「年周視差」の版間の差分

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楕円軌道と単位「パーセク」について
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== 概要 ==
年周視差による天体の見かけ上の運動は天球上の天体の[[黄緯]]によって異なる。黄緯±90度(黄道極)付近においては円運動をするように見える。黄緯が小さくなるにつれて黄緯方向を長軸とする[[楕円軌道|楕円運動]]になり、黄緯0度(黄道上)では直線上を往復する運動となる。年周視差の大きさは楕円運動の長軸の長さの半分の[[角距離]]で表す。
 
年周視差の大きさは地球からの天体の距離に反比例して小さくなる。そのため年周視差が測定できれば、地球からその天体までの距離を知ることができる。地球からの天体の距離が3.26[[光年]]にある時、年周視差はちょうど1[[秒 (角度)|秒]]となる。天体の距離を表す単位である[[パーセク]] (parsec) はこれに由来する。
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地動説を支持する直接の証拠としては、[[ケプラーの法則]]の発見から100年以上を経て、[[ジェームズ・ブラッドリー]]の[[年周光行差]]の観測によってなされた。ブラッドリーは本来は年周視差の観測を目的としていたが、これには成功していない。初めて年周視差の観測に成功したのは、さらにそれから100年以上を経て、[[フリードリッヒ・ヴィルヘルム・ベッセル]]で[[1838年]]に[[はくちょう座61番星]]の年周視差が0.314秒であることを確認した。間を置かずに[[フリードリッヒ・フォン・シュトルーベ]]が[[ベガ]]で0.26秒、[[トーマス・ヘンダーソン]]がケンタウルス座α星で0.76秒角の年周視差を観測したと発表。
 
大気の揺らぎなどにより地球上からの精密な年周視差の値の測定は難しい。そのため宇宙空間から年周視差の測定を行うため、1989年に[[ヒッパルコス衛星]]が打ち上げられた。その結果、地球からおよそ150[[パーセク]]までの範囲にある、11万8274個の恒星の年周視差が1/1,000秒角の精度で測定され、これらの恒星の距離の精度が大きく向上した。
 
==関連項目==