「計算機科学」の版間の差分

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1920年代以前、「{{lang|en|computer}}」という言葉は仕事として計算を行う人を指していた。しかしこの時代に、現代に通じる[[計算理論]]と[[計算模型]]が考案されている。[[クルト・ゲーデル]]、[[アロンゾ・チャーチ]]、[[アラン・チューリング]]など、後に計算機科学と呼ばれるようになる分野の先駆者は、[[計算理論|計算可能性]]、すなわち(特別な前提知識や技能なしに)紙と鉛筆と命令書だけでどのようなものが計算できるか、に興味を抱いた。この研究は、一部には人間に付き物の間違いをすることなく自動的に計算を行う「計算する機械」を開発したいという欲求に基づくものであった。この重要な洞察は、あらゆる計算作業を(理論上)全て実行可能な汎用の計算システムを構築することを意味し、それまでの専用機械を汎用計算機の概念に一般化した。汎用計算機という概念の創造が現代の計算機科学を生み出したのである。
 
1940年代に入り、より新しくかつ強力な計算機が開発されるにつれて、「{{lang|en|computer}}」という言葉は人間ではなくそういった機械を指す言葉となった。1940年代から1950年代にかけて、次々と電子式コンピュータが建造され、1950年代末には基本的な考え方としては現代にまで引き継がれている仕組みが(いわゆる[[プログラム内蔵方式]]など)完成した。前述の、米国の国勢調査においてパンチカードシステムが有用であった事例などもあるように、科学技術などにおける数の計算(いわゆる[[数値解析]]的な計算)だけではなく、もっと一般の事務処理などといった[[データ処理]]にもこういった機械は有用だということは以前から明らかになっていたわけだが、そういった、「狭義の計算」より広い意味を指す語として1960年頃には<ref group="注釈">1960年に[[情報処理国際連合]]が設立されている。</ref>、主に学術方面ではInformation Processing([[情報処理]])という熟語が使われるようになり、[[機械翻訳]]や[[パターン認識]]のような、数値計算ではない応用の研究が始まった。また、主に産業方面ではData Processing([[データ処理]])という熟語もあり、EDPという3文字語などもあった。[[コンピューティング]]という語の意味はそれらを含む広い意味とされるようになり、計算機科学はそれらを扱う科学ということになった。1960年代には計算機科学は独立した学問分野として確立され、大学などで計算機科学科の設立と学位認定が行われるようになった<ref name="Denning_cs_discipline">{{cite journal | last=Denning | first=P.J. | date=2000年 | title=Computer science:the discipline |url=http://www.idi.ntnu.no/emner/dif8916/denning.pdf | journal=Encyclopedia of Computer Science}}</ref>。実用的なコンピュータが利用可能になると、その様々な応用が下位領域を形成していった。2000年前後には「IT」という語が流行した。
 
== 教育 ==
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* [[コンピュータグラフィックス]]
 
== 釈・出典 ==
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=== 注釈 ===
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=== 出典 ===
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