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ただしヘテロ接合となって酵素の量が減少したため、優性形質の発現に十分な酵素の量を生産できない場合もある。このとき典型的には不完全優性となり、[[ハプロ不全]]と呼ばれる状態になる。
 
上記は最もよくある機能喪失型の変異である。一方で、変異によりタンパク質の活性が上がったり、通常とは異なる機能を得るような、機能獲得型の変異が起きる場合は、その新しい機能が優性になる。
この他に、優性阻害(ドミナントネガティブ)というメカニズムで優性が発現することもある。この効果が起きると、変異型の遺伝子産物(たんぱく質など)が、正常型の遺伝子産物の働きを阻害することで、変異型の遺伝子産物の働きが優性になる。
 
この他に、優性阻害(ドミナントネガティブ)と呼ばれる、変異型の遺伝子産物(タンパク質など)が、正常型の遺伝子産物の働きを阻害する現象がある。正常型を阻害する(ネガティブの)効果が優性(ドミナント)なため、この名がついている<ref>渡邉淳「診療・研究にダイレクトにつながる遺伝医学」羊土社、2017年</ref>。ドミナント・ネガティブは、複合体を形成するタンパク質でよくみられる。多くのタンパク質は、複数のタンパク質が組み合わさった多量体または[[オリゴマー]]の状態で活性を示すが、複合体に1つでも変異体が入ると正常に機能しなくなる場合、変異型の存在により正常型の働きが阻害される。両親から受け継いだ一対の遺伝子のうちどちらかが正常であれば、確率的には正常な複合体も存在するが、活性は強く抑制される。例として4量体で活性を示す[[p53遺伝子]]がある<ref>{{cite journal | vauthors = Goh AM, Coffill CR, Lane DP | title = The role of mutant p53 in human cancer | journal = The Journal of Pathology | volume = 223 | issue = 2 | pages = 116–26 | date = January 2011 | pmid = 21125670 | doi = 10.1002/path.2784 | authorlink3 = David Lane (oncologist) }}</ref>。
 
== 集団遺伝学における優性 ==