「中朝友好協力相互援助条約」の版間の差分

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== 概要 ==
本条約の発端は、[[1961年]][[5月16日]]に[[韓国]]の[[朴正煕]]が[[5・16軍事クーデター|軍事クーデター]]を起こし、[[軍事政権]]を樹立したことである。北朝鮮は、[[米韓相互防衛条約]]を結んでいる韓国がアメリカと組んで北を軍事攻撃することを危惧し、[[ソビエト連邦]]と中華人民共和国に[[軍事同盟]]を求めた<ref>「http://sankei.jp.msn.com/world/news/110718/kor11071812000000-n3.htm 北朝鮮と軍事同盟50年を祝う中国を侮るな」『MSN産経ニュース』2011年7月18日</ref>。
 
本条約は同年[[7月11日]]、[[北京]]において中国の[[周恩来]]総理と、北朝鮮の[[金日成]]首相が出席して調印された。中国側は8月19日、第2期[[全国人民代表大会常務委員会]]第42回会議において批准を决定し<ref>[http://www.npc.gov.cn/wxzl/gongbao/2000-12/16/content_5000780.htm 全国人民代表大会常务委员会关于批准中华人民共和国和朝鲜民主主义人民共和国友好合作互助条约的决议]</ref>、8月30日に[[劉少奇]][[中華人民共和国主席|国家主席]]が批准した<ref name="fmprc">中华人民共和国外交部(1965年)、45ページ。</ref>。北朝鮮側は8月23日、[[最高人民会議常任委員会]]において批准した<ref name="fmprc" />。9月10日に、北朝鮮の[[平壌]]において[[批准書]]が交換され、同日より発効した<ref name="fmprc" />。
 
[[1991年]]の[[ソ連崩壊]]後に[[ソ朝友好協力相互援助条約]]は失効し、中国は北朝鮮にとって軍事同盟を結んでいる唯一の国となったが、[[北朝鮮核問題]]において中国の政府系[[メディア]]や[[シンクタンク]]は軍事同盟の見直しを主張している<ref>「[http://www.asahi.com/special/nuclear/TKY200309230276.html 「軍事同盟削除を」 中朝条約改正、中国の研究所が提言]」『朝日新聞デジタル』2003年9月24日</ref><ref>「[http://www.yomiuri.co.jp/feature/TO000301/20170505-OYT1T50065.html 「北けん制か、中朝友好条約の見直し示唆…中国紙]」『読売新聞(YOMIURI ONLINE)』2017年5月6日</ref>。また、既に事実上形骸化してるとする見方もある<ref>「[http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/51161 【真・人民日報】90年代半ばに実質的効力喪失した中朝の「友好協力相互援助条約」 大真面目に議論する日本が心配]」『ZAKZAK』2017年9月6日</ref>。しかし、有事の際に北朝鮮を軍事占領できる口実にもなることから中国にとって利用価値のあるカードになっているとする見方もあり<ref>{{Cite news|url=http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2018/03/22/2018032201327.html|title=中国軍30万人が北朝鮮占領演習、韓国語も学習|publisher=[[朝鮮日報]]|date=2018-03-22|accessdate=2018-03-22}}</ref><ref>{{Cite news|url=http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/51161|title=「中国の掌で対決しているアメリカと北朝鮮 「中朝同盟」を巧みに利用する中国の戦略]」|publisher=[[JBpress]]|date=2017-09-28|accessdate=2018-03-22}}</ref>、北朝鮮は一方的な中国軍の介入を懸念して米韓相互防衛条約にもない自動介入条項の改正を提案した際も無視されたこともあったとされる<ref>{{Cite news|url=http://www.donga.com/jp/article/all/20100304/310583/1/「戦争時の自動介入条項修正」 北朝鮮が中国に同盟条約改正を提案/|title=「戦争時の自動介入条項修正」 北朝鮮が中国に同盟条約改正を提案|publisher=[[東亜日報]]|date=2010-03-04|accessdate=2019-07-07}}</ref>。
 
本条約は20年ごとに自動的に更新され、現在の物で3代目になるが(2001年に更新)、中国側は「北朝鮮が攻撃されたら助けに行くが、北朝鮮が先制攻撃をし反撃を受けた場合は助けない」との解釈変更を行った<ref>[https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20171207-00010000-newsweek-int&p=2 「中国軍駐留で北朝鮮の非核化を」Newsweek日本版2017年12月7日]</ref>。現在でも7月11日の調印日には、[[北京市|北京]]と[[平壌]]の両[[大使館]]において祝宴が行われるが、55周年の際は[[習近平]][[中国共産党中央委員会総書記|中国共産党総書記]]と[[金正恩]][[朝鮮労働党委員長]]の祝電交換のみで、45周年時の[[回良玉]]副総理らの訪朝のような高官の往来は見送られた<ref>「[https://www.nikkei.com/article/DGXLASGM11H6H_R10C16A7FF8000/ 中朝友好条約調印55年で両首脳が祝電]」『日本経済新聞』2016年7月11日</ref>。