「新潟県中越地震」の版間の差分

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=== 地震像 ===
この地域は、ユーラシアプレートと[[北米プレート]]が衝突する[[日本海東縁変動帯]]の陸域の[[新潟-神戸歪集中帯]]の中でも強い[[褶曲]]を受け複雑な応力場を生じている地域である。北北東 - 南南西方向の軸を持つ複[[背斜]]構造があり、震源域となった新潟堆積盆地の東縁(信濃川の東岸)の東山丘陵と魚沼丘陵は、[[中新世]]以降に堆積した5,000 m以上の堆積物が堆積している<ref>[[doi:10.5575/geosoc.116.582{{Cite journal|author=岡村行信|date=2010|title=日本海東縁の地質構造と震源断層との関係]] |journal=地質学雑誌 Vol. 116 (2010) No. 11 P |pages=582-591|doi=10.5575/geosoc.116.582|url=https://www.jstage.jst.go.jp/article/geosoc/116/11/116_11_582/_article/-char/ja/}}</ref>。地震発生直後の調査では地表地震[[断層]]が出現した小平尾断層と六日町盆地西縁断層の北部が活動したと考えられた<ref>{{PDFlinkCite journal|[http://wwwsoc.nii.ac.jp/ajg/ejgeo/113041suzuwata.pdf author=鈴木康弘、渡辺満久|date=2006|title=新潟県中越地震にみる変動地形学の地震解明・地震防災への貢献 鈴木康弘・渡辺満久]}}|journal=日本地理学会 E-journal GEO 第1巻1号|pages=30-41|doi=10.4157/ejgeo.1.30|url=https://www.jstage.jst.go.jp/article/ejgeo/1/1/1_1_30/_article/-char/ja/}}</ref>が、その後の調査で前述断層帯が原因となった可能性を否定する<ref>[http://geo.sc.niigata-u.ac.jp/~earthquake/rep/04/toy1110/toy1110.html 六日町盆地西縁断層北部と小平尾断層の地震断層としての可能性]2004年新潟県中越地震新潟大学調査団</ref>結果が得られている。阪神・淡路大震災の様に明瞭な断層線が地表に出現しない事から、従来知られていた活断層(小平尾断層、六日町盆地西縁断層、信濃川低地西縁断層、信濃川低地東縁断層など)の活動ではなく、厚い堆積層下の未知の断層の活動による地震と考えられている。メカニズムとしては、北西 - 南東圧縮の逆断層型の地震である。本震及び余震の振動波形や余震分布の解析結果によると、本震を発生させた滑り面とは別に並行する別な滑り面と本震と直交する合わせて3つの滑り面が存在した<ref>[http://taro.eri.u-tokyo.ac.jp/saigai/chuetsu/chuetsu.html 2004年新潟県中越地震 ─強震動と震源過程─]東京大学地震研究所 地震火山災害部門・地球計測部門</ref>。
 
=== 本震 ===
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==== 各地の震度 ====
震度5弱以上の揺れを観測した観測点は以下の通り<ref group="G">[http://www.data.jma.go.jp/svd/eqdb/data/shindo/Event.php?ID=163777164418 各地の震度] - 気象庁</ref>。観測点名は地震発生当時のものを使用する<ref group="G">{{PDFlink|[https://www.jma.go.jp/jma/kishou/books/saigaiji/saigaiji_200407.pdf 災害時地震速報 平成16年(2004年)新潟県中越地震]}} - 気象庁</ref>。
 
{| class="wikitable" style="font-size:90%; line-height:1.3em"
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|}
 
北は青森県の[[東津軽郡]][[蟹田町]](現在の[[外ヶ浜町]])、西は兵庫県の[[神戸市]][[灘区]]、南は和歌山県の[[那賀郡 (和歌山県)|那賀郡]][[打田町]]・[[粉河町]](どちらも現在の[[紀の川市]])で震度1を観測するなど、東北地方から近畿地方にかけて震度1以上の揺れを観測し、北海道の[[函館市]]でもビルの高層階では揺れを感じた。[[加古川市]]では本震での震度は観測されなかったが、18時34分の余震では震度1の揺れが観測されている<ref group="G">{{PDFlink|[http://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/8433502/www.jma-net.go.jp/kobe/annai/kankobutsu/jishin/pdf/2004_10.pdf 神戸海洋気象台の資料]}} - WARPによるアーカイブ</ref>。また、[[防災科学技術研究所]]が運用している[[強震観測網]]によれば小千谷市で震度7相当(計測震度6.7)の揺れを観測した<ref group="G">{{Cite web|url=http://www.kyoshin.bosai.go.jp/kyoshin/quake/|title=強震観測網|accessdate=2014-03-16|editor=[[防災科学技術研究所]]}}</ref>。
 
=== 余震 ===
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本震の震源の深さが地下13 kmで、[[余震]]も地下20 km以下で発生し、大きな有感地震が続いた。
 
新潟県内では、本震発生後2時間の間に3回の震度6(弱が1回、強が2回)、地震発生日に計164回の有感地震、翌24日も計110回の有感地震を観測、その後も余震が続き、10月31日までの間に計600回、11月30日までの間に計825回の有感地震を計測した。10月25日以降は、大学の共同研究チーム、気象庁、防災科学技術研究所などにより、臨時の地震計(149台)、GPS変位計(17台)、電磁気(9台)の観測機器が設置され余震活動を記録し<ref>{{Cite journal|author=飯尾能久,松本聡,松島健 ほか、[https://doi.org/10.4294/zisin1948.58.4_463 |date=2006|title=2004年新潟県中越地震の発生過程] |journal=地震 第2輯 2006年 58巻 4号 p.|pages=463-475, {{|doi=10.4294/zisin1948.58.4_463|url=https://doi.org/10.4294/zisin1948.58.4_463}}</ref>地下構造の解析を行った。[[兵庫県南部地震]]をきっかけに整備された[[高感度地震観測網]]と臨時地震観測機器群の活躍により阪神・淡路大震災の際に記録した余震の2倍、[[三河地震]]に匹敵する回数の余震を観測している<ref>[http://www.eri.u-tokyo.ac.jp/HIRATA-LAB/dannwakai/20041126.ppt 2004年新潟県中越地震緊急観測]{{リンク切れ|date=2019-06}} 第822回地震研究所談話会 2004/11/26 東京大学地震研究所緊急余震観測グループ 平田直、佐藤比呂志</ref>。震度6強の強い揺れを伴った地震が短時間に連続して発生しており、余震の規模と時空間分布からみると群発地震的な特徴を持っている<ref>{{Cite journal|author=細野耕、司西政樹、吉田明夫、「[https://doi.org/10.4294/zisin.59.29 |date=2006|title=内陸大地震の余震活動域の深さの時間変化]」 |journal=地震 第2輯 2006年 59巻 1号 p.|pages=29-37, {{|doi=10.4294/zisin.59.29|url=https://doi.org/10.4294/zisin.59.29}}</ref>。地震から7年以上経った2011年でも最大震度が2 - 3の余震が時折発生している。
 
[[新潟地方気象台]]によると2006年(平成18年)5月2日に発生した小千谷市で最大震度2を観測した余震により震度1以上の余震は1,000回を超えた。
 
気象庁の発表によると最大震度5弱以上の余震は12月28日までに18回起きている(下記の時刻は全て[[日本標準時]])<ref group="G"> [http://www.hrr.mlit.go.jp/saigai/H161023/chuetsu-jishin/index.html 平成16新潟県中越地震ー北陸地方整備局のこの1(2004年)ー](第1章 新潟県中越地震の概要]) - 国土交通省 北陸地方整備局</ref>。
; 2004年10月23日
: 17時59分/M(マグニチュード)5.3/最大震度5強
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=== 前兆現象 ===
1983年から1986年および1994年から本震の直前まで震源域を中心に、地震の静穏化現象が生じていた<ref group="G">{{PDFlink|[http://cais.gsi.go.jp/KAIHOU/report/kaihou57/06-03.pdf 新潟平野静穏化地域周辺の地震活動特性について]}} 地震予知連絡会 会報第57巻</ref><ref group="G">{{PDFlink|[http://cais.gsi.go.jp/KAIHOU/report/kaihou66/06-01.pdf 新潟平野静穏化地域周辺の地震活動(震研)]}} 地震予知連絡会 会報第66巻</ref><ref group="G">{{PDFlink|[http://cais.gsi.go.jp/YOCHIREN/report/kaihou73/07_09.pdf 2004年新潟県中越地震前の静穏化とb値低下(防災科研)] 地震予知連絡会 会報第73巻}}</ref>。
 
== 被害 ==
=== 被害の概要 ===
<gallery widths="210px" heights="160px">
ファイル:Chuetsu earthquake-earthquake liquefaction1.jpg|[[液状化現象]]により破損した道路(小千谷市)。2004年10月撮影。
ファイル:Nagaoka ct earthquake.jpg|[[長岡工業高等専門学校]]の敷地内の道路。2004年10月撮影。
ファイル:山辺橋2.jpg|国道117号にかかる山辺橋(小千谷市)。2004年10月撮影。
ファイル:200 K25 Toki 325 derailed 20041106.JPG|脱線した[[上越新幹線]]。2004年11月撮影。
ファイル:Chuetsu Earthquake Myoken, Nagaoka 20041106.jpg|長岡市の崖崩れ現場。2004年11月撮影。
ファイル:Chuetsu earthquake-myouken2.jpg|長岡市の崖崩れ現場。2005年4月撮影。
ファイル:Chuetsu earthquake-kasetu juutaku.jpg|仮設住宅。
</gallery>
 
{|| class="wikitable" style="text-align:right"
|+被害の概要 消防庁 確定報より引用<ref group="G">[http://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/9551459/www.fdma.go.jp/bn/data/010909231403014084.pdf 平成16 (2004 (2004)新潟県中越地震(確定報)] - 消防庁.2009年10月日付 - WARPによるアーカイブ</ref>
||
!colspan="3" | 死者・負傷者数
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||6,064||442||15
|}
強い揺れに見舞われた小千谷市、[[十日町市]]、長岡市、[[見附市]]を中心に、全体で68名が死亡した。家屋の全半壊はおよそ1万7000棟に上ったものの建物[[火災]]の発生は9件に留まった<ref>[[新潟県中越地震#岡田 2014|岡田 2014]], p. 101.</ref>。家屋密集度、人口密度が低い地域で発生した地震であったため、阪神・淡路大震災と比べれば被害ははるかに少なかった。{{要出典範囲|山間部で人口が密集する都市が少なかったこと、豪雪地帯のため[[建築基準法]]により雪に押し潰されない頑丈な構造が要求され作られていたこと、また小千谷市などでは阪神・淡路大震災以来災害に備えた街づくりを進めていたことなどが、被害を抑えた要因だといわれている。|date=2016年7月9日 (土) 13:10 (UTC)}}
 
一方で、山崩れや土砂崩れなどで鉄道・道路が約6,000か所で分断された。2004年(平成16年)は7月13日に新潟県地方で大規模な水害が起こり([[平成16年7月新潟・福島豪雨]])、また夏から秋にかけて[[台風]]が過去最多の10個上陸するという、例年にない多雨に見舞われた年であった。このため、元々地滑りの発生しやすい地形であったところに降雨によって地盤が緩みそれが地震が発生した際に多くの土砂崩れを引き起こしたものと思われる。
 
=== 河川 ===
山古志村芋川流域では842か所で崩落が起き52か所で[[自然ダム]](河道閉塞)を生じ一部では湛水による被害を生じた<ref>[http://www.nilim.go.jp/lab/bcg/siryou/tnn/tnn0616pdf/ks061612.pdf 中越地震による被害状況] 国土交通省 芋川河道閉塞対策</ref>。
[[山古志村]][[芋川 (信濃川水系・魚野川支流)|芋川]]流域では842か所で崩落が起き52か所で[[自然ダム]](河道閉塞)を生じ一部では湛水による被害を生じた<ref group="G">[http://www.nilim.go.jp/lab/bcg/siryou/tnn/tnn0616.htm 国総研資料 第616号 砂防事業に関する調査・研究の動向(その7)]:[http://www.nilim.go.jp/lab/bcg/siryou/tnn/tnn0616pdf/ks061612.pdf 第3分科会 新潟県中越地震 芋川河道閉塞対策(国土交通省 湯沢砂防事務所)] - 国総研</ref>。
 
こうした河道閉塞により、村内の複数の集落で大規模な浸水の被害が出ており、下流域では[[土石流]]が発生する危険性があるため、ポンプによる排水や、河道付近の民家を撤去するなどの措置が取られた。
地震発生当時、幸いにも水位が低かったために被害は発生しなかったが[[信濃川]]の堤防の一部にも亀裂が生じた。
 
また、地震発生当時、幸いにも水位が低かったために被害は発生しなかったが[[信濃川]]の堤防の一部にも亀裂が生じた。
 
=== ライフライン ===
[[電気]]・[[ガス燃料|ガス]]・[[水道]]・[[電話]]・[[携帯電話]]・[[インターネット]]などの[[ライフライン]]が破壊されたほか、新潟県への電話が集中したため、[[電話交換機|交換機]]が[[輻輳]]し、発信規制がかけられた。また、山間部へ続く通信ケーブルや、その迂回路も破壊され、外部からの情報にも孤立する自治体が出た。特に[[阪神・淡路大震災]]以降、災害に強いと思われてきた[[携帯電話]]については、震源地周辺では中継局の設備損壊や[[停電]]などがあり、中継局の機能維持のために非常用として蓄電されていた予備のバッテリーも、通話の集中によって1日余りで使い果たされてしまうなどしたために、中継局そのものの機能が停止し通話不能となるなど広範囲で使用不能となった。
 
[[柏崎刈羽原子力発電所]]・[[福島第一原子力発電所|福島第一]]・[[福島第二原子力発電所|第二原子力発電所]]([[東京電力]])と[[女川原子力発電所]]([[東北電力]])を含めた[[発電所]]への被害はなかった。
 
=== 交通機関 ===
鉄道は[[上越新幹線]]で「[[とき (列車)|とき]]325号」が[[列車脱線事故|脱線]]([[上越新幹線脱線事故]]を参照)したほか、線路や橋脚が破壊され、それに加えてトンネルの路盤が盛り上がるなどの被害が発生した。国内の[[新幹線]]の営業運転中の脱線事故は開業以来初めて(詳細は[[鉄道事故#上越新幹線脱線事故|鉄道事故]]の項を参照のこと)。また在来線も[[上越線]]・[[信越本線]]・[[飯山線]]・[[只見線]]・[[越後線]]も路盤の崩壊など甚大な被害を受けた。また27日午前に発生した余震の際には、JR[[長岡駅]]大手口の外壁が崩壊する可能性があるとして一時閉鎖された(その後安全が確認され、同日夕刻から営業を再開した){{要出典|date=2016年7月9日 (土) 13:10 (UTC)}}。
 
道路は[[北陸自動車道]]や[[関越自動車道]]などの[[高速自動車国道|高速道路]]、[[国道17号]]や[[国道8号]]などの多くの[[一般国道]]、多くの[[都道府県道|県道]]や[[市町村道|生活道路]]も亀裂や陥没、土砂崩れ・崖崩れによって寸断された。このため山間部の集落の一部は全ての通信・輸送手段を失って孤立。とりわけ[[古志郡]][[山古志村]](現[[長岡市]]山古志地区)は村域に通じる全ての道路が寸断されたため、ほぼ全村民が村内に取り残され、[[自衛隊]]の[[ヘリコプター]]により長岡市・小千谷市などへ避難させる作業が行われた。主要地方道の小千谷川口大和線の木沢トンネルも損傷した<ref>{{PDFlink|[http://www.civil.chuo-u.ac.jp/lab/doshitu/eq_reports/2005/niigata6/niigatarep6.pdf 新潟県中越地震 第6回調査速報]}}</ref><ref>{{Cite journal|author=森伸一郎、土谷基大、澤田純男|date=2005|title=新潟県中越地震における木沢トンネルの被害とそのメカニズム|journal=地震工学論文集 28巻|page=182|doi=10.11532/proee2005a.28.182|url=https://doi.org/10.11532/proee2005a.28.182}}</ref>が、崩落箇所を修復し復旧した<ref>[http://kenmane.kensetsu-plaza.com/bookpdf/10/sgb_01.pdf 10.23新潟県中越大震災と災害復旧について(その1)] - 建設マネジメント技術 2007年2月号</ref>。
影響は震源地周辺だけではなく、[[北陸新幹線]]や[[首都圏 (日本)|首都圏]]の[[私鉄]]や[[地下鉄]]も運転を見合わせたり、遅れが発生した。また、首都圏のJR各路線で使用する電力の半分は被災地周辺の水力発電所で賄われており、小千谷市や川西町にまたがる[[東日本旅客鉄道|JR東日本]]保有の[[信濃川発電所]](44万9,000キロワット)に大きな被害が発生したため、発電不能となった。このため他の発電所の発電量を増やしたり、[[東京電力]]から電気を購入するなどして対応で凌いだ(2006年3月14日に復旧工事が終了し、通常の発電出力に戻る)。
 
道路は[[北陸自動車道]]や[[関越自動車道]]などの[[高速自動車国道|高速道路]]、[[国道17号]]や[[国道8号]]などの多くの[[一般国道]]、多くの[[都道府県道|県道]]や[[市町村道|生活道路]]も亀裂や陥没、土砂崩れ・崖崩れによって寸断された。このため山間部の集落の一部は全ての通信・輸送手段を失って孤立。とりわけ[[古志郡]][[山古志村]](現[[長岡市]]山古志地区)は村域に通じる全ての道路が寸断されたため、ほぼ全村民が村内に取り残され、[[自衛隊]]の[[ヘリコプター]]により長岡市・小千谷市などへ避難させる作業が行われた。また山古志村や小千谷市では、数か所で発生した土砂崩れによって[[天然ダム|河道閉塞]]が発生し、複数の集落で大規模な浸水の被害が出ており、下流域では[[土石流]]が発生する危険性があるため、ポンプによる排水や、河道付近の民家を撤去するなどの措置が取られた。主要地方道の小千谷川口大和線の木沢トンネルも損傷した<ref>{{PDFlink|[http://www.civil.chuo-u.ac.jp/lab/doshitu/eq_reports/2005/niigata6/niigatarep6.pdf 新潟県中越地震 第6回調査速報]}}</ref><ref>森伸一郎,土谷基大,澤田純男、「[https://doi.org/10.11532/proee2005a.28.182 新潟県中越地震における 木沢トンネルの被害とそのメカニズム]」 地震工学論文集 2005年 28巻 p.182, {{doi|10.11532/proee2005a.28.182}}</ref>が、崩落箇所を修復し復旧した<ref>[http://kenmane.kensetsu-plaza.com/bookpdf/10/sgb_01.pdf 10.23新潟県中越大震災と 災害復旧について(その1)]</ref>。
 
=== 産業 ===
農業も被害を受けた。[[川口町 (新潟県)|川口町]]や小千谷市では、地震の影響で[[水田]]が[[液状化現象|液状化]]したり、[[棚田]]が崩壊するなどの被害も見られた。これにより、翌年の[[米]]の耕作作業と収穫量に大きく影響した。
 
=== 広範囲への影響 ===
この地震では[[長周期地震動]]によるとみられる被害も発生した<ref>[[朝日新聞]] 2005年8月31日、[http://j.people.com.cn/2005/09/01/print20050901_53168.html 六本木ヒルズのエレベーター、中越地震でワイヤ切断]</ref>。震源から200 kmも離れた[[東京都|東京]]では有感震度は3であったが、[[六本木]]にある[[森タワー]]の[[エレベーター]]6基が緊急停止、うち2基で乗客各1名が一時閉じこめられた。原因は地震動によるワイヤの[[共振]]と見られ、うち1基では8本あるワイヤの1本がエレベータ坑側壁の金具に接触し切れていた。
影響は震源地周辺だけではなく、[[北陸新幹線]]や[[首都圏 (日本)|首都圏]]の[[私鉄]]や[[地下鉄]]も運転を見合わせたり、遅れが発生した。また、首都圏のJR各路線で使用する電力の半分は被災地周辺の水力発電所で賄われており、小千谷市や川西町にまたがる[[東日本旅客鉄道|JR東日本]]保有の[[信濃川発電所]](44万9,000キロワット)に大きな被害が発生したため、発電不能となった。このため他の発電所の発電量を増やしたり、[[東京電力]]から電気を購入するなどして対応で凌いだ(2006年3月14日に復旧工事が終了し、通常の発電出力に戻る)。
 
この地震では[[長周期地震動]]によるとみられる被害も発生した<ref group="N">[[朝日新聞]] 2005年8月31日、[http://j.people.com.cn/2005/09/01/print20050901_53168.html 六本木ヒルズのエレベーター、中越地震でワイヤ切断]</ref>。震源から200 kmも離れた[[東京都|東京]]では有感震度は3であったが、[[六本木]]にある[[森タワー]]の[[エレベーター]]6基が緊急停止、うち2基で乗客各1名が一時閉じこめられた。原因は地震動によるワイヤの[[共振]]と見られ、うち1基では8本あるワイヤの1本がエレベータ坑側壁の金具に接触し切れていた。
 
<gallery widths="210px" heights="160px">
ファイル:Chuetsu earthquake-earthquake liquefaction1.jpg|[[液状化現象]]により破損した道路(小千谷市)。2004年10月撮影。
ファイル:Nagaoka ct earthquake.jpg|[[長岡工業高等専門学校]]の敷地内の道路。2004年10月撮影。
ファイル:山辺橋2.jpg|国道117号にかかる山辺橋(小千谷市)。2004年10月撮影。
ファイル:200 K25 Toki 325 derailed 20041106.JPG|脱線した[[上越新幹線]]。2004年11月撮影。
ファイル:Chuetsu Earthquake Myoken, Nagaoka 20041106.jpg|長岡市の崖崩れ現場。2004年11月撮影。
ファイル:Chuetsu earthquake-myouken2.jpg|長岡市の崖崩れ現場。2005年4月撮影。
ファイル:Chuetsu earthquake-kasetu juutaku.jpg|仮設住宅。
</gallery>
 
== 二次被害 ==
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=== ペット、家畜の被災状況 ===
この新潟県中越地震で被災・避難した2頭の犬が、書籍が刊行されるなどして広く知られている。1頭は山古志村にいた「マリ」で、全村民が村外避難を余儀なくされたことで、マリをはじめとする犬などのペットは置き去りとなった<ref name="山古志住民会議">{{Cite web|url=http://www.yamakoshi.org/culture/culture06.html|title=新潟県中越地震|accessdate=2016-06-25|work=山古志のカルチャー|publisher=山古志住民会議|archiveurl=https://web.archive.org/web/20130718114130/http://www.yamakoshi.org/culture/culture06.html|archivedate=2013-07-18}}</ref>。地震後4日目からは獣医師などがヘリで村に入り、犬や猫への給餌を開始した<ref group="N">{{Cite news|title=いつもそばに 震災とペット (5) 避難所 中越の経験生かす|newspaper=読売新聞 岩手版|date=2015-02-28|url=http://www.yomiuri.co.jp/local/iwate/feature/CO013911/20150227-OYTAT50069.html|accessdate=2016-06-25}}</ref>。マリは地震当日の朝に出産していた3匹の子犬を守りつつ16日後に救助された。しかし避難所にはペットは入れず、マリと子犬たちは一時飼い主と離れることとなった<ref group="N">{{Cite web|url=http://www.ntv.co.jp/don/contents03/2010/12/2007128.html|title=きょうは何の日「2007年12月8日 映画『マリと子犬の物語』が上映された日」|accessdate=2016-06-26|date=2010-12-08|work=DON!|publisher=日本テレビ}}</ref>。マリの話は絵本で紹介され、2007年には『[[マリと子犬の物語]]』として映画化された<ref name="山古志住民会議" />。もう1頭は小国町にいた盲導犬の「クララ」で、視覚障害者の女性とともに避難所に入った。避難所での動物の受け入れについて定めたマニュアルはなかったが担当職員が許可し、避難所にいた住民も犬を受け入れた。クララは避難所に盲導犬が入った日本初の事例であり<ref group="N">{{Cite news|title=阪神大震災13年:災害弱者・あなたの隣に/上 避難所の盲導犬受け入れ態勢|newspaper=毎日新聞 滋賀版|date=2008-01-16|author=蒔田備憲|page=24|quote=''04年の新潟県中越地震で、「クララ」...と暮らす(引用略)さん...の自宅が半壊した。避難所には、...一時は約200人が集まっていたが、当時の担当職員はクララと一緒に避難所に入ることを認めた。...住民は拍手で歓迎した。クララは全国で初めて避難所に入った盲導犬になった。''}}</ref>、2005年に出版された『震災にあった盲導犬クララ』で紹介された<ref>{{Cite book|和書|author=石黒謙吾・構成|title=震災にあった盲導犬クララ|date=2005-10|publisher=[[双葉社]]|isbn=978-4-575-29845-1}}</ref>。新潟県中越地震で被災した犬は約2千頭、猫は約3千匹と推定されている<ref group="G">{{Cite web|url=http://www.pref.niigata.lg.jp/HTML_Articleseikatueisei/554/175/tyuuetukiroku1-181356811015428.pdfhtml|title=記録集:新潟県中越大震災 動物救済本部活動の記録 - 震災における被災動物等への支援|accessdate=2016-06-25|date=2015-04-23|format=PDF|publisher=新潟県|page=2}}</ref>。
 
闘牛([[牛の角突き]])の盛んな山古志村には多数の牛がいたが、地震発生時に牛舎が倒壊して約半数が死んだ。生き残った牛も全村民の避難時に村に置き去りとなったが、間もなく住民が余震の続く中を村に戻り、山道を移動したりヘリコプターで空輸するなどして数日内に全頭を救出した<ref name="山古志住民会議" />。山古志村では[[コイ#観賞魚・錦鯉・食料魚(ニシキゴイ)|錦鯉]]も養殖されていたが、地震により棚池の底にひび割れができて水が失われたり、棚堤防が決壊して流失したり、土砂崩れに埋まったりするなどして約80 %の錦鯉が死んだ<ref>{{Cite journal|和書|author=吉田芳春|date=2008-09|title=特集《農林水産分野における知的財産》 山古志村と錦鯉|url=https://wwwsystem.jpaa.or.jp/activity/publication/patent/patent-library/patent-libpatents_files_old/200809/jpaapatent200809_069-072.pdf|journal=パテント|volume=61|issue=9|pages=pp. 66-72|publisher=[[日本弁理士会]]|accessdate=2016-07-09|format=PDF}}(参照ページ:p. 70.)</ref>。生産者らは生き残った錦鯉を救出し、ヘリコプターにて村外へ搬出した<ref group="G">{{Cite web|url=httpshttp://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/10262996/www.s.affrc.go.jp/docs/gikai/pdf/1608_siryou5_3.pdf|title=資料5-3 新潟県中越地震にかかる錦鯉養殖業への技術的対応について|accessdate=2016-07-09|author=[[水産総合研究センター]]、[[水産庁]]栽培養殖課|date=2004-11-16|format=PDF|work=平成16年度第8回農林水産技術会議(懇談会)|publisher=[[農林水産省]]}} - WARPによるアーカイブ</ref><ref>{{Cite web|url=http://www.japan-nishikigoi.org/japanese/report.html|title=現地レポート|accessdate=2016-07-09|date=2004-11-19|publisher=国際錦鯉普及センター}}</ref>。
 
=== ライフライン ===
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[[画像:Chuetsu earthquake-jieitai1.jpg|thumb|被災地に向け、出発する自衛隊車両。]]
[[ファイル:Chuetsu earthquake-takidashi.jpg|thumb|被災者への炊き出し。2004年10月撮影。]]
* [[小泉純一郎]][[内閣総理大臣|首相]](当時)は第17回[[東京国際映画祭]]のオープニングセレモニーに出席中であり、第一報を受けてから約1時間後に公邸に戻った<ref group="N">{{Cite news|title=【新潟県中越地震】小泉首相、映画祭で連絡受ける 作品鑑賞は中止|date=2004-10-23|url=http://www.asahi.com/special/041023/TKY200410230268.html|accessdate=2016-07-09}}</ref>。[[総理大臣官邸|首相官邸]]には地震発生から約4分後の23日18時に対策室が設置され、[[防衛庁]]に[[阪神・淡路大震災]]以来初となる緊急対策室が設置された。翌日に[[村田吉隆]][[防災担当大臣]](当時)が被災地を訪問した。
* 一般向けの提供がまだ行われていなかった[[緊急地震速報]]は、実際に稼動した。まだ実験段階ではあったが、茨城県[[守谷市]]にある[[明星電気]]守谷工場内で速報の受信が行われ、実際にカウントダウンまでされた([http://www.meisei.co.jp/special/qcast/pop_01.html ビデオ映像])。なお、脱線した上越新幹線でも、[[ユレダス]]と呼ばれる緊急地震速報が受信され、緊急停止が行われた(結果的に、揺れる前に停止はできなかった)。また、17時56分13.6秒(本震)の第4報では、新潟県中越地方の震度予測が「6強から7程度」となっており、実際に震度7が観測されることも予測していた。
* 新潟県知事、被災地各市町村首長らの要請により、[[自衛隊]]が災害派遣され、新潟市の[[新潟県スポーツ公園]]内の臨時駐車場と[[新潟県立野球場]]の建設予定地を災害支援用の拠点として使用。その後交通網の復旧が進んだことから10日より順次、被災地周辺に駐屯する体制に切り替えられ、[[長岡市悠久山野球場]]周辺など数箇所に拠点を置いた。なお、当時の[[平山征夫]]知事の任期が地震発生翌日の10月24日までだったため、地震発生当時は知事ではなかった[[泉田裕彦]]次期知事も知事就任前から新潟県庁で状況把握を行っていた。
* [[日本の消防|消防]]では、新潟県内の[[消防本部]]による消防応援が実施されたのとあわせて、総務省[[消防庁]]などの調整のもと、宮城県・山形県・福島県・茨城県・栃木県・群馬県・埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県・長野県・山梨県・富山県・石川県・愛知県の消防本部から[[緊急消防援助隊]]が出動し被災地での災害活動が行われた。
:東京都隊として派遣された[[東京消防庁]]の[[消防救助機動部隊]](ハイパーレスキュー)が中心になり、長野県隊・栃木県隊などや新潟県内の消防本部[[特別救助隊|救助隊]]とともに、崖崩れの現場で救助活動を行い、地震発生から92時間後に崖崩れで埋没していた乗用車から2歳の男児を救助した<ref group="G">[http://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/11247966/www.fdma.go.jp/html/hakusho/h16/h16/html/16250k20.html 東京消防庁消防救助機動部隊(ハイパーレスキュー)について] - WARPによるアーカイブ</ref>。
:緊急消防援助隊の10月23日から11月1日の10日間の活動で453人(うち[[消防防災ヘリコプター]]による救出が282人)を救出。この震災で消防が得たものが後の[[特別高度救助隊]]・高度救助隊の発足と整備につながる。{{See|緊急消防援助隊#活動実績}}
* [[日本の警察|警察]]では、[[警察庁]]が各県警の[[広域緊急援助隊]]を出動させ災害現場の警備や救助活動、交通整理などを行った。
* [[災害救助犬]]は、各民間(ボランティア)協会より被災地に派遣され活躍したほか、崖崩れで数日間埋没していた乗用車から救出された現場には[[警視庁]]所有の[[警備犬]]レスター号([[シェパード|ジャーマンシェパード]]のオス、 - 2015年12月4日<ref group="N">{{Cite news|title=中越地震で生き埋めの男児発見、警備犬レスター号天国へ|newspaper=[[朝日新聞]]|date=2015-12-04|url=http://www.asahi.com/articles/ASHD465HVHD4UTIL04D.html|accessdate=2015-12-05<!--2015年12月4日 (金) 23:10 (UTC)-->}}</ref><ref group="N">{{Cite news|title=奇跡の犬・レスター号、死す 中越地震で2歳男児を92時間ぶり救出|newspaper=[[スポーツ報知]]|date=2015-12-05|url=http://www.hochi.co.jp/topics/20151205-OHT1T50001.html|accessdate=2015-12-05}}<!--2015年12月4日 (金) 23:10 (UTC)--></ref>)が投入された。<!--* なお、生存を最初に確認したのはレスター号ではなく東京消防庁ハイパーレスキューです。-->
* 救助活動が行われている崖崩れ現場に、地盤や地震に詳しい[[上席研究員]]と[[工学博士]]、[[陸上自衛隊]]の[[医官]]も加わった。
* 東京都の医師、[[看護士]]、[[救急救命士]]などによる災害医療チーム[[東京DMAT]]が被災地に入り医療活動を行った。
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* 2006年(平成18年)7月4日、旧山古志村(現長岡市)にある虫亀診療所が診療再開。
* 2006年(平成18年)7月6日、旧山古志村(現長岡市)にある種苧原診療所が診療再開。
* 2007年(平成19年)12月2日付の毎日新聞の報道によると、長岡市内の仮設住宅に同市の54歳の復興管理監が自分は入居資格がないにもかかわらず、2007年(平成19年)11月初めまで入居していたことが発覚した<ref group="N">{{Cite web|url=http://mainichi.jp/select/wadai/news/20071202ddm041040116000c.html|title=新潟中越地震:長岡・仮設住宅、市幹部が無資格入居 被災者カンカン「別荘なのか」|accessdate=2007-12-02|date=2007-12-02|work=毎日新聞|archiveurl=https://archive.is/20070514030407/http://mainichi.jp/select/wadai/news/20071202ddm041040116000c.html|archivedate=2007年5月14日|deadlinkdate=2017年10月}}</ref>。
* 2007年(平成19年)12月31日、すべての仮設住宅から住民が退去し閉鎖。<!--最後の一人は旧山古志村村長長島忠美衆議院議員-->
 
351 ⟶ 359行目:
* [[日本の消防|消防]]:453名
* [[日本の警察|警察]]:137名
<ref group="G">[http://www.bousai.go.jp/kohou/oshirase/h17/pdf/shiryou2-2chusankan050822.pdfhtml 中山間地等の集落散在地域における地震防災対策に関する検討会(第4回) 資料2(2)] - 内閣府]</ref>
 
== 交通への影響 ==
417 ⟶ 425行目:
*** 11月15日:全線で通常ダイヤに復帰。
* 資料
** {{PDFlink|[https://web.archive.org/web/20150217142209/http://www.jrniigata.co.jp/map/JRniigata_map.pdf JR新潟支社 路線図]}} - WayBack Machineによるアーカイブ
** JR路線図
*** {{PDFlink|[http://www.jreast.co.jp/map/pdf/map_03.pdf (関東・甲信越 - 新潟)]}}
*** {{PDFlink|[http://www.jreast.co.jp/map/pdf/map_02.pdf (東北 - 新潟)]}}
** [http://www.hokuhoku.co.jp/ ほくほく線(北越急行)]
<!--
==== 現状・迂回経路 ====
449 ⟶ 454行目:
=== 一般道路 ===
{{出典の明記|section=1|date=2016年7月9日 (土) 13:10 (UTC)}}
一般車両の通行止め状況:<!--<ref group="G">{{PDFlink|[http://www.hrr.mlit.go.jp/road/niigata/ 状況]}}(国土交通省道路局提供)</ref>-->
* [[国道]]78箇所、[[都道府県道|県道]]163箇所、[[市町村道]]845箇所で通行止となった。その他の箇所でも通行規制が敷かれている箇所がある。
**国道17号線では和南津トンネルが崩落のため通行止めになり、上記の高速道路の通行止めや通行制限が複合条件となり、湯沢-関東地方からの大型車の流通が著しく制限され、12月に2車線復旧するまでは2か月ほど大規模な渋滞が続いていた。
471 ⟶ 476行目:
; フェリー(50 %割引)
: 対象:被災者・その家族・その親族、ボランティア
: 路線:[[博多港|博多]] - [[直江津港|直江津]] - [[室蘭港|室蘭]](博多 - 直江津は九越フェリー、直江津 - 室蘭は[[東日本フェリー]]の運航)
: 船舶:「ニューれいんぼうべる」「ニューれいんぼうらぶ」
: 期間:12月30日まで。
489 ⟶ 494行目:
 
== 社会的な影響 ==
このころに[[紀宮清子内親王|紀宮清子内親王(現・黒田清子)]]と東京都職員との婚約内定発表が予定されていたが、被災者に配慮して発表を延期した<ref group="N">{{Cite news|title=紀宮さまと黒田さん婚約、宮内庁が内定を正式発表|newspaper=asahi.com ビデオニュース|date=2004-12-30|url=http://www.asahi.com/motion/TKY200412300116.html|accessdate=2016-07-09|publisher=朝日新聞社}}</ref>。
 
[[日本プロ野球]]では、地震発生当時は[[中日ドラゴンズ]]と[[埼玉西武ライオンズ|西武ライオンズ]]の[[2004年の日本シリーズ|日本シリーズ]]の真っ最中であったが、地震発生翌日の10月24日の第6戦では試合前の黙祷などは行われず、試合前に[[ナゴヤドーム]]の[[オーロラビジョン]]に[[日本野球機構]](NPB)・中日ドラゴンズ・西武ライオンズ名義での「新潟県中越地震で被災された皆様にお見舞い申し上げます」という掲示に留められた<ref group="N">[[中日新聞]]2004年10月25日朝刊 {{full|date=2016-07-09}}</ref>。また、日本シリーズ勝者の西武は[[ビールかけ]]を自粛せず予定通り実施した。なお、中日の選手会は24日、被災地に寄付金100万円を贈ると発表した。中日の[[井端弘和]]選手会長(当時)は「できる限りのことはしたかった。新潟にも中日ファンはいると思いますので、あとはいいゲームを見せたい」と話した<ref group="N">[http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20041024-00020540-jij-spo 中日選手会、地震被災地に100万円寄付=プロ野球] - [[時事通信]](2004年10月24日 17時30分 更新){{リンク切れ|date=2015年12月}}</ref>。
 
[[日本プロサッカーリーグ|Jリーグ]]は、10月30日に新潟スタジアム(ビッグスワン)で開催する予定だった[[アルビレックス新潟]]対[[柏レイソル]]の試合について、余震活動への警戒と復旧作業との同時進行での混乱(スタジアムの駐車場を自衛隊が災害支援拠点として使用していたため)を考慮して延期、代替試合を11月10日に[[国立霞ヶ丘陸上競技場]]で開催した。また同じく新潟開催で予定されていた天皇杯4回戦[[湘南ベルマーレ]]戦を[[平塚競技場]]での開催に振り替えた。なお、同月20日の[[FC東京]]戦、28日の[[セレッソ大阪]]戦の第2ステージのホーム2試合は新潟スタジアムで開催された。また、[[Jサテライトリーグ]]で10月31日に開催予定だったアルビレックス対[[大宮アルディージャ]]戦([[新発田市五十公野公園陸上競技場]])の開催中止と、[[Jリーグユース選手権大会|Jユースカップ]]の出場辞退を発表した。なおJユースカップについては、すでに開催している試合の記録は有効とし、残り試合は0-3でアルビレックスの敗戦扱いとみなした{{要出典|date=2016年7月9日 (土) 13:10 (UTC)}}。
503 ⟶ 508行目:
 
== 復旧支援・見舞金など ==
* 新潟県に寄せられた義援金は373億6577万3401円におよんだ<ref group="G">{{PDFlink|[http://www.pref.niigata.lg.jp/HTML_Article/981/54/daisinnsai%20giennkinn%20result%20hp.pdf 新潟県中越大震災義援金の受入・配分結果報告]}} - 新潟県}}</ref>。
* ボランティア、のべ9万4,976人 (2007年10月31日時点)<ref group="G">[http://www.pref.niigata.lg.jp/bosai/chuetsu_daishinsai.html 新潟県中越大震災に関する情報] - 新潟県防災局.2019年6月30日閲覧。</ref>
 
応急対策に一定のめどがついた平成20年4月4日、「新潟県中越大震災災害対策本部」は解散した<ref group="G">[http://www.pref.niigata.lg.jp/kikitaisaku/1207242084965.html 「新潟県中越大震災災害対策本部」を解散しました。] - 新潟県防災局危機対策課.2019年6月30日閲覧。</ref>
<!--
=== 公的ボランティアによる支援 ===
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=== 諸国からの見舞状 ===
{{出典の明記|section=1|date=2016年7月9日 (土) 13:10 (UTC)}}
*; 見舞状を日本赤十字に寄せた各国の[[赤十字社]]、[[赤新月社]]
{{col-begin}}
** [[スペイン赤十字社]]
{{col-2}}
** [[大韓赤十字社]](韓国)
* [[スペイン赤十字社]]
** 朝鮮赤十字会(朝鮮民主主義人民共和国)
** [[アメリカ大韓赤十字社]](アメリカ合衆国)
* 朝鮮赤十字会(朝鮮民主主義人民共和国)
** [[トルコ赤新月社]]
** [[アメ赤十字社]](アメリカ合衆国)
** [[インドネシアトルコ赤新月社]]
{{col-2}}
** [[イラン赤新月社]]
** [[ベトナムチリ赤十字社]]
** [[ゴルドネシア十字新月社]]
** [[パキスタイラン赤新月社]]
* [[ベトナム赤十字社]]
* [[モンゴル赤十字社]]
* [[パキスタン赤新月社]]
{{col-end}}
{{clear}}
 
=== 競輪 ===
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=== 歌と復興祈願花火 ===
[[ファイル:Phoenix Fireworks at Nagaoka Festival 2011.JPG|thumb|220px|right|復興祈願花火フェニックス(2011年8月撮影)]]
地震発生後から、[[平原綾香]]のデビュー曲「[[Jupiter (平原綾香の曲)|Jupiter]]」が新潟県内のラジオ局でたびたびリクエストされた<ref group="G" name="広報ぼうさい21">{{Cite web|url=http://www.bousai.go.jp/kohou/kouhoubousai/h21/09/active.html|title=Active Woman file 「ミュージシャン 平原綾香さん」|accessdate=2016-07-09|date=2009-09|work=平成21年度 広報ぼうさい|publisher=[[内閣府]]}}</ref>。被災地の復興を応援する歌となっていることを知った平原は、その後たびたび被災地を慰問に訪れた。こうした縁から、2007年公開の新潟県中越地震を題材とする映画『マリと子犬の物語』の主題歌の作詞と歌唱を平原が手がけることとなった<ref name="東宝20070803">{{Cite web|url=http://www2.toho-movie.jp/movie-topic/0708/02maritokoinu_sh.html|title=「マリと子犬の物語」の主題歌が平原綾香さんに決定!|accessdate=2016-07-09|date=2007-08-03|work=-MOVIE Topics|publisher=[[東宝]]}}</ref>。
 
被災翌年の2005年(平成17年)以降の[[長岡まつり]]大花火大会で打ち上げられている復興祈願花火「フェニックス」では、「Jupiter」がBGMとして使われている<ref group="G" name="広報ぼうさい21" /><ref name="東宝20070803" /><ref>{{Cite web|url=http://nagaokamatsuri.com/nenhyo.html|title=歴史年表|accessdate=2016-07-09|work=「長岡花火」公式ウェブサイト|publisher=長岡まつり協議会事務局}}</ref>。「Jupiter」は約6分の歌だが、「フェニックス」の打ち上げ時間に合わせて約3分程に短縮されている(地震から10年目の2014年はフルバージョンで演奏し打ち上げ時間が5分強となった<ref>{{Cite web|url=https://nagaokamatsuri.com/learn/history/|title=歴史年表|accessdate=2019-06-30|work=「長岡花火」公式ウェブサイト|publisher=長岡まつり協議会事務局}}</ref><ref>{{Cite web|url=http://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/10181192/www.city.nagaoka.niigata.jp/shityo/kaiken/file/20140728-2-1.pdf|title=震災復興10年。フェニックス10とともに感謝の気持ちを込め長岡まつり大花火大会を開催|accessdate=2016-07-09|author=長岡市商工部まつり振興課ほか|date=2014-07-28|format=PDF|work=記者会見資料 No.2|publisher=長岡市|quote=''打ち上げ時間は「ジュピター」のフルバージョンに合わせ5分10秒(例年は約3分)''}} - WARPによるアーカイブ</ref>。2005年(平成17年)8月<!--3日(-->の花火大会<!--2日目)-->には平原が来場し、<!--花火大会に先立って-->この曲をライブで歌った<ref group="G" name="広報ぼうさい21" />。
 
== 復旧費用 ==
{{要検証範囲|地震から6年後の2010年10月までの復旧費用の総額は2000億円以上で、内訳は道路や河川や土砂災害復旧などの公共土木施設に約1293億円、農地や農業用施設に約341億円などである|date=2016年7月9日 (土) 13:10 (UTC)}}<ref group="N">[http://mytown.asahi.com/areanews/niigata/TKY201010220441.html 追悼そして復興へ 中越地震発生から6年、各地で行事 朝日新聞2010年10月23日] {{要検証|date=2016-07-09}}</ref>。
 
== 法的措置 ==
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* 川口きずな館(旧[[川口町 (新潟県)|川口町]])
 
== ==
{{脚注ヘルプ}}
=== 注釈 ===
{{Reflist|group=注}}
=== 出典(新聞・ニュース) ===
 
{{Reflist|group="N"|2}}
== 出典 ==
=== 出典(国の機関及び自治体) ===
{{Reflist|group="G"|2}}
=== 出典(その他) ===
{{Reflist|2}}
 
637 ⟶ 651行目:
 
== 外部リンク ==
; 国の機関及び自治体
* [https://www.jma.go.jp/jma/index.html 気象庁]
* [http://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/9551459/www.fdma.go.jp/bn/data/010909231403014084.pdf 平成16年(2004年)新潟県中越地震(確定報)](消防庁) - WARPによるアーカイブ
** [http://www.prefjma.niigata.lggo.jp/bosaijma/chuetsu_daishinsaikishou/books/saigaiji/saigaiji_2004.html 災害時地震速報 平成16年(2004年)新潟県中越災に関する情報](新潟県防災局)
** [http://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/234400/www.jma.go.jp/JMA_HP/jma/niigata.html 平成16年(2004年)新潟県中越地震の被災地及び周辺地域に関する地震・気象情報] - WARPによるアーカイブ
* [http://www.pref.niigata.lg.jp/dobokukanri/1300136465340.html 新潟県中越大震災の記録](新潟県土木部監理課)
* [http://www.gsibousai.gopref.niigata.jp/BOUSAI/NIIGATAJISINcontents/index.html 新潟県中越地震関連](国土地理院防災ポータル
** [http://www.jmapref.goniigata.lg.jp/jmabosai/kishou/books/saigaiji/saigaiji_2004chuetsu_daishinsai.html 災害時地震速報 平成16年(2004年)新潟県中越災に関する情報](気象庁防災局
** [http://warpwww.dapref.ndlniigata.golg.jp/info:ndljpdobokukanri/pid/234400/www.jma.go.jp/JMA_HP/jma/niigata1202144477513.html 平成16年(2004(2004)新潟県中越被災地及び周辺地域に関する地震・気象情報記録](気象庁土木部監理課 - WARPによるアーカイブ
** [http://www.pref.niigata.lg.jp/sabo/1191169857729.html 記録集:新潟県中越地震と土砂災害](土木部砂防課)
; 研究機関、報道機関等
** [http://www.pref.niigata.lg.jp/gesuido/ 災害復旧の記録](都市局下水道課) ※左側のメニューからアクセス可能
* [http://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/10297544/geo.sc.niigata-u.ac.jp/~earthquake 新潟大学調査団] - WARPによるアーカイブ
** [http://www.pref.niigata.lg.jp/nochikanri/1356913783230.html 新潟豪雨・中越大震災に関するお知らせ](農地部農地管理課)
** [http://www.pref.niigata.lg.jp/nagaoka_seibi/1356797898739.html 震災を乗り越えて~新潟県中越大震災から10年の軌跡~](長岡地域振興局地域整備部)
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* [http://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/9976637/www.eri.u-tokyo.ac.jp/topics/CHUETSU2004/index-j.html 2004年新潟県中越地震の特集ページ](東京大学地震研究所) - WARPによるアーカイブ
* [http://www.jishin.go.jp/main/chousa/04oct_niigata/ 2004年10月23日新潟県中越地震の評価](地震調査研究推進本部)
; マスメディア
* [https://www2.nhk.or.jp/archives/tv60bin/detail/index.cgi?das_id=D0009030321_00000 新潟県中越地震(2004年)] - [[NHKアーカイブス]]([[日本放送協会]])
; その他
* [https://c-marugoto.jp/ 中越メモリアル回廊](中越防災安全推進機構)
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