「大自在天」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
編集の要約なし
1行目:
{{Infobox Buddha
[[ファイル:Daijizaiten.jpg|thumb|156px|大自在天<br>『図像抄』「尊像三目八臂騎白牛」とある]]
|名= 大自在天
'''大自在天'''(だいじざいてん、[[サンスクリット|梵]]:महेश्वर、Maheśvara、マヘーシュヴァラ、音写:摩醯首羅、まけいしゅら)とも言う。もともとは[[ヒンドゥー教]]における[[シヴァ]][[神]]である。[[仏教]]では自在天外道の[[主神]]とされる。なお[[歓喜天|大聖歓喜自在天]]・[[他化自在天]]と名称が似ているため多く混同されるが、別の天部である(後述)。妻は烏摩妃([[パールヴァティー]])。
|梵名= マヘーシュヴァラ
|別名= 摩醯首羅
|画像=[[ファイル:Daijizaiten.jpg|200px]]
[[ファイル:Daijizaiten.jpg|thumb|156px|説明文= 大自在天<br>諸尊図像より)<br/><small>「尊像三目八臂騎白牛」とある]]</small>
|経典=
|主要経典注釈書=
|信仰=
|関連項目=
}}
 
'''大自在天'''(だいじざいてん、[[サンスクリット|梵]]:महेश्वर、Maheśvara、マヘーシュヴァラ、音写:'''摩醯首羅'''、まけいしゅら)とも言う。もともと[[ヒンドゥー教]]における[[シヴァヒンドゥー教]][[神]][[シヴァ]]である。[[仏教]]では自在天外道の[[主神]]とされる。なお[[歓喜天|大聖歓喜自在天]]・[[他化自在天]]と名称が似ているため多く混同されるが、別の天部である(後述)。妻は烏摩妃([[パールヴァティー]])。
 
== 概要 ==
[[ファイル:Indian style figure by Yü-ch'ih I-sêng (尉遲乙僧) or Yü-ch'ih Pa-chih-na (尉遲跋質那).jpg|サムネイル|180px|大自在天([[ダンダン・ウィリク]]出土)]]
[[色界]]の頂にありて住する[[三千世界]]の主である。
 
[[歓喜天|聖歓喜自在天]]や[[他化自在天]]と名称が似ているため、よく混同される。しかし他化自在天は[[欲界]]の[[六欲天]]の最上位の天の名称であるのに対し、大自在天は色界>四禅天>五浄居天>[[色究竟天]]に在す天神の名称とされる。
 
[[バラモン教]](後のヒンドゥー教)では、世界を創造し支配する最高神を、サンスクリット語で Īśvara、'''イーシュヴァラ'''、自在天(梵語:Īśvara)というが、これはシヴァの別名となる。仏教では後にバラモン・ヒンドゥーの神々が取り入れられたが、イーシュヴァラ」「マヘーシュヴァラはそれぞれ自在天」「大自在天と漢訳された。そのため異名は千以上あるといわれる。
 
仏教においては、シヴァ神と同じく三目八臂で白牛に乗り、外道(仏教以外)と同様の神像で表現されるが、一方では[[密教]]の[[曼荼羅]]などにおいて諸尊の一神としても重要な位置を占める。曼荼羅では男女一対で表され、妃を烏摩妃(うまひ)という。また[[如来|仏]]や[[菩薩]]の[[応身|化身]]という解釈もなされる。
21 ⟶ 33行目:
また、[[菅原道真]]の[[御霊信仰|御霊(ごりょう)]]に「天満大自在[[天神信仰|天神]]」の神号が追贈されているが、これは御霊の威力を大自在天に習合させたものであるという。
 
密教では妻の烏摩妃(パールヴァティー)と共に[[降三世明王]]に踏みつけられている。
 
仏説大自在天子因地経(北宋・施護訳)によると、大自在天は[[崑崙山]]に烏摩妃ととも住んでおり、遠い過去の仏の出世の時に四人の修行者がいて発願し、それぞれが[[梵天|梵天王]]、[[那羅延天]]、大自在天、[[釈迦如来|仏世尊]]になったという。
32 ⟶ 44行目:
大自在天は万物の生本たる義によって、シヴァ派の人々は人間の[[陰茎|男根]]を天神の神実(かみしろ)として祀る。またシヴァ神は[[リンガ (シンボル)|リンガ]](男根)を象徴とし、[[ファルス (性)|男根崇拝]]と結びついて崇められる。さらに、続高僧伝玄奘伝、西域記健馱羅国記、玄応音義25、大智度論5、同10などの文献にもその痕跡が伺える。
 
なお前出の通り、大自在天は他化自在天とよく混同される。そのためリンガ信仰と混交し、魔王が六欲天の他化自在天の最高位の主であることから[[天魔]]である魔羅([[マーラ]], Māra)<ref>'''摩羅'''とも表記する。悪魔の意。</ref>を指し、これが次第に転じて俗に「男根」を魔羅、マラというようになったといわれる。あるいは先に女根を毘摩羅(Vimalā - ヴィマラー)ということから、摩羅とは本来、男女根の名称にて邦語のマラはサンスクリット語のままを伝えられなかったか、あるいは日本の神である[[天津麻羅|天津摩羅命]]、大摩羅神、赤摩羅、天照(正字は一の下に艮)建雄などに由来するという説もある。
 
== 脚注 ==
42 ⟶ 54行目:
* [[天満大自在天神]]
* [[大黒天]]
* [[降三世明王]]
 
{{Buddhism-stub}}