「中華人民共和国の鉄道」の版間の差分

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以後、中国の鉄道の多くは[[日清戦争]]後更に進出・分割を強めた[[列強]]の手によって敷設された。[[1899年]](光緒25年)に起こった[[義和団の乱]]では攻撃対象にされ、[[1911年]]([[宣統]]3年)には民間資本で作られていた[[粤漢鉄道]]([[広州市|広州]] - [[武漢|武昌]])・[[川漢鉄道]]([[武漢|漢口]] - [[成都]])を国有化して列強の抵当に入れることに反対した[[四川省]]の資本家・民衆運動がきっかけで[[辛亥革命]]が起こるなど、時代に翻弄される格好となった。
 
また[[日露戦争]]の結果、[[満州]]南部地方(現[[東北地区]]の[[遼寧省]])の鉄道利権は[[ロシア]]資本の[[東清鉄道]]から日本資本の[[南満州鉄道]](満鉄)に移っており、その利権を保護するために日本は[[1931年]]に[[満州事変]]を起こした。満鉄では[[あじあ号]]など保守的な[[内地|日本内地]]の[[鉄道省]]とは一線を画した先進的な試みを早くから行った。続く[[1937年]] - [[1945年]]の[[日中戦争]]では、日本軍が占領した華北地域の鉄道は満鉄系列の[[華北交通]]、華中地域の鉄道は日本と同盟関係にあった[[中華民国]][[汪兆銘政権]]の国策会社[[華中鉄道]]によって運営され、日本と同盟関係にあった[[ドイツ]]まで[[中央アジア]]経由で結ぶ[[大東亜縦貫鉄道]]も計画された。
 
日中戦争後、[[国共内戦]]によって[[1949年]]に[[中華人民共和国]]が成立すると、鉄道は国の重要な産業とみなされるようになり、原則として国有鉄道の運営とされるようになった。そして国の成立当時総延長21,810kmに過ぎなかった鉄道は、国家指導下で急速に建設が進められ、[[文化大革命]]後の[[1978年]]には43,000km超に、[[1985年]]には52,000km超、そして[[2009年]]には86,000km超の路線を有するまでになり、[[インド]]の62,000kmを抜いて[[アジア]]最大、世界でもアメリカについで第2位の路線網を誇っている。現在も、各地で新線の建設が進められており、[[2006年]]10月に[[中華人民共和国鉄道部|鉄道部]]が発表した計画では、第11次五か年計画後の[[2010年]]には、総延長を90,000km超にすることを目標にしている。
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また、[[鉄道の電化|電化]]区間は中華人民共和国成立当時はゼロであり、[[複線]]区間も866kmであったが、2010年末現在ではそれぞれ42,000km超・37,000km超となり、電化区間距離についてもロシアに次ぎ世界第2位となっている。[[2010年]]末に電化率と複線化率はそれぞれ46%と41%になった。
 
2008年の[[世界金融危機]]の際の中国政府による4兆元の[[公共投資]]策({{仮リンク|内需拡大十項措置|en|Chinese economic stimulus program}})の一環で[[2010年代]]に入ると、都市間[[高速鉄道]]が[[北京市|北京]] - [[天津市|天津]]・[[武漢市|武漢]] - [[広州市|広州]]・[[鄭州市|鄭州]] - [[西安市|西安]]などの区間に導入済みとなり、[[2018年]]には世界の高速鉄道の距離の3分の2も占める世界最長の高速鉄道網を有するまでになった<ref>{{Cite web |date=2019-01-15 |url=https://newsphere.jp/economy/20190215-2/2/ |title=中国の高速鉄道、効率無視で負債86兆円 それでも建設は続く |publisher=newsphere |accessdate=2019-11-05}}</ref>。また、貨物鉄道輸送では中国政府が国策に掲げた[[一帯一路]]構想に後押しされ、中国大陸と[[ヨーロッパ]]を[[シベリア]]、[[モンゴル]]、中央アジア経由で結ぶ[[中欧班列]]({{仮リンク|渝新欧鉄道|en|Chongqing-Xinjiang-Europe Railway}}、{{仮リンク|義烏・ロンドン路線|en|Yiwu-London railway line}}、{{仮リンク|義烏・マドリード路線|en|Yiwu–Madrid railway line}})の運行本数は2013年の80本から2018年には1万本を超えるまでになった<ref>{{Cite news|url=http://japanese.china.org.cn/business/txt/2018-10/31/content_69278808.htm|publisher=[[中国網]]|author=|title=中欧班列、運行本数が累計1万1000本に |date=2018-10-31|accessdate=2019-11-05}}</ref><ref name=reuters2018>{{Cite news|url=https://jp.reuters.com/article/china-europe-silkroad-idJPKBN1JO0IP|publisher=[[ロイター]]|author=|title=焦点:押し寄せる中国鉄道貨物、「一帯一路」で欧州大渋滞 |date=2018-07-01|accessdate=2019-11-05}}</ref>。
2010年3月現在、都市間[[高速鉄道]]が[[北京市|北京]] - [[天津市|天津]]・[[武漢市|武漢]] - [[広州市|広州]]・[[鄭州市|鄭州]] - [[西安市|西安]]などの区間に導入済みであり、最高速度350km/h・250&nbsp;km/hの路線はそれぞれ3,676&nbsp;km・2,876kmとなり、高速鉄道の総延長は世界一になった。
 
=== 現状 ===
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=== 車両 ===
中国の鉄道車両は、[[1980年代]]までは、主要幹線でも[[蒸気機関車]]が大々的に使用されていたが、中国初の国産[[ディーゼル機関車]]である'''巨龍型'''<ref>大連機車車輛工廠廠志編纂委員會. 《鐵道部大連機車車輛工廠志》. 大連出版社. 1993. ISBN 7-80555-963-5.</ref><ref>『“巨龙”内燃机车出世』[[人民日報]]. 1958-10-03.</ref> に始まって[[ディーゼル機関車]]の量産化も進み、[[1990年代]]に入り、[[電気機関車]]の大量導入も行われ、21世紀始めには、主要幹線においては蒸気機関車は過去のものとなった。広大な中国の鉄道は長距離列車、非電化区間が多く[[地下鉄]]を除く大都市の[[普通列車]]でさえもほとんどが[[客車]]であり、広大な国でも[[鉄道の電化|電化]]率が高く[[動力分散方式|動力分散型]]が多いロシアの鉄道とは対照的であった。しかし一部の幹線は[[電車]]と[[気動車]]を用いて、2007年4月第6回鉄道高速化後、高速動力分散型電車を使うことを始めている。
 
車両は自国生産のものも多いが、[[機関車]]は日本・アメリカ・ヨーロッパなど[[西側諸国]]からの輸入も少なくない。モンゴル、ロシア、カザフスタンへ行く[[国際列車]]には[[ドイツ民主共和国|東ドイツ]]DWAに発注した{{仮リンク|中国国鉄18系客車|zh|中国铁路18型客车|label=18系客車}}及び{{仮リンク|中国国鉄19系客車|zh|中国铁路19型客车|label=19系客車}}が使用されている。これらの客車は、他国の車両と[[直通運転]]の際に連結されるため、モンゴルや[[ソビエト連邦|旧ソ連]]構成国、[[東ヨーロッパ]]など[[東側諸国]]の車両と類似または同じデザインの車両が使用されている。モンゴル、アルバニア、[[朝鮮民主主義人民共和国|北朝鮮]]のような東側諸国や[[アジア]](インド<ref>[http://www.csrgc.com.cn/g3236/s7529/t88184.aspx 南京浦鎮車輛 - ムンバイ地下鉄1号線列車] 2018年8月2日閲覧</ref>、タイ、シンガポール、マレーシア、イラク、イラン、サウジアラビア、イスラエルなど)・[[アフリカ]](エチオピア、ナイジェリア、ケニア、スーダンなど)・[[ラテンアメリカ]](ブラジル、アルゼンチンなど)といった[[第三世界]]諸国だけでなく、アメリカやオーストラリアなど西側諸国にも鉄道車両を輸出している。
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*[[中華人民共和国の高速鉄道]]
*[[青蔵鉄道]]
*[[中欧班列]]
*[[シベリア鉄道]]
**[[中露国際列車]]