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== 歴史 ==
太古の人類は[[狩猟]]によって動物を狩り、海や川で漁労を行って魚や海産物を手に入れ、採集によって植物性の食品を手に入れていた。現代でもこれらの手段による食糧生産は行われているものの、[[漁業]]を除いては食糧供給にそれほど大きな役割を占めてはいない。やがて[[火]]の利用が始まると、それまで生では食べることのできなかった穀物や豆、芋などが食用可能になり、食品の幅は大きく広がった<ref>「火と人間」p4 磯田浩 法政大学出版局 2004年4月20日初版第1刷</ref>。その後、世界各地で[[農耕]]が開始されると、各地域の人々はその地方の植物の中から食用に用いやすい植物を選抜し、[[栽培化]]していった。農耕のはじまった地域では多かれ少なかれ栽培化は行われたが、なかでも穀物の栽培化は地域の偏りが大きく、[[中国]]北部、中国[[雲南省]]~[[東南アジア]]~[[インド]]北部、[[中央アジア]]、[[近東]]、[[アフリカ]]([[サヘル]]地帯及び[[エチオピア高原]])、[[中央アメリカ]]、南米の[[アンデス山脈]]の7地域を発祥の地としている<ref>「新訂 食用作物」p3 国分牧衛 養賢堂 2010年8月10日第1版</ref>。同様に世界の各地で動物にも[[家畜化]]が行われ、この農耕と[[牧畜]]によって人類はより効率的に食糧の生産を行うことができるようになった。各地域で独自に家畜化または栽培化された動植物は、やがて交易や交流の増加によって他地域へと伝播していくようになった。なかでも[[1492年]]に[[クリストファー・コロンブス]]が[[アメリカ大陸の発見|アメリカ大陸を発見]]すると、旧大陸と新大陸との間で大規模な交換([[コロンブス交換]])が行われ、旧世界に[[トウモロコシ]]や[[ジャガイモ]]、新世界に[[コムギ]]や[[サトウキビ]]などが持ち込まれることで食品の種類は双方ともに大幅に増加した<ref>{{Cite book |和書 |author=南直人 |title=ヨーロッパの舌はどう変わったか 十九世紀食卓革命 |year=1998 |publisher=講談社 |series=講談社選書メチエ |page=56-58 |ISBN=4-0625-8123-X}}</ref>。[[19世紀]]に入り、[[産業革命]]によって科学および工業力が大幅に進歩すると食品もその影響を受け、流通システムの進歩と合わせて近代的食品工業の成立<ref>{{Cite book |和書 |author=南直人 |title=ヨーロッパの舌はどう変わったか 十九世紀食卓革命 |year=1998 |publisher=講談社 |series=講談社選書メチエ |page=98 |ISBN=4-0625-8123-X}}</ref>や食品科学および[[栄養学]]の成立<ref>{{Cite book |和書 |author=南直人 |title=ヨーロッパの舌はどう変わったか 十九世紀食卓革命 |year=1998 |publisher=講談社 |series=講談社選書メチエ |page=195-200 |ISBN=4-0625-8123-X}}</ref>、そして食品の安全規制の導入<ref>{{Cite book |和書 |author=南直人 |title=ヨーロッパの舌はどう変わったか 十九世紀食卓革命 |year=1998 |publisher=講談社 |series=講談社選書メチエ |page=209-212 |ISBN=4-0625-8123-X}}</ref>などが行われ、食品に関する事情は大きく様変わりした。
 
== 食品の保存 ==