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安室黎 (会話 | 投稿記録)
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== 界面の性質 ==
[[理想気体]]のように[[分子相互作用]]([[分子間力]]や[[静電気力]]など)がなく[[凝縮]]しない場合には、複数の成分を混ぜ合わせても、乱雑さ([[エントロピー]])が増大する方向に自発的に変化する、つまり混合して均一となる。しかし、分子間相互作用があり、凝縮相となる[[実在分子]]において、異種分子間の相互作用より、同一種分子間の相互作用のほうがはるかに強いとき、混合するよりもそれぞれが[[相分離]]して、同一種同士の相互作用で安定化するほうが有利となる。このとき、相分離した二つの相の境界が「界面」である。例えば、[[水]]分子同士には分子間力よりかなり強い[[水素結合]]が働く。[[油]]の分子同士では互いに弱い分子間力しか働かない。ゆえに、水は水分子同士で固まっていたほうが安定であり、水と油は混ざり合わないのである(ただしそれでも[[超音波]]細動などで水素結合を切って分子レベルで均一にすることはできる)。
 
界面近傍の分子は、周囲を取り囲む同一種分子の総数が内部より少なくなるために、同一種分子の相互作用で安定化されている内部の分子より[[自由エネルギー]]的に不利な状態になる。つまり、内部と比べて過剰の自由エネルギーをもつことになり、これを'''界面自由エネルギー'''({{en|interfacial free energy}})という。この界面自由エネルギーを低下させるために、界面はできる限り小さくなろうとする。これが'''界面張力'''({{en|interface tension}})であり、単位面積当たりの界面自由エネルギーとなる。気体との界面の場合は'''[[表面張力]]'''という。