「九八式装甲運搬車」の版間の差分

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九八式装甲運搬車は、九七式軽装甲車の開発試案のうち[[エンジン]]を車体前部の操縦席右側に配置した第一案を原型としている<ref name="saito116">[[#斉藤|斉藤(1992年)]]、116頁。</ref>。この第一案は1937年(昭和12年)9月に[[池貝自動車製造]]([[池貝|池貝鐵工所]]の子会社、後の[[小松製作所]]川崎工場)が試作したものであるが、操縦手と車長の連携が難しくなることや車内温度の上昇が激しいことが問題視されて、九七式軽装甲車では不採用となった形式であった<ref >[[#斉藤|斉藤(1992年)]]、87頁。</ref>。エンジンを車体前部に配置したことで、空いた車体後部を利用して物資搭載用のオープントップの装甲貨物室が確保されており、九四式軽装甲車のようなトレーラー式ではなくなった。車体後部に扉が設けられており、助手席から後扉を開けて弾薬などの物資を突き落とすことで、乗車したまま最前線でも安全に荷卸ができるようになっていた<ref name="saito116" />。
 
九七式軽装甲車とは異なって、[[砲塔]]などの固定武装をされていない。
 
車体後端には火砲牽引用のフックがあり、[[砲兵トラクター]]として[[一式機動四十七粍速射砲]]の牽引が可能だった。[[試製機動五十七粍砲]]の牽引実験も行われている<ref name="saito116" />。小型の装甲牽引車という性格は、[[ソビエト連邦]]の[[T-20 (装甲牽引車)|コムソモーレツ牽引車]]に相当する<ref name="saito116" />。