「憲法改正」の版間の差分

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→‎憲法改正権の所在: 憲法改正権と立法権は全く別
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== 憲法改正権の所在 ==
[[憲法制定権力]]は、1789年のフランス革命以降、[[国民主権]]と同意義的に[[国民]]が持つものと考えられるようになり、司法・立法・行政といった国家権力は国民が制定した憲法に基づいて存在する機関だと説明される。併せて、憲法改正権は憲法制定権の元で定められる権利の一部だと考えられているため、それらの機関に憲法改正権自体を持たせることには消極的になる向きがある。
 
なお、[[大日本帝国憲法]]施行時に[[天皇主権]]を掲げていた日本では、政府は[[天皇機関説]]を排撃し、[[日本国憲法]]の制定経緯にあたっても国民の憲法制定権や憲法改正権を明確には採用していない。
 
=== ;憲法改正の限界について ===
憲法改正について限界があるか否かについては、一般に、
#所定の改正手続きをふんでもなお一定の事項については改正を許さないものとする実体的改正禁止規定の効力
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の三点が議論される。これら3つの問題に対する答えは、改正権の上位に憲法制定権が別に存在すると考えるか否かによって変わると考えられている<ref>憲法第5版(長谷部恭男)pp34-35 ISBN 978-4-88384-168-4</ref>。詳細については、「[[憲法改正論議#憲法改正の限界]]」を参照のこと。
 
{| class="wikitable" style="width:80%"
;限界説
! style="white-space:nowrap" |有無の区分 !! 特徴
:いかなる[[憲法]]にもその基本原理があり、基本原理を変更する改正はできないとする。[[ドイツ]]・[[フランス]]など、[[人権]]や統治機構などに関する一部条文の憲法改正を憲法自体で禁止している例もある。憲法改正手続きにより基本原理を変えるような改正が行われ、実際に憲法として国民に受け入れられ通用する場合は、無効とは言いえず、憲法の破棄と[[新憲法制定|新憲法の制定]]があったものとみる<ref>[https://web.archive.org/web/20180204232628/http://www.jicl.jp/urabe/otona/20141208.html 「憲法の改正」と「新憲法の制定」の違い(法学館憲法研究所HP)]</ref>。
|-
{{see also|堅固に保護された条項}}
| 限界説 || style="font-size:small"| いかなる[[憲法]]にもその基本原理があり、基本原理を変更する改正はできないとする。[[ドイツ]]・[[フランス]]など、[[人権]]や統治機構などに関する一部条文の憲法改正を憲法自体で禁止している例もある。憲法改正手続きにより基本原理を変えるような改正が行われ、実際に憲法として国民に受け入れられ通用する場合は、無効とは言いえず、憲法の破棄と[[新憲法制定|新憲法の制定]]があったものとみる<ref>[https://web.archive.org/web/20180204232628/http://www.jicl.jp/urabe/otona/20141208.html 「憲法の改正」と「新憲法の制定」の違い(法学館憲法研究所HP)]</ref>。{{see also|堅固に保護された条項}}
 
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;無限界説
| 無限界説 || style="font-size:small"| 無限界論の特色は、およそ法・憲法は歴史の所物であり、歴史の発展に即して改正されることを所期している、とする。したがって、手続き的に瑕疵なく行なわれる以上、憲法の改正は無限界であり、なんら憲法の諸条項の中に軽重の区別をしてはならないし、またそうすることは無意味であるとする。基本的原理が修正または根本的に変更されても、それが歴史の発展にかなうものである以上、憲法の改正として承認されなければならないとするのである。法を歴史的産物として客観的に捉えている無限界説をもって正当と考える<ref>憲法講義(上田勝美)p288</ref>。
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|}
 
== 各国の憲法上の改正手続について ==