「直列8気筒」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
編集の要約なし
編集の要約なし
4行目:
'''直列8気筒'''(ちょくれつはちきとう)とは[[シリンダー]](気筒)が8つ直列に並んでいる[[レシプロエンジン]]等のシリンダー配列をいう。略して「直8」とも記載することもある。
 
== 概要 ==
[[第二次世界大戦]]前の乗用車用エンジン形式として広く用いられた。その後は[[V型8気筒]]エンジンの台頭により急速に姿を消した。第二次世界大戦後もレース用としてはいくつかの成功例がある。アルファ・ロメオ159エンジン、メルセデス・ベンツM196エンジン等である。
同じ8気筒レイアウトである[[V型8気筒]]の実用化に手間取ったことや、全長が長すぎるという欠点がそれ程ハンデにならなかったこともあり、[[第二次世界大戦]]前の乗用車用エンジン形式として広く用いられた。しかし、アメリカで主流となったV型8気筒エンジンの熟成が進むと、全長の長さが起因する問題が解消されることから切り替えが進み1950年代以降は急速に姿を消し、全長がハンデにならない船舶用エンジン以外での採用は稀となった。
 
== 実用例 ==
また、日本では旧国鉄の標準型気動車のほとんどに17リットル・[[燃焼室|予燃焼室式]][[ディーゼルエンジン]]の[[DMH17系エンジン|DMH17H]]が搭載された。
=== レーシングエンジンとしての直8 ===
第二次世界大戦後も[[フォーミュラカー]]を代表とするレース用としてはいくつかの成功例がある。著名な例として、戦前から活躍していた[[アルファロメオ・158]]とその改良型である[[アルファロメオ・159 (F1マシン)|アルファロメオ・159]]、斬新過ぎる技術を惜しみ無くつぎ込んだ[[メルセデス・ベンツ・W196]]が挙げられる。
両者とも無類の強さを発揮し、アルファロメオは1950年と1951年、メルセデス・ベンツは1954年と1955年の[[F1世界選手権]]ドライバーズチャンピオンを獲得している。しかし、前者は予算不足、後者は[[1955年のル・マン24時間レース]]の大惨事が原因で撤退。その後の8気筒エンジンは、ミッドシップレイアウトに都合の良いV8が主流となり、レーシングエンジンとしての直8エンジンは消滅した。
 
== 直列8気筒搭載レース車 ==
*[[メルセデス・ベンツ・W196]] - [[直列4気筒]]を縦に2基配置。
**[[メルセデス・ベンツ・300SLR]] - 3リッター版。
*[[ブガッティ・タイプ35]]
 
=== 日本での直8 ===
日本での直8エンジンの採用例としては、1951年に導入され旧国鉄の標準型気動車のほとんどに使われた鉄道用エンジンである[[DMH17系エンジン]]が挙げられる。
このエンジンは、戦前に開発された[[ガソリンエンジン]]である[[GMF13形エンジン]]を8気筒化した[[GMH17形エンジン]]をベースとし、1941年には設計は完了したものの戦況悪化によりお蔵入りになっていた[[ディーゼルエンジン]]を祖とする。名称の通り排気量17リットルの[[燃焼室|予燃焼室式]][[ディーゼルエンジン]]であるが、初期仕様で150馬力・改良版でも180馬力と排気量の割に低出力な上に始動性が悪さや排気管過熱などの問題を抱えていた。しかし、代替エンジンの開発に手間取ったことや国鉄の予算問題もありDMH17系エンジンは1970年代に入っても気動車エンジンの主力として君臨。本格的退役は1988年3月30日に発生した[[サロンエクスプレスアルカディア]]の火災事故以降からで、同車を保有していた[[東日本旅客鉄道|JR東日本]]はすぐにエンジン更新を行い1992年にDMH17系エンジンは引退。他社でも搭載車両の引退やエンジン更新により、DMH17系エンジンは絶滅危惧種となっている。
 
*[[DMH17系エンジン]]
 
== 関連項目 ==