「シグナル伝達兼転写活性化因子」の版間の差分

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== 活性化 ==
[[ファイル:Jakstat pathway.svg|thumb|right|250px|JAK-STAT経路の活性化。左より(1)細胞膜における受容体タンパク質の会合、(2)受容体のチロシン残基自己リン酸化、(3)STAT分子の結合、(4)STAT二量体の核内移行、転写活性化。]]
[[サイトカイン]]のシグナル伝達はJAK-STAT経路を介して行われる。細胞膜表面に存在する受容体にリガンドが結合すると受容体タンパク質の細胞内ドメインと会合しているJAKが活性化し、受容体の[[チロシン]]リン酸化を行う。このリン酸化を自己リン酸化と呼び、受容体のリン酸化チロシン残基がSTAT分子の[[SH2ドメイン]]との結合部位となる。転写因子であるSTATタンパク質はカルボキシル基側のチロシン残基がリン酸化されると共に、SH2ドメインを介した二量体を形成して活性化する。これによって輸送体タンパク質である[[インポーチン]]を介して[[細胞核|核]]内へ移行した後に[[デオキシリボ核酸|DNA]]上の[[プロモーター]]領域に結合する。例えばインターフェロン-γによって活性化されるSTAT1ホモ二量体はGASモチーフと呼ばれる配列に、IL-2によって活性化されるSTAT5ホモ二量体はMGFボックスにそれぞれ結合する。このような機構を介して活性化したSTATは転写活性化を引き起こし、種々の生物活性の発現につながる。一度チロシンリン酸化を受けて核内へ移行したSTATが[[ホスファターゼ]]による脱リン酸化を受けると輸送体タンパク質であるCrm1/RanGTPにより[[核外輸送]]を受ける。また、STATの[[セリン]]残基のリン酸化はSTATの活性に影響を与えている。JAK-STAT経路の活性化のレベルは通常5-30分でピークに達し、1-4時間で元のラインにまで戻る<ref name="Ivashkiv LB">Ivashkiv LB and Hu X.(2004)"Signaling by STATs."''Arthritis Res.Ther.'' '''6''',159-68. PMID 15225360</ref>。
 
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