「ナタ・デ・ココ」の版間の差分

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スペイン語で「ナタ」とは「(液体表面上の)皮膜」の意味であり、「ナタ・デ・ココ」は「ココナッツの上澄み皮膜」を意味する<ref>『[[現代用語の基礎知識]] 1994』 [[自由国民社]]編、1,370頁</ref>。
 
ココナッツの実の内部に含まれるココナッツ水と呼ばれる液体に、[[酢酸菌]]の一種である[[アセトバクター属|アセトバクター]]・キシリナム(ナタ菌)を加えて発酵させると、表面から[[相転移#第一種相転移|凝固]]してゆくので、一定の厚みになったところで[[切る|さいの目に切り]]食用に供する。このゲル状物質は、ほとんど菌の[[合成]]する[[セルロース]]から成る<ref name="dole">[http://www.dole.co.jp/column/search/b_html/b097.html コラム 第97回 ナタデココの秘密] - [[ドール・フード・カンパニー]]、2004年4月13日(2012年4月25日閲覧){{deadlink|date=2019年10月}}</ref>。[[寒天]]に近い外観ながら、独特の歯ごたえがある食感をもち、カロリーが低く、[[食物繊維]]が多いので[[ダイエット]]食や[[特定保健用食品]]<ref>[http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/hokenkinou/hyouziseido.html 厚生労働省:保健機能食品・健康食品関連情報](2012年4月25日閲覧){{deadlink|date=2019年10月}}</ref>としても利用されている<ref name="gendai1994">『現代用語の基礎知識 1994』 1,056頁</ref><ref name="yomiuri1994">『[[読売年鑑]] 1994』 [[読売新聞東京本社|読売新聞社]]編、257頁。</ref>。
 
== 日本での流行 ==
[[日本]]においては、1970年代後半に[[日本デルモンテ|デルモンテ]]社がフルーツ缶に入れたのが最初とされる<ref name="gendai1994"/>。その後、食品会社の[[フジッコ]]が[[デザート]]として[[商品]]化したが、当初はまだナタ・デ・ココが一般的になっておらず停滞気味の商品だった<ref>[http://www.tbs.co.jp/gacchiri/archives/20080622/3.html TBS「がっちりマンデー!!」:2008.6.22 ONAIR フジッコ] - [[フジッコ]](2016年2月10日閲覧){{deadlink|date=2019年10月}}</ref><ref>[https://www.opi-net.com/opiken/201306_01.asp オピ研:vol.145:フジッコ株式会社(1)~デザート事業への歩み~ 2013.06.14](2016(20192月10月16日閲覧)</ref>。[[1992年]]7月に大手[[ファミリーレストラン]][[チェーンストア|チェーン]]の[[デニーズ (日本)|デニーズ]]がメニューに加える等を経て、[[1993年]]春以降にマスコミで大きく取り上げられたことにより大[[流行]]した<ref name="yomiuri1994"/>。[[缶詰]]や[[瓶詰]]として単独で売られるようになった他、今では各種食品、[[飲料]]と組み合わせて、デザートや[[菓子]]として売られている。
 
== 食用以外での利用 ==
以前からナタ・デ・ココと同じものである産膜性の酢酸菌の生産するセルロース・ゲルは、均質なセルロース・[[コロイド]]のゲルであることから、[[スピーカー]]の[[振動板|コーン紙]]としてなど[[ハイテク]][[素材]]としての用途が模索されてきた<ref>[http://www.sekisui.co.jp/csr/contribution/bio_mimetics/1174638_1621.html 酢酸菌に学ぶ材料設計] - [[積水化学工業]](2012年4月25日閲覧){{deadlink|date=2019年10月}}</ref>。
 
近年ではナタ・デ・ココの[[成分]]の99%が[[水]]分、残りの1%がセルロースナノ繊維であることに着目し、水分を飛ばして乾燥したナタ・デ・ココの繊維質に[[合成樹脂]]を浸透させ、[[有機エレクトロルミネッセンス|有機EL]][[ディスプレイ (コンピュータ)|ディスプレイ]]の透明基板として使う研究が注目されている。既存の[[ガラス]]製パネルでは不可能だった、石英ガラス並みの低熱膨張性かつフレキシブルな折り曲げ可能な薄型ディスプレイが再生産可能な植物材料から製造でき、さらにガラス製パネルよりも安価に製造可能な事から、薄型ディスプレイの[[費用|コスト]]削減に繋がる可能性がある<ref>[http://www.asahi.com/tech/asahinews/TKY200502200157.html ナタデココ、次世代の薄型ディスプレー基板に活用] - [[朝日新聞社]]、2005年2月20日(2012(20194102516日閲覧)</ref><ref>[http://www.kyoto-u.ac.jp/notice/05_news/documents/050125_3.htm 京都大学 ニュースリリース 2005年1月25日 低熱膨張透明基板について] - [[京都大学]](2012(20194102516日閲覧)</ref>。
 
== 出典 ==