「ヘリウム」の版間の差分

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* 低温工学
 
::ヘリウムは沸点、融点ともにもっとも低い元素である。液体ヘリウムはほかの超低温物質よりも低温となり、[[超伝導]]や[[低温物理学]]など、[[絶対零度]]に近い環境での研究が必要な分野で冷媒として使用されている。また、[[3He-4He希釈冷凍法|ヘリウム3とヘリウム4を使った希釈冷凍法]]がある。
 
* 労働産業
 
::ヘリウムと[[酸素]]などとの[[混合ガス]]は[[テクニカルダイビング]]など、大深度潜水用の呼吸ガスとして用いられる<ref>[https://nippon.zaidan.info/seikabutsu/2002/00374/contents/007.htm 海洋科学技術研修テキスト 飽和潜水 日本財団図書館(電子図書館)]</ref><ref>[https://doi.org/10.5100/jje.29.Supplement_156 リウム混合ガス深々度短時間潜水減圧法の開発と大深度潜函作業減圧法への応用] 人間工学 Vol.29 (1993) No.Supplement P156-157</ref>。ヘリウムは[[窒素]]よりも[[麻酔]]作用が少ないため、[[窒素中毒]]などの中毒症状を起こしにくい。さらにヘリウムは粘度が低いため、高圧下でも呼吸抵抗が小さく、身体からの排泄速度が速い<ref name="ahs1983.3.227">檜木暢雄, G.IMBERT, M.HUG0N、[https://doi.org/10.2114/ahs1983.3.227 高圧ヘリウム・酸素環境に於ける呼吸放熱] The Annals of physiological anthropology Vol.3 (1984) No.3 P227-236, {{DOI|10.2114/ahs1983.3.227}}</ref>とされている。しかし特定の条件下では気泡が生じやすく、いったん血管内に気泡が生じた場合は消失しにくいとの報告がある<ref>野寺誠、荒木隆一郎、後藤與四之 ほか、[https://doi.org/10.11227/seikisho1966.32.3_S43 7絶対気圧10分間のヘリウム酸素圧曝露による血管内気泡の出現] 日本生気象学会雑誌 Vol.32 (1995) No.3 PS43, {{DOI|10.11227/seikisho1966.32.3_S43}}</ref>。欠点として[[熱伝導率]]が高いため、体温調節が難しくなり[[低体温症]]になる危険がある<ref>楢木暢雄、富安和徳、[https://doi.org/10.2114/ahs1983.4.147 31barまでの高圧ヘリウム環境における呼吸放熱による深部体温の低下] The Annals of physiological anthropology Vol.4 (1985) No.2 P147-152, {{DOI|10.2114/ahs1983.4.147}}</ref>こと、また空気と比較してはるかに高価であることがある。ヘリウムと酸素の混合ガスである'''ヘリオックス'''と、ヘリウム、酸素、窒素を混合した'''トライミックス'''がある。
 
* 医療
 
:: 液体に溶けやすく人体に無害と言う特性もあり、血管内で素早く膨らませたり縮めたりすることで心臓の機能を補助する[[IABP]]のバルーンに吹き込む気体として採用されている。
:: 液体ヘリウムは[[核磁気共鳴分光法|NMR]](NMR)や[[核磁気共鳴画像法|MRI]](MRI)の測定装置で[[超伝導電磁石]]の冷却に使われている。
 
* その他
: [[ガスクロマトグラフィー]]などのキャリヤーガスとしても使用される。
: 液体ヘリウムはロケットの噴射口を守る冷却剤、[[ケイ素|シリコン]]や[[ゲルマニウム]]結晶の保護材、あるいは[[原子炉]]の[[冷却材]]、[[超音速]][[風洞]]実験での充満ガス、タンデム[[加速器]]の超伝導ブースター<ref>{{PDFlink|[http://www.pasj.jp/web_publish/pasj9/proceedings/PDF/WEPS/WEPS009.pdf Present status of JAEA-Tokai tandem accelerator and booster 原子力機構-東海タンデム加速器の現状] 第9回日本加速器学会年会発表資料}}</ref>などに用いられている。
: ヘリウムの[[同位体]]のひとつであるヘリウム3は[[核融合エネルギー|核融合発電]]の燃料としての利用が考えられている。しかし、現在熱核融合炉で想定されている温度の領域では、[[三重水素]](トリチウム]]燃料の場合に比べて核融合反応が起こりにくいうえ、地球上で天然に採取することはほとんど不可能である。{{要出典範囲|[[太陽]]から噴出した[[太陽風]]が[[月面]]に堆積したものを採取する、[[木星]]などの[[木星型惑星]]で採取するなどの方法が検討されている|date=2015年2月}}
: ヘリウムは分子が小さく、きわめて微小な孔にも浸入可能であるため(ヘリウムを詰めた風船が時間が経つと小さくしぼみ、浮力が落ちるのはこのためである)、配管のリーク(漏れ)を高精度で[[非破壊検査]]するのに用いられることがある(配管に気体のヘリウムを流してヘリウムリークディテクタで漏れを検知する)。前述の特徴のほか、化学的に安定で人畜に無害、また大気中にほとんど存在しないため誤検出の心配がないなど、この用途には理想的な物質であるとされている。しかしわずかな隙間にも侵入するため、潜水艦や減圧室などヘリウムの混合ガスを使用する状態において、防水として設計された時計などの隙間にも侵入し、圧力変化によって腕時計のガラスを吹き飛ばしてしまうことがある。このため、一部のダイバーズ・ウォッチにはヘリウム・エスケープ・バルブがついており、この機構で内部のヘリウムを自動的に外へ逃がすことができる。水素に次いで軽い気体であるため、ポンプなどを使って移動させるときに少ないエネルギーで素早く移動させることができる。
 
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