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野生のイノシシと同様、土中の[[虫]]や[[植物]]の[[根]]・[[球根]]を掘り返して食べるため、他の家畜と違って硬い鼻先と強大な背筋を備えている。木製の柵では横木を鼻先で押し上げて壊してしまう。[[雄|オス]]の[[牙]]も強い背筋を生かせるよう上向きに生えており、[[人間]]のような丈の高い動物を敵と認識すると、突進して鼻先を股ぐらに突っ込み、頭部を持ち上げながら強くひねる。野生時代の名残ともいえるこの行動を「しゃくり」といい、まともにしゃくり上げられると大人でも数メートル飛ばされたり、[[牙]]で深く傷つけられたりする。[[大腿動脈|太ももの内側を走る動脈]]が傷つけられると、失血死するほどの大量出血を招くこともあり、日本で小規模養豚が多かった時代には、年に数人は、しゃくり上げによる死者が出ていた。
ブタは[[類人猿]]以上に[[体重]]や[[皮膚]]の状態、[[器官|内臓]]の大きさなどが人間に近い動物である。そのため現在では[[移植 (医療)|異種間移植]]の臓器提供用動物として、研究が続けられている<ref>[https://www.nikkei.com/article/DGXMZO1965086004082017I00000/ 異種移植でブタに脚光なぜ 臓器の大きさや生理機能が人に似る]『日本経済新聞』電子版(2017年8月4日)2018年4月16日閲覧。</ref>。大学の医療系学部・学科では[[解剖学]]の実習において生体解剖に利用されている。
ブタの鳴き声は、[[日本語]]では「ブー」「ブヒッ」などと表現されるが、[[英語]]では「oink(オインク)」と表記され、[[中国語]]での[[漢字]]では「嗷(アオ áo)」などが使われる。
== 家畜としてのブタ ==
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==== 新生子豚-肥育豚 ====
新生子豚は、21日 - 24日の授乳期を経て1カ月程度で離乳させる。その後、'''肥育豚'''として主に配合飼料を給餌し、豚舎内で群飼肥育される。豚の寿命は10年から15年ほどだが、食用豚は6 - 7ヶ月で105 - 110キロ・グラム程度に仕上げられ、屠畜される。▼
===== 新生子豚への外科的処置 =====▼
新生子豚には8本の鋭い歯が生えており、母豚の乳頭の取り合いをする際に、他の子豚や母豚の乳房を傷つける可能性がある。また、母豚が乳頭を噛まれ授乳を拒否したり、急に立ち上がったりすることにより、子豚のけがや圧死の原因となる可能性もある。歯切りは、このような事故等を防止するための手段の一つと考えられている<ref name="animal">[http://jlta.lin.gr.jp/report/animalwelfare/index.html 国産畜産物安心確保等支援事業 「アニマルウェルフェアの考え方に対応した飼養管理指針」より抜粋]</ref>。日本の農家の88.1パーセントが歯切りを実施しており、そのうち8割はほぼ根元から切断される。歯切りは生後7日以内に無麻酔で行われることが一般的である。またその道具として日本の農家の9割以上がニッパーを使用している<ref name="tikusan" />。神経感染症や出血、骨折等の痛みや重傷を引き起こす<ref name=":0">{{Cite news|title=子豚の歯を麻酔なしで切断|date=2016-01-22|url=http://www.hopeforanimals.org/pig/426|accessdate=2018-05-10|language=ja|work=畜産動物のためのサイト:動物はあなたのごはんじゃない}}</ref>。歯肉炎を引き起こし痛みで授乳や人工乳を食べなくなることがある<ref name=":0" />。歯切りについて、ニッパは元来針金を切る道具で歯を切るのに適さない、子豚を傷つける、悪い環境で育てているために歯切りが必要になる、といった批判がある<ref name=":0" />。▼
*歯切り
77.1パーセントの農家で断尾が実施されている<ref name="tikusan" />。豚舎での過密飼い、換気の不備、[[梅雨]]時期の多湿や夏場の高温等、豚が[[ストレス (生体)|ストレス]]を受けた場合に、他の豚の尾をかじる行動や、耳や腹を噛む等の行動が見られることがある。特に、尾かじりの行動が起きた場合には、その行動は群内にすぐに広まる。尾かじりを受けた豚は、ストレスにより飼料の摂取量や増体量が低下したり、怪我がひどい場合には死亡したりすることがある<ref name="animal" />。断尾も一般的に生後7日以内に無麻酔で実施される。▼
▲:新生子豚には8本の鋭い歯が生えており、母豚の乳頭の取り合いをする際に、他の子豚や母豚の乳房を傷つける可能性がある。また、母豚が乳頭を噛まれ授乳を拒否したり、急に立ち上がったりすることにより、子豚のけがや圧死の原因となる可能性もある。歯切りは、このような事故等を防止するための手段の一つと考えられている<ref name="animal">[http://jlta.lin.gr.jp/report/animalwelfare/index.html 国産畜産物安心確保等支援事業 「アニマルウェルフェアの考え方に対応した飼養管理指針」より抜粋]</ref>。日本の農家の88.1パーセントが歯切りを実施しており、そのうち8割はほぼ根元から切断される。歯切りは生後7日以内に無麻酔で行われることが一般的である。またその道具として日本の農家の9割以上がニッパーを使用している<ref name="tikusan
:神経感染症や出血、骨折等の痛みや重い傷を引き起こす<ref name=":0">{{Cite news |title=子豚の歯を麻酔なしで切断 |date=2016-01-22 |url=http://www.hopeforanimals.org/pig/426 |accessdate=2018-05-10 |work=畜産動物のためのサイト:動物はあなたのごはんじゃない}}</ref>。歯肉炎を引き起こし痛みで授乳や人工乳を食べなくなることがある<ref name=":0" />。歯切りについて、ニッパは元来針金を切る道具で歯を切るのに適さない、子豚を傷つける、悪い環境で育てているために歯切りが必要になる、といった批判がある<ref name=":0" />。
*断尾
====== 雄豚の去勢 ======▼
▲:77.1パーセントの農家で断尾が実施されている<ref name="tikusan" />。豚舎での過密飼い、換気の不備、[[梅雨]]時期の多湿や夏場の高温等、豚が[[ストレス (生体)|ストレス]]を受けた場合に、他の豚の尾をかじる行動や、耳や腹を噛む等の行動が見られることがある。特に、尾かじりの行動が起きた場合には、その行動は群内にすぐに広まる。尾かじりを受けた豚は、ストレスにより飼料の摂取量や増体量が低下したり、怪我がひどい場合には死亡したりすることがある<ref name="animal" />。断尾も一般的に生後7日以内に無麻酔で実施される。
ほぼ100パーセントの雄豚に無麻酔で実施される<ref name="tikusan" />。これは食肉とされた時の雄独特の[[豚の雄臭|雄臭]]を防ぐためである。雄臭のため、去勢していない豚は食肉格付評価が下がる。去勢は生後8日以上後に実施されることが多い。▼
▲:ほぼ100パーセントの雄豚に無麻酔で実施される<ref name="tikusan" />。これは食肉とされた時の雄独特の[[豚の雄臭|雄臭]]を防ぐためである。雄臭のため、去勢していない豚は食肉格付評価が下がる。去勢は生後8日以上後に実施されることが多い。
また去勢を行っても精巣2つを完全に取り切れず1つ残っている場合がある。
▲新生子豚は、21日 - 24日の授乳期を経て1カ月程度で離乳させる。その後、'''肥育豚'''として主に配合飼料を給餌し、豚舎内で群飼肥育される。豚の寿命は10年から15年ほどだが、食用豚は6 - 7ヶ月で105 - 110キロ・グラム程度に仕上げられ、屠畜される。
:[[欧州連合]](EU)は理事会指令「豚保護のための最低基準(COUNCIL DIRECTIVE 2008/120/EC of 18 December 2008 - laying down minimum standards for the protection of pigs)」において2013年1月1日から妊娠ストールを禁止した。アメリカではフロリダ
▲==== 動物愛護に関する各国のガイドライン・法規制 ====
▲===== 妊娠ストール =====
▲[[欧州連合]](EU)は理事会指令「豚保護のための最低基準(COUNCIL DIRECTIVE 2008/120/EC of 18 December 2008 - laying down minimum standards for the protection of pigs)」において2013年1月1日から妊娠ストールを禁止した。アメリカではフロリダ,メイン,ロードアイランド,オレゴン, アリゾナ,カリフォルニア,コロラド,ミシガンが妊娠ストールの廃止を決定した<ref>http://www.onegreenplanet.org/animalsandnature/states-that-have-banned-cruel-gestation-crates-for-pigs/<nowiki/>9 States That Have Banned Cruel Gestation Crates for Pigs</ref>。
:[[デンマーク]]、[[スウェーデン]]、[[ノルウェー]]、[[フィンランド]]、[[リトアニア]]では[[麻酔]]なしでの尾の切断を禁止あるいは規制しており<ref>EFSA(European Food Safety Authority)2007年「The risks associated with tail biting in pigs and possible means to reduce the need for tail docking considering the different housing and husbandry systems」</ref>
:欧州連合(EU)では、2018年からは自主的に、外科的[[去勢]]を「原則」終了することとしている<ref>[http://www.globalmeatnews.com/Industry-Markets/EC-to-consider-additional-laws-on-animal-welfare
=== ブタの飼育史 ===
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== ブタを含むことわざ・慣用句・隠語 ==
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*その他
== ブタにちなんだ言葉・事物 ==
*ブタの[[貯金箱]]は、
*ブタを形取った[[蚊取線香]]置き([[蚊遣器|蚊遣り豚]])もよくみられる。
*[[おいちょかぶ]]では「0」のことを、[[ポーカー]]等では役が全くないクズ手のことを、それぞれ「ブタ」と呼ぶ。
▲*荷物がたくさん入った[[鞄]]を俗に「ブタカバン」という。
▲*[[警察署]]の[[留置場]]のことを'''ブタ箱'''と呼ぶ。
== ブタを主人公またはモチーフにした作品 ==
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