「フィリピン海プレート」の版間の差分

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大雑把な災害リスクを移動編集 神縄断層は活断層であるかも怪しく、少なくともMain frontal thrustではないことから記述を削除
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== 概要 ==
フィリピン海プレートが[[ユーラシアプレート]]に沈み込む事で、[[海溝型地震]]である[[東海地震]]([[南関東]]~[[東海地方|東海]])、[[東南海地震]](東海~[[南紀]])、[[南海地震]](南紀~[[四国]])が起きる。[[1923年]]の[[関東大震災]]をもたらした大正[[関東地震]]も、フィリピン海プレートが[[北アメリカプレート]]に沈み込む運動に伴う地震である。東海地震は[[静岡県]]の沖合、関東地震は[[神奈川県]]・[[千葉県]]の沖合が震源域となりうる巨大地震であり、防災上の重要性が高い。また、関東地方の地下には北アメリカ、フィリピン海、太平洋の3つのプレートが存在しており、このように2重にプレート間地震のリスクのある地域は世界的にも少ない(他は[[カムチャツカ半島]]など)が、近傍の関東南西部~東海地方東部ではユーラシアプレート・フィリピン海プレート・北米プレートが重なっているため、実質的には4プレートの間に地震のリスクが存在することになる。日本の関東地方は世界有数の政治的・経済的な先進地域でもあるため、大規模地震が直下で起こった時の影響は計り知れない。
 
伊豆半島と本州との衝突(プレート同士の衝突)は現在も続いている。[[丹沢山地]]は、フィリピン海プレート([[伊豆半島]])の北アメリカプレートへの衝突付加に伴う隆起によって形成された地形であり、現在の衝突の現場が[[神縄断層]]である。その露頭が、[[静岡県]][[小山町]]付近などで見られる。伊豆付近では地殻の浮揚性が高く、北西-南東走向の[[横ずれ断層]]が発達している他、この割れ目に沿って形成されたと考えられる火山群([[伊豆東部火山群]])がある。[[箱根火山の形成史|箱根火山]]、[[富士山]]などはこの伊豆孤の衝突の影響を受けている。また、このプレートの変形の影響を受けて、伊豆東方沖から小田原付近に西相模湾断裂と呼ばれるプレートの断裂帯があるとする学説もあるが、異論もある。
 
[[東京大学]]と[[防災科学技術研究所]]の研究グループは、2010年7月、フィリピン海プレートが、[[紀伊半島]]の西端から[[淡路島]]中部を通って[[鳥取市]]近辺へと至る地域の地下で、プレートが裂けている可能性が高いことを発表した。断裂の結果、[[近畿地方]]の下はプレートが深く沈み込み、支えのない状態になっている<ref>[[日本経済新聞]] 2010年7月9日</ref><ref>[http://www.zisin.jp/modules/pico/index.php?content_id=2130 日本地震学会ニュースレター VOL.22 No.5 表紙] 日本地震学会、2010年1月10日発行。</ref>。
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モルッカ海南部から東西走向の左横ずれ断層である{{仮リンク|ソロン断層|en|Sorong Fault}}が西パプア州へ伸び、マノクワリトラフに並行する形で合流する。[[インドネシア]]西部では、フィリピン海プレート・ユーラシアプレート・オーストラリアプレートの3つのプレートが衝突しあっており、複数の[[プレート|マイクロプレート]]が形成されている<ref>{{Cite journal |date=1991 |dui=10.1016/0743-9547(91)90068-9 |url=https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/0743954791900689 |title=The Philippine Mobile Belt: a complex plate boundary |author=Claude Rangin |accessdate=2019-09-21 |journal=Journal of Southeast Asian Earth Sciences |volume=6 |issue=3-4 |pages=209-220}}</ref>。
 
== 主な災害リスク ==
フィリピン海プレートのプレート境界付近には、[[東京]]、[[大阪]]、[[台北]]、[[マニラ]]などの大都市が存在しており、東京では[[相模トラフ巨大地震]]、大阪では[[南海トラフ巨大地震]]や[[上町断層]]、台北では{{仮リンク|山脚断層|zh|山腳斷層}}などの[[衝上断層]]、マニラではマニラ海溝の巨大地震や{{仮リンク|マリキナバレー断層系|en|Marikina Valley Fault System}}による地震で大きな震災のリスクを抱える。マニラ海溝の巨大地震では、[[津波]]によって[[香港]]や[[澳門]]、[[ダナン]]にも震災のリスクを抱える<ref>{{cite journal | ref = harv
| last1 = Wu | first1 = T
| last2 = Huang | first2 = H
| title = Modeling tsunami hazards from Manila trench to Taiwan
| journal = Journal of Asian Earth Sciences
| year = 2009 | pages = 21–28 | doi=10.1016/j.jseaes.2008.12.006 | volume=36
| issue = 1 | bibcode = 2009JAESc..36...21W}}</ref>。
また、東京では[[富士山]]、マニラでは[[タール湖]]など、噴火災害リスクも抱える。
 
== 脚注 ==