「チェンバロ」の版間の差分

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撥弦鍵盤楽器の大きさや外形は多様であるが、発音機構の基本は共通している。
 
奏者が鍵を押し下げると、他端に載っているジャックと呼ばれる薄板状の部品が持ち上がり、ジャックの側面に装着された鳥の羽軸などからできた[[プレクトラム]]が弦を下から上に弾いて音を出す。
 
奏者が鍵から手を放すと、他端が元の位置に戻り、ジャック下がる。このときプレクトラムは弦を回り込んで落ちるための機構、「タング」の上ジャック装着さ備えらているめ、弦仕掛けよって弦を弾触れことく下に戻るそしてジャックが元の位置に戻るとジャックの上に付けられたフェルト製のダンパーによって弦の振動が止められる。
 
以下では上記の基本原理をより詳細に説明する。
 
[[File:Clavecin sautereau.svg|center|thumb|200px|図2: ジャック上部の概念図, (1) 弦, (2) タングの軸, (3) タング, (4) プレクトラム, (5) ダンパー]]
ジャックの上部にはタング(図2-3)という硬い木でできた可動の部品が取り付けられており、タングにはプレクトラム(図2-4)が取り付けられる。タングはプレクトラムに上から力がかかる場合は動かないが、下から力がかかる場合は回転してプレクトラムをそらすように動作する。これによってプレクトラムが下から上に弦を弾いた後、上から下へは弦を弾かずに戻ることができる。タングは[[イノシシ]]の毛や薄い[[真鍮]]板などで作られたバネによって保持されており、動いた後はバネの弾力により元の位置に戻る。
 
プレクトラムは通常ごく僅かに上方向に角度をつけて取り付けられ、弦の下ぎりぎりの位置に設置される。歴史的にはプレクトラムは[[ワタリガラス]] (raven) などの鳥の羽軸で作られていたが、現代では保守が容易な[[デルリン]]製のプレクトラムを用いる場合も多い。
 
プレクトラムが弾く弦の箇所(プラッキング・ポイント)は音質を決定する重要な要素であり、ナット(図1-5、手前側にあるブリッジと共に弦の振動長を決定する構造)からの距離で示される。ナットに近い位置で弦を弾くと[[倍音]]が強調され、「鼻にかかった」音色となる。一般にプラッキング・ポイントの距離は低音域に向かって漸増するが、弦の振動長(ナット-ブリッジ間距離)に対する比率は減少する。
 
ジャックの上部からはダンパーとしてフェルトの小片が突き出しており、ジャックが持ち上がっていないときにはダンパーが弦の上に乗るようになっている。
 
[[File:Clavecin sautereau fonctionnement.svg|center|thumb|600px|図3: チェンバロのジャックの動き, (1) ジャックレール, (2) フェルト, (3) ダンパー, (4) 弦, (5) プレクトラム, (6) タング, (7) タングの軸, (8) バネ (9), ジャック, (10) タングの動き]]
(B) 鍵を押すことでジャックが上がり始めた状態。ジャックが上昇するにつれ弦に押し当てられたプレクトラムは徐々にたわんでいく。
 
(C) プレクトラムは湾曲の限界点を超えて、弦を弾き、振動を起こす(音の発生)。ジャックの垂直に跳ね上がる動きはジャックレール(図1-6/3-1)によって止められる。ジャックレールの内側はジャックの衝撃を和らげるために柔らかいフェルト(図3-2)がつけられている。
 
(D) 鍵から手を離すと、鍵のもう一方の端は自重で元の位置に戻り、それに従ってジャックも下に降りる。この際プレクトラムは再び弦に接触するが、タング(図3-6)の働きによって、ほとんど音を生じさせることなく弦の下に戻る。ジャックが元の位置まで降りるとフェルト製のダンパー(図3-3)が弦の上に乗り消音する。
 
=== 弦と響板 ===