、旧[[樺太西線]]時代から存在するホルムスク─イリインスク間のトンネル老朽化も深刻化したが、本土と東岸を結ぶ幹線であることから、迂回する新線を建設して[[1996年]]に開通させた。
 
国内経済が安定した[[2000年代]]に入ると予算・部品不足状態も解消し、老朽化した{{lang|ru|К-1}}形は役割を終えて[[2000年]]に運用を終了、ТГ16形ディーゼル機関車も初期車が廃車になった。[[2001年]]には光ファイバー通信網「サハリン=トランステレコム」({{lang|ru|Сахалин-ТрансТелеком}})の整備に着手し、[[2002年]]にかけてホルムスク─ネベリスク間に総延長454.4kmの光ファイバーケーブルを敷設した。さらに2002年[[7月]]、運輸通信省はサハリン鉄道局管内の狭軌路線について、ソ連編入当初の計画であった広軌(1520mm)に全面的に[[改軌]]する「路線再建」({{lang|ru|Реконструкция дороги}})方針を決めた。
 
===ロシア鉄道サハリン鉄道支社・極東鉄道支社サハリン地域部===