「零式艦上戦闘機」の版間の差分

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; 剛性低下式操縦索
人力の操舵では操縦装置を操作した分だけ舵面が傾くが、高速飛行時と低速時では同一の舵角でも舵の利きが異なるため、操縦者は速度に合わせて操作量を変更しなければならない。そこで零戦では操縦索を伸び易いものにして、もし高速飛行時に操縦桿を大きく動かした場合でも、気流の抵抗で動きにくくなっている舵面との間で操縦索が引き伸ばされることで舵角が付き過ぎないよう補正されるようにしている。この仕組みは昇降舵につながる操縦索にのみ用いられた<ref group="注釈">従来説では、主任設計者である堀越二郎の記述により、剛性低下操縦方式の採用は零戦からだと思われていた。しかし近年、曽根嘉年が残した資料によって、剛性低下操縦方式はすでに[[九六式艦上戦闘機]]二号二型から導入されていたこと、 この発想の原点は[[本庄季郎]]が設計をとりまとめた[[九六式陸上攻撃機]]の先行試作機である八試特殊偵察機だったこと(早くまとめるためユンカース社の標準部品を使用したところ、操縦装置の剛性が不十分なのに、かえって操縦性がきわめてよいという怪我の巧妙のような結果になった)など、新事実が明らかになっている。出典:
杉田親美『三菱海軍戦闘機設計の真実:曽根嘉年技師の秘蔵レポート』(国書刊行会、2019年)pp.83-85</ref>。