「日本の高校野球」の版間の差分

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; 抗議権の無い者による抗議
: 高校野球では選手やコーチに抗議権が認められ、監督に抗議権が無い。しかし抗議権の無い者による抗議として次の事例がある。
#[[広陵高等学校 (広島県)|広陵]]対[[佐賀県立佐賀北高等学校|佐賀北]](2007年選手権決勝) - 微妙な判定をきっかけに佐賀北が逆転。広陵の監督が[[抗議]]を表明し、高野連から注意を受けた<ref group="注">抗議はしなかったが佐賀北と対戦した帝京、長崎日大の監督も試合後、記者団へ微妙な判定は全て自分たちに不利だったというコメントを残している</ref><ref group="注">翌年の選手権大会のNHKにおける中継でこのシーンのVTRが流れた際には映像をバックネット裏のカメラに切り替える措置が取られた</ref>
#明石商対加古川北(2009年秋季兵庫大会) - サヨナラ打の判定をめぐり両校の監督が審判に抗議した結果、審判の判断が二転三転した<ref>神戸新聞2009年9月24日号など</ref>。県高野連は9月25日にベンチを出て抗議した明石商の監督と部長に注意を、試合後選手に整列を指示しなかった加古川北の監督、部長に厳重注意をそれぞれ言い渡した。また、県高野連審判部が二転三転した判定について県高野連に謝罪し、「再発防止に努める」とした<ref>神戸新聞2009年9月26日号</ref>。
#横浜対関東一(2012年選抜大会準々決勝) - 5回裏一死一、三塁の場面で横浜がセーフティースクイズを敢行。同点かと思われたが、関東一より「三塁走者が本塁を踏んでいない」との[[アピールプレイ|アピール]]。球審がアピールを認めたため、同点スクイズは幻となった。球審がマイクを握り「三塁走者が本塁を踏んでいないとアピールしたので、アウトにしました」と宣告後、横浜高校の監督・渡辺元智が身ぶり手ぶりを加え、球審に「走者はベースを踏んでいる」と猛抗議した。しかし、大会本部の総務委員から「監督に抗議権はない」事を告げられ口頭で注意を受けた。横浜の三塁走者は試合後、記者団に「踏んでなければスパイクの裏の感触でわかる。ガッツリ踏んだと思いました」と語り、[[テキサス・レンジャーズ]]の[[ダルビッシュ有]]は[[ツイッター]]で「横浜高校渡辺監督に注意って。てかいつも思うけど何で抗議がダメなの? 高校野球やってた時から色々と謎な決まりが多かった記憶が。」と横浜監督を擁護し、高野連の体制を批判した<ref>{{cite news |title=ダルがツイッターで横浜・渡辺監督を擁護 |newspaper=デイリースポーツ |date=2012-04-02 |url=http://www.daily.co.jp/newsflash/2012/04/02/0004937291.shtml |accessdate=2012-04-09}}</ref>。
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; 応援・観客のモラルの問題
: 高校野球においては各校の吹奏楽部などがアルプススタンドにて応援することが通例となっているが、[[第93回全国高等学校野球選手権大会|2011年の選手権]]で[[習志野市立習志野高等学校|習志野高校]](千葉)の吹奏楽部が顧問・石津谷治法の指示の下大会前に発売された雑誌『週刊朝日増刊 甲子園2011』において、作戦の一環として「習志野の攻撃中はナインの背中を押すため管楽器のベル(音が出る部分)をバッターボックスに向け、相手校が『タイム』をかけてマウンドに集まる時はマウンドに向きを変え、相手ベンチからの指示を聞こえなくしたり、マウンド上での会話をしにくくしたりする」などいう行為に及んだする[[習志野市立習志野高等学校|習志野高校]](千葉)の吹奏楽部顧問・石津谷治法のインタビュー記事が掲載された<ref>甲子園2011(週刊朝日2011.8.15増刊号)</ref><ref>[http://www.tbs.co.jp/radio/nichiten/pod/20110807.html 安住紳一郎の日曜天国「気の弱いピッチャーをビビらせる」] TBSラジオ</ref>。これが石津谷自身の発言であったことからも高野連はこれを問題視し習志野高関係者や習志野高野球部・小林徹監督を呼び出し厳重注意した<ref>[http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/sports/npb/581232/ 週刊ポスト20122011年8月104号]発売)</ref>。この習志野高吹奏楽部は同大会初戦試合妨害問題[[静岡県立静岡高等学校|静岡]]戦いて7回に2死満塁からホームスチールを成功させたが高野連これ関連して「スタンド静岡県生徒、吹奏楽、応援団が一体となってこその高校野球」「音地元紙邪魔した証拠はない」と擁護す意見や「干渉しすぎ」との意見があった。しかし静岡新聞社は試合後に「ごう音のような吹奏楽による応援」、「グラウンド上では、声による意思疎通ができなかった」という対戦校・する静岡高の選手の感想を報道しており、習志野高吹奏楽部が試合の妨害を意図して爆音を発し、その結果、試合に重大な影響を及ぼしたことは事実であるとした<ref>[{{Wayback |url=http://www.47news.jp/sports/hibaseball/2011/08/post_20110808123307.html 2011/08/08 10:32|title=隙を突かれ本盗に脱帽 |date=20140708144421}} 静岡新聞】] 2011年8月8日</ref>。また[[TBSテレビ]]アナウンサーの[[安住紳一郎]]も試合の直後に放送された[[安住紳一郎の日曜天国]]([[TBSラジオ]])で、情報源を明らかにしなかった<ref>[https://twitter.com/yuji_yanagawa/status/102016067735535616 yuji_yanagawa] twitter、2011年8月12日</ref>もののこの発言に言及<ref>[http://www.tbs.co.jp/radio/nichiten/pod/20110807.html 安住紳一郎の日曜天国「気の弱いピッチャーをビビらせる」] TBSラジオ 2011年8月7日</ref>。同番組での安住の発言を受け[[日刊ゲンダイ]]が学校に取材するなどした結果、習志野の教頭はフェアプレー精神に反する意図を否定したものの<ref>日刊ゲンダイ 2011年8月9日</ref>、2回戦以降は相手のタイム中は音量演奏抑え停止するなどの対処措置してい取っもの。前述インタビューを執筆した柳川悠二は翌2012年[[第91回選抜野連が顧問の発言を問題視し、大会中に学校関係者や野球大会|2019年の選抜]]では「音量が大きすぎる、うるさ部・小林徹監督を呼び出し厳重注意してなども述べてった近隣住民からの苦情があったとして再び問題視されこととなった<ref>[https://www.asahinews-postseven.com/articlesarchives/ASM3X6D26M3XPTQP00Y20120803_134287.html 「習志野甲子園 ブラスバンド応援、音量大きすぎ」苦情、小さい太鼓演奏がチーム代替 - 高校野球勝利を呼び込むことも] 朝日新聞デジタル 2019週刊ポスト2012382810</ref>。
:習志野は[[第91回選抜高等学校野球大会|2019年の選抜]]でも2回戦の星稜戦において太鼓の音に対して近隣住民からの苦情を受け、一番大きな太鼓の使用を自粛、他の太鼓もサイズの小さいものに代える措置を取った。高野連側はこの対応は「一時的な措置」であり、次回からは従来通りでよい、としていたものの<ref>[https://www.asahi.com/articles/ASM3X6D26M3XPTQP00Y.html 「習志野の応援、音量大きすぎ」苦情、小さい太鼓に代替 - 高校野球] 朝日新聞デジタル 2019年3月28日</ref>、実際には次戦以降も太鼓の数を減らす事態となった<ref>[https://www.daily.co.jp/baseball/2019/03/31/0012198287.shtml 習志野の美爆音 大太鼓が2台減る“配慮” 近隣住民からのクレームで] デイリースポーツ2019年3月31日</ref>。なお習志野は同大会において応援団優秀賞を受賞している(同賞は初戦の応援が対象となる)。
 
: 熱心な高校野球ファンのコミュニティである「[[8号門クラブ]]」によってバックネット裏席が占拠されるということが度々問題視されており、2016年からのドリームシート設置に影響しているのではないかとの声もある<ref>[https://news.biglobe.ne.jp/sports/0113/blnews_160113_3458654962.html 高野連、8号門クラブにメス センバツのドリームシート設置に歓迎の声]</ref>。
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: 試合の展開等から、観客の応援がいわゆる「判官贔屓」的な一方的にものになる事があり、度々議論の基となる。
 
:* 2016年選手権の[[東邦高等学校|東邦高校]]対[[八戸学院光星高等学校|八戸学院光星高校]]戦、東邦が7点差で迎えた終盤からの大逆転勝利を収めた試合で、アルプススタンド以外の観客によるタオル回しなどを用いた東邦高校への過度な応援が見られ、これについて八戸学院光星の選手は「周りみんなが敵に見えた」と発言<ref>[http://number.bunshun.jp/articles/-/826338 甲子園ファンの声援に潜む「残酷さ」。八戸学院光星は、何と戦ったのか。] Number Web 2016年8月23日</ref>。
:* 2018年選手権の[[日本大学第三中学校・高等学校|日大三高校]]対[[奈良大学附属高等学校|奈良大附属高校]]戦、関西の学校である奈良大附高に応援が集中。手拍子やうちわを使った球場全体の応援に対し日大三高の選手は「正直『オレたちこんなに嫌われてるんだ』って気持ちが萎えかけた」と発言した<ref>[http://www.zakzak.co.jp/spo/news/180816/spo1808160012-n1.html 球児を追い込む“判官”びいき 日大三・日置主将「俺たちこんなに嫌われてるんだ」] zakzak 2018年8月16日</ref><ref>[https://news.yahoo.co.jp/byline/yonobuyuki/20180820-00093863/ 甲子園。善意の判官びいきならいいのか? 最終回の手拍子が愉快じゃない] Yahoo!ニュース 2018年8月20日</ref>。
:* 1998年選手権の[[明徳義塾対横浜 (第80回全国高等学校野球選手権大会準決勝)|第80回大会準決勝]]や2007年の[[第89回全国高等学校野球選手権大会|第89回選手権大会]]決勝、2009年の[[第91回全国高等学校野球選手権大会決勝|第91回選手権大会決勝]]でもこうした事態が発生していたものの当時は特に問題視されることはなく、これらは現在でも半ば「伝説の試合」として肯定的に語り継がれている。
 
: また、学校や選手に対する偏見、憶測やデマが度々発生する事がある。例えば、学校が県外の生徒で固められていると「第二○○代表」と揶揄される事が多々あり、[[秀岳館高等学校|秀岳館高校]]は試合に勝利しても冷たい視線や罵声を浴びる事があった<ref>[https://toyokeizai.net/articles/-/184985?page=2 甲子園で秀岳館に見た「嫌われる勇気」の成果 「結果を出すための覚悟」を貫いた鍛治舎監督] 東洋経済オンライン 2017年8月18日</ref>。インターネットの発達により、2010年代以降ではそれが更に顕著となっており、2017年選手権の[[仙台育英学園高等学校|仙台育英高校]]対[[大阪桐蔭中学校・高等学校|大阪桐蔭高校]]の試合では仙台育英の選手のプレーがインターネットで問題視され、仙台育英の勝利直後に該当選手に対して誹謗中傷が殺到し、該当選手のtwitterのアカウントも炎上する事態となった<ref>[http://diamond.jp/articles/-/139363 仙台育英と大阪桐蔭、逆転劇の裏で走塁めぐりネット炎上] ダイヤモンド・オンライン 2017年8月22日</ref>。同大会では1回戦の[[中京大学附属中京高等学校|中京大中京]]-広陵戦の試合結果に不満を持った愛知県内の男性がインターネット掲示板に中京大中京高に対する爆破予告を書き込み、[[威力業務妨害罪]]により逮捕される事態も発生している<ref>[https://www.asahi.com/articles/ASK8D5GG1K8DOIPE00C.html 中京大中京高に爆破予告の疑い、男を逮捕 愛知県警] 朝日新聞 2017年8月12日</ref>。
 
== 脚注 ==