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{{性的}}
[[画像:Alice Liddell 2.jpg|thumb|[[アリス・デー]]などで[[少女愛]]運動の象徴とされる[[アリス・リデル]](不思議の国のアリスのモデル)]]
[[画像:Lolicon Sample.png|thumb|270px|アニメや漫画の形式で表現されるロリータ]]
'''ロリータ・コンプレックス''' ({{Lang-ru|'''Лоликон - Lolikon, Lolicon'''}}) とは[[幼女]]・[[少女]]への[[性的嗜好]]や[[恋愛]]を持つ成人男性を指す場合が多い感情のこと。略して'''ロリコン'''ともいう。ロリコンと略す場合は、幼女・少女への性的嗜好や恋愛感情を持つ者のことも指すことがある
 
元は「Lolita」([[ロリータ]])と「complex」([[コンプレックス]])から成る[[和製英語]]である。「Lolita」は、中年の[[男性]]が年の離れた少女を愛する[[ウラジーミル・ナボコフ]]の[[小説]]『[[ロリータ]] (Lolita)』、または、同小説の登場人物である少女の愛称・ロリータに由来する。
 
== 概説 ==
ロリータ・コンプレックス俗語でありウラジーミル・ナボコフの小説『ロリータ (Lolita)』に登場する[[ニンフェット]]とも違い、[[エフェボフィリア]]や[[性的倒錯]]といったなど[[医学]]用語ではや精神分析的分析とは意味合が異なる
 
[[日本]]でロリータ・コンプレックスという[[言葉]]がいつどのようなきっかけで使われるようになったか、明確には判明していない。言葉自体は[[1969年]]に出版された『ロリータ・コンプレックス』([[ラッセル・トレーナー]])の邦訳が日本での初出とされているが、それは「少女が中年男性に関心を抱く」という意味で用いられているものであり、現在のここで説明している[[概念]]とは正反対のものである<ref name="basilico-lolicon">高月靖著(2009年) p.6, pp.32-33</ref>。[[1974年]]に[[和田慎二]]が『キャベツ畑でつまずいて』のなかでロリータ・コンプレックスという言葉をすでに用いており<!-- (P.121) -->、これが初出とは判明していないが、ここで説明している概念を表すものとしては初期の用例とされている<ref name="basilico-lolicon" />。また[[1972年]]に[[澁澤龍彦]]は『少女コレクション序説』でロリコン現象を少女視点ではなく男性視点で捉えるべきではという意見を述べていて、これを現在の用法の発祥とする見解もある<ref name="basilico-lolicon" />。
また[[ロリータ・ファッション]]とも無関係である。
 
「ロリコン」という略称の発祥もはっきりしておらず、おそらくは[[マザーコンプレックス]]同様の過程で作られた略称であることと、[[1970年代]]後半頃から用いられ始め、[[1980年]]頃から急速に広まったということが判明しているのみである<ref name="basilico-lolicon" />。一説には、アンダーグラウンドなロリコン雑誌で用いられたことを発祥元とする見解もあるが、定かでない<ref name="basilico-lolicon" />。欧米で言う[[ロリータ・シンドローム]]とは別の概念であり、以前は主に日本で使われ、英語圏ではあまり使われていなかったが、近年は日本語での「ロリコン」rorikonを英語化した「lolicon」の語で海外でも使われるようになってきている。
[[日本]]でロリータ・コンプレックスという[[言葉]]がいつどのようなきっかけで使われるようになったか、明確には判明していない。言葉自体は[[1969年]]に出版された『ロリータ・コンプレックス』([[ラッセル・トレーナー]])の邦訳が日本での初出とされているが、それは「少女が中年男性に関心を抱く」という意味で用いられているものであり、現在の[[概念]]とは正反対のものである<ref name="basilico-lolicon">高月靖著(2009年) p.6, pp.32-33</ref>。[[1974年]]に[[和田慎二]]が『キャベツ畑でつまずいて』のなかでロリータ・コンプレックスという言葉をすでに用いており<!-- (P.121) -->、これが初出とは判明していないが、ここで説明している概念を表すものとしては初期の用例とされている<ref name="basilico-lolicon" />。また[[1972年]]に[[澁澤龍彦]]は『少女コレクション序説』でロリコン現象を少女視点ではなく男性視点で捉えるべきではという意見を述べていて、これを現在の用法の発祥とする見解もある<ref name="basilico-lolicon" />。
 
ロリコンは俗称であり明確な[[定義]]はなされていないが、一般に[[侮蔑語]]、[[差別語]]として使用されている傾向がある<ref>三浦 耕吉郎 『構造的差別のソシオグラフィ』 世界思想社、2006年。</ref>。また実年齢による定義もないため、身体的に成熟しているかは主観的な判断をともない、ロリコンの対象と見なされる年齢は、新生児から成人以上にまで及ぶ可能性がある。例えば、[[日本ユニセフ協会]]は、[[インターネット・ホットラインセンター]]に寄せられた児童ポルノ関連の通報は「現行法の定義では『児童ポルノ』とされないものがその殆どと伺っております。」と報告している<ref>日本ユニセフ協会 [http://www.unicef.or.jp/special/0705/backnum/080328.html お問い合わせ「本キャンペーンが規制を求めている『子どもポルノ』の具体的な定義について」]を参照。</ref>。
「ロリコン」という略称の発祥もはっきりしておらず、おそらくは[[マザーコンプレックス]]同様の過程で作られた略称であることと、[[1970年代]]後半頃から用いられ始め、[[1980年]]頃から急速に広まったということが判明しているのみである<ref name="basilico-lolicon" />。一説には、アンダーグラウンドなロリコン雑誌で用いられたことを発祥元とする見解もあるが、定かでない<ref name="basilico-lolicon" />。欧米で言う[[ロリータ・シンドローム]]とは別の概念であり、以前は主に日本で使われ、英語圏ではあまり使われていなかったが、近年は日本語での「ロリコン」を英語化した「lolicon」の語で海外でも使われるようになってきている。
 
== ロリコン漫画雑誌・ブーム ==
ロリコンは俗称であり明確な[[定義]]はなされていないが、歪んだ性的嗜好との印象が社会的に強く、一般に[[侮蔑語]]、[[差別語]]として使用されている傾向がある<ref>三浦 耕吉郎 『構造的差別のソシオグラフィ』 世界思想社、2006年。</ref>。
 
== 日本におけるロリコン ==
{{See also|少女ヌード写真集}}
; 1970年代
: 1970年代に少しずつ現れた[[少女ヌード写真集]]が一般書店の店頭に並べられ、[[1979年]]の『プティ・フェ』([[石川洋司]])や『Little Pretenders』([[山木隆夫]])のような話題作が発表されるようになる。
; 1980年代
: こうして1980年頃から幼少女への性愛を扱った表現が人気を集め、ロリコンという言葉は急速に一般化した。[[日活]]が「[[にっかつロマンポルノ]]」作品として[[1983年]]に『ロリコンハウス おしめりジュンコ』([[青木琴美 (女優)|青木琴美]]主演)を製作したことがある。[[漫画]]では[[内山亜紀]]の『ロリコン・ラブ』、あるいは[[吾妻ひでお]]や[[蛭児神建]]が関わっていたことでも知られる日本初のロリコン系漫画同人誌[[シベール (同人誌)|シベール]]の発行もこの頃である<ref>ただし「シベール」はすぐに廃刊となり、追随するファンジンは多く現れたものの、主流は「美少女もの」や「アニパロ」ジャンルになっていく 「おたくの本」別冊宝島(104)、1989年 p.105</ref>。吾妻ひでおは内山亜紀と並んでしばしばロリコン漫画の旗手として称され、大塚英志もロリコン漫画の「テンプレート」をつくりあげた彼の功績を強調している<ref>大塚(2004年) p.94</ref>。
: この1980年頃から[[1984年]]頃までは「ロリコン・ブーム」と呼ばれ、多くの写真集・雑誌・特集本などが出版された。少女愛をおおぴらにすることはそれまでタブーとされていたが、このロリコン・ブームによってそれが「解禁」された。吾妻や米澤嘉博は漫画ファンの間ではロリコンという言葉がたびたび用いられていたと証言している<ref name="out60">「月刊アウト」1982年3月号 p.60</ref>。劇画が主流となり可愛らしい少女[[キャラクター]]やラブコメにページが割かれることの少なかった時代にあって、ロリコンというテーマのもとでかつての正統的な少年漫画が「復権」した、と米澤はいう<ref name="out60"/><ref>劇画からアニメへとヒロイン像が移行していた時期であった 「おたくの本」別冊宝島(104)、1989年 p.106</ref>。その一方で、それまで半ばタブー視されていたロリコンという言葉(あるいは概念)が表舞台に登場し、「金バッジのように」堂々と自分がロリコンであると宣言する人間まで現れるようになった<ref name="out60"/>。ロリコンという概念が、今日でいう「萌え」に非常に近い、少女を精神的に愛しむ感覚のことを指していたのである<ref>米澤(2010年) p.279</ref>。例えば「アニメージュ」[[1982年]]4月号の付録は「ロリコン・トランプ」だった。ナボコフやキャロルといった文学を引き合いに出すことも可能なロリコンという言葉は、ある意味で「トレンディ」なものだったのである<ref>米澤(2010年) p.280</ref>。
: また、米澤によればこの言葉が[[アニメ]]ファンの間で流行したのは、宮崎駿監督作品「[[ルパン三世 カリオストロの城]]」のヒロインであるクラリスの人気が非常に高まったことによるものであり<ref name="animege126">「アニメージュ」徳間書店1982年5月号 p.126</ref>、具体的には1980年に発行されたファンジン([[同人誌]])「クラリス・マガジン」がその発端であるという説もある<ref name="animege126"/>。
; ロリコン漫画雑誌
: 日本で最初のロリコン漫画雑誌は[[1981年]][[12月]]創刊の「[[レモンピープル]]」([[あまとりあ社]])だとされている<ref>米澤(2010年) p.261</ref>。当時の主力作家はやはり内山亜紀と吾妻ひでおであった。米澤が注目するのは同誌の1982年8月号である。この号では、読者による誌上討論という形で「ロリコンにエロは必要か」というテーマの是非が争われていたのだ。ただし、ここでの「エロ」とはそれまで主流であった劇画調のエロティシズム描写のことである<ref>米澤(2010年) p.275</ref>。大塚英志はロリコン漫画とエロ劇画との最大の違いを「犯す主体」の喪失だとしている<ref>大塚(2004年) pp.92-94</ref>。
: 『レモンピープル』とともにそのようなロリコン誌として知られた『[[漫画ブリッコ]]』([[白夜書房]])が1983年、それまで毎号掲載してきた少女ヌードの写真グラビアを読者からの不評によって廃止した。さらにはリアルな写実劇画からも決別して、より記号的な漫画をメインとする創作誌となっている。
: 漫画やアニメの幼女・少女キャラクターを自由に物語化して表現することも同人誌活動の間で普及していく。こうした現象は評論家の注目を集めるようになる。1983年、[[中森明夫]]は後に有名になる『おたくの研究』(『漫画ブリッコ』掲載)において、これらの趣味をロリコンと評しそのなかでも生身の[[アイドル]]少女に執着するものと、漫画やアニメの創作キャラクターなどに執着するグループに分けている。しかし中森の研究論に対し読者からは[[おたく差別]]的だとして批判された。後に編集長[[大塚英志]]によって連載を打ち切られる事となった。
 
=== 1970年代ロリコンと社会 ===
[[思春期]]前・思春期早期の幼女・少女への性的嗜好をもつ人間は、精神医学上も[[ペドフィリア|小児性愛]]という定義がなされている(但し、[[精神障害の診断と統計マニュアル|DSM-5]]でのぺドフィリアの定義は「[[精神障害|著しい機能的障害がある]]」などの条件がある。[[ペドフィリア#%E7%8F%BE%E5%9C%A8%E3%81%AE%E7%B2%BE%E7%A5%9E%E5%8C%BB%E5%AD%A6%E3%81%A7%E3%81%AE%E6%A6%82%E5%BF%B5|ぺドフィリア#現在の精神医学での概念]]も参照のこと)。対して性的に成熟した思春期後期・成人[[女性]]への性愛は概ね、[[精神医学]]では[[性的倒錯|性嗜好障害]]とされていない。むしろ(異性愛者の)男性が性的に成熟した女性の中から若い個体をセックスの相手として好むことは普遍的傾向である<ref>女と男のだましあい―ヒトの性行動の進化 単行本 – 2000/2
日本では「ロリコン」向けのポルノ商品である少女のヌード写真集や、少女の性交を描いた漫画が1980年代に大流行し、「ロリコン・ブーム」と呼ばれる時代になった。
デヴィッド・M. バス (著), David M. Buss (原著), 狩野 秀之 (翻訳) ISBN 4-7942-0951-7</ref><ref>[[ダニエル・S・ハマーメッシュ]]:著。[[望月衛]]:訳『美貌格差 生まれつき不平等の経済学』([[東洋経済新報社]]、[[2015年]]2月7日)ISBN 978-4-492-31453-1</ref><ref>[[クリスチャン・ラダー]]:著。[[矢羽野薫]]:訳『ハーバード数学科のデータサイエンティストが明かす ビッグデータの残酷な現実 ネットの密かな行動から、私たちの何がわかってしまったのか?』([[ダイヤモンド社]]、[[2016年]]8月)ISBN 978-4-478-02299-3</ref><ref>[https://gigazine.net/news/20180313-vulva-booklet/ 思春期の少女の性器がどのように発達していくのかを説明したガイド - GIGAZINE]</ref><ref>[https://www.businessinsider.com.au/best-age-for-everything-2017-3 Here are the ages you peak at everything throughout life | Business Insider]</ref><ref>[http://www.rohto.co.jp/news/release/2018/0214_01/ 女性の「若い頃のニオイ」を解明!「若い頃の甘いニオイ」の正体は「ラクトンC10/ラクトンC11」 | ロート製薬株式会社]</ref><ref>[http://www.rohto.co.jp/article/healthandbeauty/2017/0608_01/ 気づいていないのは本人だけ…?パートナーの気になる「ニオイ」とは | ロート製薬株式会社]</ref>(女性の卵子は生後新たに作られないため、年齢とともに卵子が老化し、妊娠しにくくなっていくことが原因と考えられている<ref>[http://www3.nhk.or.jp/news/web_tokushu/0625_02.html NHKwebNEWS“卵子の老化”とどう向き合うか] </ref>。) 。また、[[高齢出産]]に比べて先天的な[[障害]]がおきにくい(ただし体が成熟しきっていない[[十代の出産|10代前半の出産]]は、難産のリスクが高い)。[[厚生労働省]]の[[人口動態統計]][[2015年]]調査結果によると出生と死産を合わせ[[妊娠]]、[[分娩]]及び[[産褥]]による死因は全年齢階級で0.01%を下回り、[[1950年]]から5年毎の調査で母の年齢階級[[14歳]]以下の出生数が平均約31人程度の中で自然死産([[妊娠中絶]])の割合は[[2015年]]では5%を下回る。出生と死産を合わせた中の人工死産([[人工妊娠中絶]])は年齢階級14歳以下で約60%、[[15歳]]以上[[19歳]]以下で約13%、死産の中で人工死産([[人工妊娠中絶]])の割合は年齢階級14歳以下と15歳以上19歳以下では90%を越える<ref>[http://www.jsrm.or.jp/public/funinsho_qa17.html 一般社団法人日本生殖医学会|一般のみなさまへ - 不妊症Q&A:Q17.女性の妊娠・分娩に最適な年齢はいくつくらいですか?]</ref><ref>[http://www.jsrm.or.jp/public/funinsho_qa21.html 一般社団法人日本生殖医学会|一般のみなさまへ - 不妊症Q&A:Q21.男性の加齢は不妊症・流産にどんな影響を与えるのですか?]</ref><ref>[http://www3.nhk.or.jp/news/html/20171128/k10011237491000.html News Up 男35歳 “精子”の分かれ道 | NHKニュース]</ref><ref>[https://www.nhk.or.jp/gendai/articles/4097/ 男にもタイムリミットが!?~精子“老化”の新事実~ - NHK クローズアップ現代+]</ref><ref>[https://www6.nhk.or.jp/special/detail/index.html?aid=20180728 NHKスペシャル | ニッポン “精子力” クライシス]</ref><ref>[http://www.afpbb.com/articles/-/3195751 父親が高齢ほど新生児の健康リスク上昇、米研究 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News]</ref><ref>[http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/81-1.html 人口動態調査|厚生労働省]</ref><ref>[http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/kakutei15/index.html 平成27年(2015)人口動態統計(確定数)の概況|厚生労働省]</ref><ref>[http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/NewList.do?tid=000001028897 最新結果一覧 政府統計の総合窓口 GL08020101] - 人口動態調査</ref>。もっとも生物学的には10代後半は肉体も成熟し、子供を産むに適した時期であるといっても、高度化する現代社会において18歳未満の少女、学齢にすると高等学校3年未満は精神的に未熟で、[[結婚]]し子供を産むという人生の岐路に立つには早すぎるとみなされている。精神的に未熟な少女の子育ては困難が大きく、[[ネグレクト|育児放棄]]や[[児童虐待]]につながりやすいともされる。特に[[先進国]]では[[高等教育]]を受けないと経済的な基盤が不安定であるため、学業を中断することになる早婚が好ましいとはされない傾向がある。また、女性が経済的に自立しやすくなったことや、子供の死亡率が低下したことで出産を急ぐ必要性が薄れたことで[[晩婚化]]が進んでいることを背景に、早婚が少数派に転落していることがある。現代に入り、婚姻年齢が上がり、「愛護育成されるべき児童」という概念が確立し、児童と非児童との区別が厳格になされるようになるにつれ、社会道徳的・児童人権的な側面からも社会的に「[[逸脱]]」とされるようになった。
 
なお、異性に特別な関心をもつ[[初恋]]の経験は生殖可能な年齢より前に訪れる傾向があるとされる<ref>[[第一次性徴]]で[[生殖器]]が発生し分化していく発達段階が[[在胎週数]]7週頃からはじまり4~6週間続く、[[オーガズム]]を感じるようになり[[オナニー]]が始まるのが[[超音波検査]]による胎児に対する観察で在胎週数28週頃の胎児で既に確認されている、不安定ながら[[性同一性]]を持ち始めるのは3歳頃、[[性愛]]に基づく[[初恋]]の発現する年齢についての有意差は[[学齢]]で幼稚園・保育所の年長児であり年齢は5歳~6歳頃である。[[第二次性徴]]の[[精通]]の平均年齢は12.84±1.11歳、[[月経]]の平均年齢は12.24±0.93歳であり学齢では小学校6年生~中学校1年生。第二次性徴の始まる12歳から35歳以上である高齢出産までの期間は23年間、50歳以上である超高齢出産までの期間は38年間となる。</ref><ref>[http://nature.cc.hirosaki-u.ac.jp/lab/3/animsci/text_id/Sex%20Determination.html 性分化]</ref><ref>[http://okusuri.jp/knowledge/01/p005.html おクスリ.jp 特集 妊娠と薬に関する知識 - Foreword - 表5 妊娠週数と発生]</ref><ref>[https://seiri.azukichi.net/ninshin-shuuki.html 妊娠周期・妊娠週数について - 母親と胎児の変化・周期の数え方と自動計算]</ref><ref>[https://onlinelibrary.wiley.com/doi/pdf/10.7863/jum.1987.6.2.111 Sonographic observation of in utero fetal "masturbation".]</ref><ref>[https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.7863/jum.1987.6.2.111 Sonographic observation of in utero fetal "masturbation". - Meizner - 1987 - Journal of Ultrasound in Medicine - Wiley Online Library]</ref><ref>[https://www.ted.com/talks/mary_roach_10_things_you_didn_t_know_about_orgasm/transcript?language=ja メアリー・ローチ「あなたの知らないオーガズムに関する10の事実」 | TED Talk Subtitles and Transcript | TED]</ref><ref>[http://ci.nii.ac.jp/naid/40017052523 CiNii 論文 - 初恋についての探索的研究--年中児,年長児,短大生の比較を通して]</ref><ref>[http://hdl.handle.net/2261/15935 UTokyo Repository: 幼児の「性自認時期」と「対人スタンス」との関係 : 幼稚園3歳児クラスの観察から]</ref><ref>[http://ci.nii.ac.jp/naid/110006389841 CiNii 論文 -  幼児の「性自認時期」と「対人スタンス」との関係 : 幼稚園3歳児クラスの観察から]</ref>が、社会的に結婚、出産とは結びつかないものとされているのでこの項では割愛する。
1970年代に少しずつ現れた[[少女ヌード写真集]]が一般書店の店頭に並べられ、[[1979年]]の『プティ・フェ』([[石川洋司]])や『Little Pretenders』([[山木隆夫]])のような話題作が発表されるようになる。
===日本における歴史上の扱い===
歴史的には[[数え年]]で10代も半ばのうちに成人([[元服]])するもので、女性に関しては結婚をもって大人の仲間入りとみなしていた。江戸時代の女性は14、15歳で多くが結婚したもので、少女時代というものがあまりなかったのだという<ref>江戸時代、若くはもつと以前の日本人の生活では、14、15歳にして、もうすでに多くは結婚をしたらしく思はれる。その頃の人には「少女時代」というものがほとんど無かつたと云つてもいい。[{{NDLDC|1019734}} 生田春月「少女美」(『草上静思』交蘭社、1926)114〜115頁より引用]</ref>。特に、深刻な人口減少に陥った[[18世紀]]の[[東北地方]]では10代前半の少女婚はごく当たり前に行われていた。しかし、18世紀後半には[[中部地方]]以西では[[宗門人別改帳]]等による人口の調査研究によると女子初婚年齢が20歳を越えていたと推測される例が多い。これは江戸時代にはすでに人口増加が原因で自発的な産児抑制が起こり、晩婚化が始まっていた<ref>ジャレド・ダイアモンド著『文明崩壊 滅亡と存続の命運を分けるもの(下)』 草思社発行 ISBN 4-7942-1465-0 第九章 日本についての記述要約</ref>からである。
 
=== 1980年代日本国外における扱い ===
上記のように歴史的にはごく当たり前に扱われてきており、日本のみならず諸外国でも同様の文化は見られる。
こうして1980年頃から幼少女への性愛を扱った表現が人気を集め、ロリコンという言葉は急速に一般化した。[[日活]]が「[[にっかつロマンポルノ]]」作品として[[1983年]]に『ロリコンハウス おしめりジュンコ』([[青木琴美 (女優)|青木琴美]]主演)を製作したことがある。[[漫画]]では[[内山亜紀]]の『ロリコン・ラブ』、あるいは[[吾妻ひでお]]や[[蛭児神建]]が関わっていたことでも知られる日本初のロリコン系漫画同人誌『[[シベール (同人誌)|シベール]]』の発行もこの頃である<ref>ただし「シベール」はすぐに廃刊となり、追随するファンジンは多く現れたものの、主流は「美少女もの」や「アニパロ」ジャンルになっていく 「おたくの本」別冊宝島(104)、1989年 p.105</ref>。吾妻ひでおは内山亜紀と並んでしばしばロリコン漫画の旗手として称され、大塚英志もロリコン漫画の「テンプレート」をつくりあげた彼の功績を強調している<ref>大塚(2004年) p.94</ref>。
欧米でも、日本や[[イスラム世界]]同様、以前は十代の少女を恋愛対象や結婚対象にすることは容認されていた。しかし、現代では再解釈された道徳に従い、他の地域に先駆けて、児童性愛の遂行を女児に対する問題として捉えるようになった。一概にはいえないが、[[児童ポルノ]]問題を経て、幼い少女の性を成人が欲情の対象とすることに対し対策へ向かった社会も目立つ。イスラム教は性愛に対する戒律が厳しいが、少女婚に関しては例外的に寛容である。その理由は人生の規範とされる教祖[[ムハンマド・イブン=アブドゥッラーフ]]が6歳の少女と結婚し、9歳の頃に性交にいたったという故事があるからである。現代では世界的に少子高齢化が問題になってきており、一部の国で早婚が奨励されることがある<ref>[http://sankei.jp.msn.com/world/mideast/101121/mds1011212210005-n1.htm イラン大統領が早婚奨励 「女性は16歳がベスト」(産経新聞2010.11.21配信)]</ref>。
法的には[[欧州連合|EU]]の一部のように法規制が緩やかな国もあれば、[[イギリス]]・[[アメリカ合衆国]]や[[カナダ]]のように小児への性犯罪の態度([[ビル・クリントン|クリントン]]署名による[[法定強姦罪]]厳密適用令などで、かなりの州で18歳未満の児童との性交を強姦とみなすなど)をとる国まで、広がりがある。
 
ただし、禁忌の度合いと法規制は必ずしも直接的な関係にあるわけではない。これは、違法性において法益侵害と規範逸脱のいずれを重視するかが国により異なること、すなわち法体系の相違に起因する。例えば、日本では法益侵害を重視する学説が優勢であり、社会通念上重大な[[タブー]]である[[近親相姦|近親姦]]もこれ自体を犯罪として取り締まる法律はなく、[[近親婚]]を不許可とするのみである。それに対し[[コモン・ロー]]を法基盤とする英米では社会規範からの逸脱を重く見る傾向がある。
この1980年頃から[[1984年]]頃までは「ロリコン・ブーム」と呼ばれ、多くの写真集・雑誌・特集本などが出版された。少女愛をおおぴらにすることはそれまでタブーとされていたが、このロリコン・ブームによってそれが「解禁」された。吾妻や米澤嘉博は漫画ファンの間ではロリコンという言葉がたびたび用いられていたと証言している<ref name="out60">「月刊アウト」1982年3月号 p.60</ref>。劇画が主流となり可愛らしい少女[[キャラクター]]やラブコメにページが割かれることの少なかった時代にあって、ロリコンというテーマのもとでかつての正統的な少年漫画が「復権」した、と米澤はいう<ref name="out60"/><ref>劇画からアニメへとヒロイン像が移行していた時期であった 「おたくの本」別冊宝島(104)、1989年 p.106</ref>。その一方で、それまで半ばタブー視されていたロリコンという言葉(あるいは概念)が表舞台に登場し、「金バッジのように」堂々と自分がロリコンであると宣言する人間まで現れるようになった<ref name="out60"/>。ロリコンという概念が、今日でいう「萌え」に非常に近い、少女を精神的に愛しむ感覚のことを指していたのである<ref>米澤(2010年) p.279</ref>。例えば「アニメージュ」[[1982年]]4月号の付録は「ロリコン・トランプ」だった。ナボコフやキャロルといった文学を引き合いに出すことも可能なロリコンという言葉は、ある意味で「トレンディ」なものだったのである<ref>米澤(2010年) p.280</ref>。
 
=== 現代日本におけるロリコン扱い ===
また、米澤によればこの言葉が[[アニメ]]ファンの間で流行したのは、宮崎駿監督作品「[[ルパン三世 カリオストロの城]]」のヒロインであるクラリスの人気が非常に高まったことによるものであり<ref name="animege126">「アニメージュ」徳間書店1982年5月号 p.126</ref>、具体的には1980年に発行されたファンジン([[同人誌]])「クラリス・マガジン」がその発端であるという説もある<ref name="animege126"/>。
度重なる「ロリコン」による性犯罪日本国外での流れ受け汲み、日本ではにおいても[[1980年代]]頃から次第に規制へと世論が傾きはじめた。[[1984年]]、国会で少女誌『ギャルズライフ』を取り上げ、少女向け性情報へ警戒を強めた。[[1985年]]から初期のPCゲームの性表現が批判され、ロリコン漫画も折に触れて批判を向けられた。
 
度重なる「ロリコン」による性犯罪を受け、日本では[[1980年代]]頃から次第に規制へと世論が傾きはじめた。[[1984年]]、国会で少女誌『ギャルズライフ』を取り上げ、少女向け性情報へ警戒を強めた。[[1985年]]から初期のPCゲームの性表現が批判され、ロリコン漫画も折に触れて批判を向けられた。
 
直接の規制を被ったのは、まず一般紙のグラビアに載るほどメジャーになっていた写真分野([[少女ヌード写真集|少女ヌード]])であり、[[1985年]]には[[警視庁]]によって『[[ヘイ!バディー|ロリコンランド]]8』([[白夜書房]])が[[わいせつ物頒布等の罪|猥褻図画頒布]]の容疑で摘発され、同誌の発禁を契機とする無修正写真の禁止、[[1987年]]の『[[清岡純子|プチトマト]]42』[[発禁]]事件、[[児童福祉法]]の強化による摘発で弱体化していった。
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1985年頃から『[[週刊女性]]』など[[女性週刊誌]]、また一般誌ではロリコン表現に対して「少女がロリコンの欲望の餌食に」といったバッシング記事が載るようになっている。1980年代には「[[新人類]]」という言葉に象徴される世代間文化の断絶、自らの嗜好やファンタジーを突き詰めて「内閉的」とみえる文化を作り上げた特定の若者層への、一般社会からの漠然たる不安があった。
 
1989年以降、漫画・ゲームとも[[沙織事件]]のような実際の摘発事件も含めて、規制圧力と自主規制に公然と晒されるようになった。批判に対抗するため漫画表現を守るための団体も作られ、長く論議が続くことになる。写真分野は決定的な打撃を受け、1989年以降日本国内での生産が困難になり[[東南アジア]]や[[ロシア]]に撮影の場所を移したが、結局[[1999年]]の[[児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律|児童買春・児童ポルノ禁止法]]で壊滅、以降は性的な表現のない[[ジュニアアイドル]]産業に場を譲った。しかし、小学生に小さな[[Tバック]]の水着を着せてローアングルから撮影した「水着写真集」と名乗るDVDが販売されたりレンタルされていたが、[[児童ポルノ]]と認定され摘発された事件もあり、一部店舗からは撤去されたが、インターネットで流通が続いている。
=== 1990年代 ===
 
1990年以降、漫画・ゲームとも[[沙織事件]]のような実際の摘発事件も含めて、規制圧力と自主規制に公然と晒されるようになった。批判に対抗するため漫画表現を守るための団体も作られ、長く論議が続くことになる。
それが機ともなり、法的整備を要求する圧力が起こり、ロリコン表現に対する法的規制が整備されつつある。
 
また、宗教団体が表現規制推進に関して積極的な活動を展開しており、表現規制が更に強化される方向になる危険性がある。
写真分野は決定的な打撃を受け、1989年以降日本国内での生産が困難になり[[東南アジア]]や[[ロシア]]に撮影の場所を移したが、結局[[1999年]]の[[児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律|児童買春・児童ポルノ禁止法]]で壊滅、以降は性的な表現のない[[ジュニアアイドル]]産業に場を譲った。しかし、小学生に小さな[[Tバック]]の水着を着せてローアングルから撮影した「水着写真集」と名乗るDVDが販売されたりレンタルされていたが、[[児童ポルノ]]と認定され摘発された事件もあり、一部店舗からは撤去されたが、インターネットで流通が続いている。
 
一方、そういった社会的認識と動きに対して、メディアによる否定的な放送は偏見であるという指摘が各所よりなされた。また統計的観点から、ロリコン表現が出現する以前の方が性犯罪被害児童の数はずっと多かった事を理由に、表現への過度の規制が批判されている<ref>[http://kangaeru.s59.xrea.com/G-youjyoRape.htm 幼女レイプ被害者数統計]</ref><ref>警察庁「犯罪統計書」によれば、戦前のピーク時と比べて1990年前後には10分の1以下へと激減傾向であったが、表現の法的規制の強まりに合わせて2005年まで微増傾向に転換していた。</ref>。
 
=== 日本の法制度 ===
== ロリコン漫画雑誌 ==
都道府県によって[[淫行条例|青少年保護条例(淫行条例)]]が定められ、18歳未満の青少年との淫行が禁じられている場合が多い。
日本で最初のロリコン漫画雑誌は[[1981年]][[12月]]創刊の「[[レモンピープル]]」([[あまとりあ社]])だとされている<ref>米澤(2010年) p.261</ref>。当時の主力作家はやはり内山亜紀と吾妻ひでおであった。米澤が注目するのは同誌の1982年8月号である。この号では、読者による誌上討論という形で「ロリコンにエロは必要か」というテーマの是非が争われていたのだ。ただし、ここでの「エロ」とはそれまで主流であった劇画調のエロティシズム描写のことである<ref>米澤(2010年) p.275</ref>。大塚英志はロリコン漫画とエロ劇画との最大の違いを「犯す主体」の喪失だとしている<ref>大塚(2004年) pp.92-94</ref>。
同法は双方の親公認で結婚を前提に付き合っていた女子高生と成人男性が取り締まられそうになるなどの問題も起こしており、同法そのものが憲法違反であり、自由恋愛を阻害するもので廃止すべきだとも見方もある{{要出典|date=2013年6月}}。
 
同法について、福岡県青少年保護育成条例違反被告事件<ref>[http://houmu.h-chosonkai.gr.jp/hanrei/jirei233.htm 福岡県青少年保護育成条例違反被告事件(福岡県)]</ref>において、谷口正孝判事(当時)が「青少年の中でもたとえば16歳以上である年長者(民法で女子は16歳以上で婚姻が認められている)について両者の自由意思に基づく性的行為の一切を罰則を以て禁止することは、公権力を以てこれらの者の性的自由に対し不当な干渉を加えるものであって、とうてい適正な規定とはいえない」としている。
『レモンピープル』とともにそのようなロリコン誌として知られた『[[漫画ブリッコ]]』([[白夜書房]])が1983年、それまで毎号掲載してきた少女ヌードの写真グラビアを読者からの不評によって廃止した。さらにはリアルな写実劇画からも決別して、より記号的な漫画をメインとする創作誌となっている。
 
また17歳の女子高生と性的関係を持った事で愛知県青少年保護育成条例(淫行の禁止)違反の罪に問われていた会社員男性(32)に対して2007年5月23日に名古屋簡裁にて下された判決では、山本正名裁判長は「一定期間に映画を見に行くなどのデートを重ねたこと、女子高生も男性に対して好意を抱いており、合意や心的交流があったうえでのセックスだったことなどから、「淫行」に相当するというには相当な疑問が残る」と述べ、「結婚を前提にしないというだけでは刑事罰との対象とはならない」「『社会通念』を基準にして判断すべき」として無罪判決を言い渡している<ref>[http://news.livedoor.com/article/detail/3174582/ 女子高生とのセックス 「愛」あれば不倫でも「無罪」(J-CASTニュース2007年05月24日20時17分配信)]</ref>。
漫画やアニメの幼女・少女キャラクターを自由に物語化して表現することも同人誌活動の間で普及していく。こうした現象は評論家の注目を集めるようになる。1983年、[[中森明夫]]は後に有名になる『おたくの研究』(『漫画ブリッコ』掲載)において、これらの趣味をロリコンと評しそのなかでも生身の[[アイドル]]少女に執着するものと、漫画やアニメの創作キャラクターなどに執着するグループに分けている。しかし中森の研究論に対し読者からは[[おたく差別]]的だとして批判された。後に編集長[[大塚英志]]によって連載を打ち切られる事となった。
 
== 脚注 ==
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=== 文化 ===
* [[スタジオジブリ]]
* [[フレンチロリータ]]
* [[ロリータビデオ]]
* [[アダルトアニメ]]
* [[お色気漫画]]
* [[萌え絵]]
* [[萌えアニメ]]
* [[美少女ゲーム]]
* [[ギャルゲー]]
* [[イメージビデオ]]
* [[グラビアアイドル]]
* [[少女ヌード写真集]]
 
=== 少女ヌード専門誌 ===