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m (浅丘めぐみ→麻丘めぐみ) |
m (英数字の半角表記統一と、「チャネル」表記を「チャンネル」表記に統一。) |
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: 4チャンネルある入力信号をそれぞれ個別に記録して、それぞれ個別に再生する方式である。磁気テープ4トラックを用いて4チャンネル録音する方式は、従来技術の延長上にあり、少数の音楽ソフトが制作されていた。しかし、レコードでの完全分離方式4チャンネルステレオは、後述するCD-4の登場を待つことになる。
; マトリックス方式4チャンネルステレオ
: 4チャンネルある入力信号を混合して録音し、再生時に混合されて記録された信号から各チャンネルを分離して再生する「4チャンネル録音(もしくはマルチチャンネル録音)- 2チャンネル伝送 - 4チャンネル再生」方式である。RM(レギュラー・マトリックス)方式のほか、CBSによる[[#SQ|SQ]]方式と[[1969年]]{{仮リンク|ピーター・シャイバー|en|Peter Scheiber|label=シャイバー}} ({{Lang|en|Peter Scheiber<ref>{{US patent reference | number = 3632886 | y = 1972 | m = 1 | d = 4 | inventor = Scheiber; Peter (Peekskill, NY) | title = QUADRASONIC SOUND SYSTEM |ref=harv}}</ref>}}) によって発表されたシャイバー方式を技術基盤に持つ各種方式([[日本ビクター|ビクター]]SFCS方式、[[サンスイ]][[#QS|QS]]方式、[[パイオニア]]方式、[[ケンウッド|トリオ]](現・JVCケンウッド)方式、[[三洋電機|三洋]]方式、[[日本コロムビア|コロムビア]]([[デノン|DENON]]、現・[[ディーアンドエムホールディングス]])方式、[[東芝]]方式、[[シャープ]]方式、[[オンキヨー]]方式、[[パナソニック|松下]]方式、エレボイ方式、など)がある。
; 擬似4チャンネル
: 「2チャンネル録音 - 2チャンネル伝送 - 4チャンネル再生」の4チャンネルステレオ方式で、2チャンネル・ステレオフォニックの録音信号で後背部音声信号も収録されていると見なし擬似的に4チャンネル再生する方式で、スピーカ・マトリックス方式4チャンネルステレオなども広義でこの分類に含む。
=== ディスクリート方式4チャンネルステレオ ===
通常のベースバンド(15kHz以下)の音声信号「左チャンネル(左前チャンネル+左後ろチャンネル)、右チャンネル(右前チャンネル+右後ろチャンネル)」に加えて、30kHzをキャリア周波数として(有効占有帯域は20kHzから45KHz程度)[[周波数変調|FM変調]]したリアチャンネルの合成差信号「左側合成差信号(左前チャンネル - 左後ろチャンネル)、右側合成差信号(右前チャンネル - 右後ろチャンネル)」を重畳させて、4ch分の音声を記録する<ref>{{cite book | 和書 | author = 井上敏也・監修、藤本正熙・柴田憲男・村岡輝雄・武藤幸一・佐田無修 | title = レコードとレコード・プレーヤー | pages = 109 | chapter = 3・4、4チャネル・レコードの録音・再生 | publisher = ラジオ技術社 | year = 1979}}</ref>(つまりベースバンドにおいては通常のステレオレコードと変わりない記録方式になっており、+2チャネルの記録は[[周波数変調#FMステレオ方式|FMステレオ放送の方式]]と原理的には同じである)。
従来のステレオセットで再生すると、全ての音源が
CD-4の音楽ソフトには[[可聴域]]とされている20kHzよりも高い周波数帯域の、前後の差信号が記録されているため、CD-4デコーダを用いてCD-4の音楽ソフトを忠実に再生するには、レコード針およびカートリッジには([[周波数特性]]が50KHzまで再生できる)専用の物<ref>考案者の'''柴田憲男'''の名から'''シバタ針'''とよばれる。[[レコードプレーヤー#カートリッジ]]を参照。</ref>が必要であるほか、高い周波数帯域を減衰させない低容量シールドケーブルを用いたフォノコード(アームコード)が必要である。
一般的なステレオ再生装置において20[[キロヘルツ|KHz]]以上の再生が困難であった当時の性能からして、2チャンネルレコード再生装置との互換性を考慮した規格といえる。しかし1970年代後半より後にみられる高性能な再生装置において、逆を言えばCD-4には対応しないステレオ若しくはモノフォニックの再生装置を用いてCD-4の音楽ソフトを再生させる場合には、リアチャンネルの合成差信号が記録されている15kHz以上の周波数帯域(20kHzから50kHz)を除去する必要がある。
CD-4対応のシステムでステレオ若しくはモノフォニックのソフトを再生する場合は、ソフトに高音成分が4chの信号と判断される可能性があるが、
<!--(誤解または語弊のある文章に就きコメントアウトします。)通常のプレーヤーで対応ソフトを再生した場合、リアチャンネルの音声情報を物理的に破壊してしまう危険があった。-->
==== SQ ====
[[1971年]]に[[CBS]]が開発した(*1)「4チャンネル録音 - 2チャンネル伝送 - 4チャンネル再生」のマトリクス4チャンネル方式である。主に位置情報を位相で表す方式である。
ディスクリート方式と違いチャンネル間の分離に乏しい反面、ソフトを通常のステレオレコードプレイヤーで再生しても問題がないため比較的ソフトが充実していた。
このフォーマットを採用したレコード会社は、[[CTI]]、[[コロムビア・レコード|コロムビア]]、[[EMI]]、[[エピック・レコード|エピック]]、オイロディスク、[[ハーヴェスト・レコード|ハーベスト]]、HMV、セラフィム、スプラフォンとヴァンガードであった(各レコード会社はオリジナルの親会社)。
==== QS ====
[[File:Sansui QS-1 Synthesizer.jpg|thumb|サンスイ QS-1 4チャンネル・シンセサイザー・デコーダー。(1970年)<br />日本において最初のマトリックス方式4チャンネルステレオ再生装置。]]
[[1970年]]に[[山水電気]]が開発した「4チャンネル録音 - 2チャンネル伝送 - 4チャンネル再生」のマトリクス4チャンネル方式である。
日本において最初のマトリックス方式4チャンネルステレオとなる技術である<ref>
国立[[科学技術館]]の産業技術史資料データベース:外部リンク[http://sts.kahaku.go.jp/sts/detail.php?no=104810691006&c=&y1=&y2=&id=&pref=&city=&org=&word=QS-1&p=2 『マトリックス方式4チャンネルデコーダー QS-1』、資料番号104810691006]を参照。</ref>。
==== スピーカ・マトリックス ====
「2チャンネル録音 - 2チャンネル伝送 - 4チャンネル再生」の4チャンネルステレオで、通常のステレオフォニック再生装置の出力から、単純なスピーカー結線で4チャンネル再生をする方式。
理論的には、左チャンネルと右チャンネルの位相差より、後ろ側左チャンネルを左チャンネルから右チャンネルの差 (L-R)、右後ろ側チャンネルを右チャンネルから左チャンネルの差 (R-L) となるように結線することで立体的な音響効果を得ようとする擬似的4チャンネルステレオである。
代表的な結線の方法は、
# 左後ろ側スピーカのプラス極をアンプ左チャンネルのプラス極に接続する。
== 4チャンネルステレオが残した遺産 ==
4チャンネルステレオセットは、従来の
CD-4のレコードプレスのために
後にドルビー
== 脚注 ==
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