「フッ化水素」の版間の差分

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== 毒性 ==
ヒトの経口最小致死量 = 1.5 g、または 20 mg/kg(体重あたり)。スプーン一杯の誤飲(9%溶液)で死亡の事例もある<ref>[http://wwwwwwt.j-poison-ic.or.jp/ippan/O13300O.pdf (財)日本中毒情報センター:フッ化水素(医師向け中毒情報)]</ref>。吸引すると、灼熱感、咳、めまい、頭痛、息苦しさ、吐き気、息切れ、咽頭痛、嘔吐などの症状が現われる。また、目に入った場合は発赤、痛み、重度の熱傷を起こす。皮膚に接触すると、体内に容易に浸透する。フッ化水素は体内の[[カルシウム|カルシウムイオン]]と結合してフッ化カルシウムを生じさせる反応を起こすので、骨を侵す。濃度の薄いフッ化水素酸が付着すると、数時間後にうずくような痛みに襲われるが、これは生じた[[フッ化カルシウム]][[結晶]]の刺激によるものである。また、浴びた量が多いと死に至る。これは血液中のカルシウムイオンがフッ化水素によって急速に消費されるために、血中カルシウム濃度が低下し、しばしば重篤な[[低カルシウム血症]]を引き起こすためである<ref>[http://www.jichi.ac.jp/usr/gakuyu/kyudobu/er/card/card4-20.html フッ化水素酸中毒の症例]</ref>。この場合、意識は明晰なまま、[[心室細動]]を起こし死亡する<ref>内藤裕史『中毒百科』南江堂、2001年</ref>。
 
なお、歯科治療においては、人工歯([[義歯]])の製造工程にフッ化水素が使われる一方で、歯の[[う蝕]](=虫歯)予防に[[フッ化ナトリウム]] (NaF) が使われることがある。実際に、両者のとり違いによる死亡事故([[八王子市歯科医師フッ化水素酸誤塗布事故]])が報告されている<ref>昭和57年(1982年)4月22日 読売新聞記事</ref><ref>東京地方裁判所八王子支部昭和58年2月24日判決 [http://www.jmari.med.or.jp/research/dl.php?no=233 日医総研ワーキングペーパー No.93] 日医総研 平成16年1月20日に関連情報あり</ref>(両方とも[[フッ化物]]なので混同の危険性がある)。皮膚に接触した場合の[[応急処置]]としては、直ちに流水洗浄し、[[グルコン酸カルシウム]]を患部に塗布する。
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*管理濃度  0.5ppm
-->
 
== 事故・災害 ==
[[2012年]][[9月27日]]、[[大韓民国|韓国]]の[[慶尚北道]][[亀尾市]]にある工場でフッ酸が漏出する事故が起こり、作業員ら5人が死亡、住民4千人あまりが健康被害を受けた([[亀尾フッ化水素酸漏出事故]])。韓国政府は、同年10月8日に慶尚北道亀尾市山東面鳳山里一帯を特別災難地域に指定した<ref>[http://japanese.donga.com/srv/service.php3?biid=2012100995888 東亜日報「フッ酸漏えいの亀尾地域、特別災難地域に指定」] 2012年10月10日13時30分閲覧</ref>。