「ホイールベース」の版間の差分

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== 鉄道 ==
[[鉄道車両]]でも[[輪軸 (鉄道車両)|輪軸]]の間隔をホイールベースと呼ぶ。ただし'''軸距'''、あるいは'''固定軸距'''という表現の方がよく用いられる。[[二軸車 (鉄道)|二軸車]]では自動車と同様に車軸の間隔が軸距である。一方[[ボギー台車]]を装備した車両(ボギー車)では、1つの[[鉄道車両の台車|台車]]に装備されている車軸の間隔を軸距と呼び、その台車同士の間隔を台中心間隔あるいはボギーセンター間距離と呼ぶ。
 
二軸車、ボギー台車ともに、通常は同一車両(同一台車)の車軸は向きが固定されており、自動車のようにカーブの内側を向けることはできないため、軸距が長くなると線路に掛かる圧力([[横圧]])が大きくなり、線路の歪みを引き起こして[[保線]]作業に手間が掛かるなどの悪影響が出てくる。横圧が大きくなりすぎると脱線をもたらす事もあるため、軸距を大きく取りすぎることはできない。一方、軸距を小さくしすぎると[[蛇行動]]を引き起こす要因となる。脱線と蛇行動を抑止して高速走行を実現するためには、軸距と軸箱の支持[[剛性]]、車輪の[[踏面]]形状などの間に適切な関係を見つける必要がある。
 
ボギー車では、台車間の距離を長くすることで軸距を伸ばすことなく車体を長くできる。しかしながら、いたずらに拡大すると曲線部で車体中央や[[オーバーハング (自動車用語)|オーバーハング]]が[[建築限界]]に抵触する恐れがある。また、カーブしている駅の[[プラットホーム]]において特に車両中央部のドアとホームとの間隔が開きすぎて乗降に支障をきたす<ref>ホームがカーブの外側にある場合は車体中央が離れ、ホームがカーブの内側にある場合は車両両端が離れる。</ref>。さらに[[分岐器]]の通過に際しあまりにも長い台車間隔だと脱線のおそれもあるため、ボギーセンター(台車中心間距離)の長さは規制される<ref>本文以外の理由にも[[国鉄キハ10系気動車#キハ50形(キハ44600形)|キハ50形]]のように長大な台車間距離ゆえに分岐器の通過時に両台車の内側車輪がともに轍叉桿(Detector Bar:分岐器通過中に誤転換が発生しないようにするためのメカニカルストッパーによる保安装置)を跨ぎ越してしまう問題がある。詳しくは当該記事を参照のこと。</ref>。
 
== 脚注 ==