「JR東日本EV-E301系電車」の版間の差分

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この電車は、屋根上に[[集電装置]](パンタグラフ)を持つ[[可変電圧可変周波数制御|VVVFインバータ制御]]の電車に走行用の[[リチウムイオン二次電池|リチウムイオン電池]]を搭載し、架線のない区間でのモーターによる走行を可能にした営業用蓄電池駆動電車である。
 
車体は、[[総合車両製作所|総合車両製作所(J-TREC)]] が開発した次世代[[オールステンレス車両|ステンレス車両]]「[[sustina]]」を採用した[[ステンレス鋼|ステンレス]]製である。同社のブランド名「sustina」<ref>[http://www.j-trec.co.jp/sustina/ sustina(Jsustina] - J-TREC 総合車両製作所)]</ref>を採用した車両としては、[[東急東横線]][[東急5000系電車 (2代)|5050系]]サハ5576号に続く二例目となる。前頭部は非貫通構造で前面窓上部には前部標識灯と3色LED式の行先表示装置を装備する。運転室は、事故などの衝突時における乗務員の保護を図るため、前面部の構造を強化し運転室背面には救出口を設けており、ワンマン運転を行うため運賃箱、室内確認ミラー、ワンマン操作器、ワンマン設定器を設置している<ref>[https://web.archive.org/web/20150712113452if_/https://www.j-trec.co.jp/company/jtrec_techreview/jtr03_chapter/jtr03_64-69.pdf JR東日本 EV-E301系 蓄電池駆動電車] 総合車両製作所技報 第3号 P64-6969([[インターネットアーカイブ]])</ref>。側面は両開き3扉で、一部の扉の横にドア扱い表示器と上部に3色LED式の行先表示装置が装備されている。また、非電化区間と電化区間の両方のホームの高さに対応できるように、車両の床面高さを1130mmに設定して、段差の低減を図っている。
 
形式は[[宇都宮駅|宇都宮]]方の先頭車がEV-E300形、[[烏山駅|烏山]]方の先頭車はEV-E301形となっており、2両編成で運転される。両形式とも[[制御車|制御]][[動力車|電動車]]で、いずれも後位側の台車に主電動機を2基装備している。EV-E301形には集電・充電兼用のシングルアーム式の[[集電装置|パンタグラフ]]2基を搭載し、大きな集電電流による急速充電に対応するため、パンタグラフのすり板を強化している。
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愛称の「ACCUM」は、蓄電池を表す英語「Accumulator」から採られている。また、形式のEVは「Energy storage Vehicle」の略である。
 
[[2015年]][[5月21日]]には、非電化路線の新たな動力方式を具現化する車両として、[[鉄道友の会]]の'''[[2015年]][[ローレル賞]]'''を受賞した<ref name="jreast20150515">{{Cite press release |title=「E7 系新幹線電車」のブルーリボン賞および「EV-E301 系(ACCUM)」のローレル賞受賞について |publisher=東日本旅客鉄道 |date=2015-05-21 |url=http://www.jreast.co.jp/press/2015/20150515.pdf |format=PDF |language=日本語 |accessdate=2015-05-23 |archiveurl= |archivedate=}}</ref><ref>{{Cite press release |title=2015 年ブルーリボン賞・ローレル賞決定 |publisher=[[鉄道友の会]] |date=2015-05-21 |url=http://www.jrc.gr.jp/html/act/ac/pdf/2015bl.pdf |format=PDF |language=日本語 |accessdate=2015-05-23 |archiveurl= |archivedate=}}</ref><ref>{{Cite web |author=[[鉄道ファン (雑誌)|railf.jp(jp 鉄道ニュース)]] |date=2015-05-22 |url=http://railf.jp/news/2015/05/22/140000.html |title=2015年のブルーリボン賞・ローレル賞決定 | publisher=[[交友社]] |accessdate=2015-05-23}}</ref>。
 
=== 客室内装 ===
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電化区間では、パンタグラフより得た架線からの電気をVVVFインバータ装置に送り、主電動機を駆動させるが、蓄電池の充電率が低い場合には、架線からの電気により蓄電池への充電を行う。また、惰行時や駅での停車時でも充電率が低い場合は充電が続けられる。
 
一方、非電化区間では、パンタグラフを降下させて、充電された蓄電池から供給される電気をVVVFインバータ制御装置に送り、主電動機を駆動する。終着駅到着後はパンタグラフを上昇させ、駅に設置された地上充電設備の剛体架線より直流1,500 Vを給電し<ref group="注">電力会社より交流6,600 Vで受電し、変電装置により直流1,500 Vに降圧整流したもの。烏山線の終着駅である烏山駅に設置。</ref><ref name="railf20140316">[http://railf.jp/news/2014/03/16/174500.html 烏山線でEV-E301系が営業運転を開始] - [[交友社]]「[[鉄道ファン (雑誌)|鉄道ファン]]」railf.jp 鉄道ニュース 2014年3月16日</ref>、電力変換装置を介して蓄電池に急速充電する。充電完了後はパンタグラフを降下させ、再び充電された蓄電池を電源として走行する。
 
なお、[[回生ブレーキ]]作動時に主電動機から発生した電力は、VVVFインバータ制御装置により直流630 Vに変換され、非電化区間においては蓄電池の充電に用いられる。また、電化区間においては非電化区間と同様に発生した電力を用いて蓄電池の充電を行うほか、余剰な回生電力をDC-DCコンバータ装置によって直流1,500 Vに昇圧し、パンタグラフを介して架線へ返還する。
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== 運用 ==
搭載されている蓄電池の容量が、烏山線の線区の長さに適合しているため、2014年3月15日のダイヤ改正より、[[小山車両センター]]に配置された量産先行車1編成が[[宇都宮線]]([[東北本線]])宇都宮 - [[宝積寺駅|宝積寺]]間と[[烏山線]]で運用を開始した<ref>{{PDFlink|[http://www.jreast.co.jp/press/2012/20121104.pdf 「スマート電池くん」を実用化し、烏山線に導入します]}} - 東日本旅客鉄道プレスリリース 2012年11月6日</ref>。運用は宇都宮 - 烏山間2往復と宝積寺 - 烏山間1往復で行われ、運行時刻はJR時刻表等で表示されている列車番号で確認が可能であった<ref group="注">気動車はD電車はMと、末尾が書き分けれられている。</ref>。2017年2月に3編成が増備され<ref name="JRR 2017s 354">ジェー・アール・アール編『JR電車編成表』2017夏 ジェー・アール・アール、交通新聞社、2017年、p.354。ISBN 9784330787176。</ref>、2017年3月4日のダイヤ改正より、烏山線系統の[[国鉄キハ40系気動車 (2代)#キハ40形1000番台|キハ40形気動車]]をすべて置き換えた。
 
宇都宮 - 烏山間では宇都宮 - 宝積寺間走行中と烏山駅停車中において、宝積寺 - 烏山間では宝積寺駅停車中<ref group="注">従来の架線からの電気を充電に使用する。</ref>と烏山駅停車中において、それぞれ停車中に充電する<ref name="railf20140316"/>。
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== 脚注 ==
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===出典 注釈 ===
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=== 出典 ===
 
===出典===
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