「吊り掛け駆動方式」の版間の差分

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=== 短所 ===
* モーター重量の約半分が、台車の軸ばねを介さずに、アクスルメタルまたは転がり軸受を介して輪軸に直接かかるため、[[鉄道車両の台車#ばね下重量・ばね間重量|ばね下重量]]が重くなる<ref name="宮本2012"/>。これにより線路への衝撃が懸念されるが、影響は微小である。逆に線路からの台車・車体やモーター自体への衝撃が懸念される<ref name="宮本2012"/>。このため、高速運転にはデメリットがある<ref group="注釈">高速走行性能自体は吊り掛け駆動方式で十分可能であり、ドイツで1901年に電気動力車の高速走行試験の際、ジーメンス社が出したS型電車は吊掛式だったが、AGE社が作ったA型電車(クイル式駆動)と共に時速200㎞200km以上を出している他、商業運転でもドイツの電気式ディーゼルカーの[[フリーゲンダー・ハンブルガー]](1932)やイタリアの電車の[[イタリア国鉄ETR200電車|ETR200]]形(1939)といった戦前に160㎞160km/h以上で走行した車両たちにも吊掛式はある。([[#ロス2007|(ロス2007)p.254「SVT877「フリーゲンデ・ハンブルガー」」・p.386「「A]および「S」A1A-A1A試験車」・p.413「ETR200形」]])、日本でも日本国有鉄道の試験電車[[国鉄クモヤ93形電車|クモヤ93形]]000号は、吊り掛け駆動車ながら[[1960年]]に当時の狭軌鉄道速度記録・175km/hを樹立している。ただし、それらの前提となるのは軌道整備が強固なことであり、カルダン駆動方式に比して不利であることは否めない。クモヤ93での速度試験に際して東海道本線の試験区間では、[[プレストレスト・コンクリート|PC]][[枕木]]採用など、のちに[[新幹線]]にも使用された技術による高規格改良を施していた。</ref>。乗客にとっては乗り心地も悪くなる<ref name="川辺謙一2007"/>。
* 吊り掛け駆動用モーターは、衝撃に耐えるため、頑丈に作らざるを得ない。結果として重量や、ばね下重量も増加してますます衝撃が強まる。
* モーター本体と輪軸の間の摺動部分や歯車などが、大トルクによる負荷や、大きな重量による衝撃のために消耗しやすく、又、ギアボックスを密閉できないため、メンテナンス上の配慮を要する<ref group="注釈">モーター本体と輪軸の間の摺動部分には、常時注油と定期メンテナンスが必要となる。</ref>。メンテナンスサイクルもカルダン駆動方式に比して短い。ただしトータルランニングコストに関しては、[[軌間]]や軌道の状態によっては必ずしもカルダン方式が優位とはいえない場合もある。