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厳しいながらも1990年代末からプラス[[経済成長率|成長]]を維持してきたキューバ経済は2016年、それまで最大の貿易相手国であったベネズエラの政治・経済混乱で、23年ぶりのマイナス成長となった。[[国際連合]]ラテンアメリカ・カリブ経済委員会の推計・予測では、2017年は0.5%のプラス成長に戻し、2018年も1%の経済成長率が見込まれている。アメリカの[[ドナルド・トランプ|トランプ政権]]が再びキューバに対して厳しい姿勢を示しているものの、ヨーロッパ諸国からの進出企業や観光客が増えているほか、中国との貿易が拡大しているためである。外国からの渡航者は2016年に前年比14%増え、初めて400万人台(うち米国からは28万人)に乗せた<ref>キューバ/対米関係再び悪化でもしぶとく成長/欧中の投資・観光底堅く『日経産業新聞』2018年1月19日(グローバル面)</ref>。外国人観光客の来訪には空路のほか、ハバナ港に寄港する[[クルーズ客船]]も利用されている。
 
アメリカ政府の発表によればキューバ国民1たりの月収は15ドルほどである<ref>[http://bizmakoto.jp/makoto/articles/0706/05/news005.html サンゼルスMBA留学日記・番外編:「今すぐ海外に行きたい」――平均月収15ドル以下。社会主義国キューバの厳しい現実]</ref>。
 
===通貨===
通貨は、国民用と外国人用の2種類って、る。国民用は、ペソ・クバーノ、外国人用は、兌換ペソと呼ばれる。兌換ペソはCUCと呼ばれており、25ペソ・クバーノに対して1CUCとなる。
 
==交通==
キューバでは、[[鉄道]]が[[砂糖]]輸送の重要な[[交通]]手段として使われているほか、国土の中央を東西に貫通する[[高速道路]]が建設されている。また、[[ハバナ]]から[[フラッグ・キャリア]]の[[クバーナ航空]]が[[メキシコ]]、[[スペイン]]、[[ロシア]]などへとつながる定期国際[[航空路]]を運航しているほか、諸外国の多くの航空会社も乗り入れている。
 
==国民==
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[[画像:Cuban school children.jpg|right|thumb|260px|キューバの小学生]]
[[画像:Università de La Habana.jpg|thumb|260px|[[ハバナ大学]]]]
キューバは16世紀中にスペイン人の苛政によって[[インディオ]]が絶滅したため、現在は[[白人系キューバ人|白人系市民]]と[[アフリカ系キューバ人|黒人系市民]]、及および少数のアジア系移民で成り立っている。住民の[[人種]]構成は、[[ムラート]]が37%、[[ヨーロッパ|欧州]]系[[白人]]が51%(おもに[[スペイン]]系)、[[黒人]]が11%、[[中国]]系が1%であると推定され、他にも[[メスティーソ]]、[[レバノン]]人がおり、中国人やレバノン人、[[東インド諸島]]の植民者の[[コミュニティ]]がある。キューバ政府は、「人種別の統計は、[[人種差別]]につながる」ことを理由に、人種別の統計を取っていない。ただし、推計値では徐々に混血が増加する趨勢となっている。
 
キューバの白人は19世紀から20世紀の間に移民としてやってた[[スペイン人]]のほかに、[[フランス人]]、[[アイルランド人]]、[[ドイツ人]]([[ドイツ系キューバ人]])、[[イタリア人民党 (1919-1926)|イタリア人]]、[[ポーランド人]]などを根に持つ。また、アジア系の市民として[[中国系キューバ人]]や戦前移民した[[日系キューバ人]]も少数存在する。1903年から1933年までの間に72万人の[[スペイン人]]、19万人の[[ハイチ]]人、12万人の[[ジャマイカ]]人、その他少数の[[中国人]]、アメリカ合衆国人移民があった<ref>福井英一郎編『世界地理15 ラテンアメリカII』朝倉書店、1978年。</ref>。
 
1959年の[[キューバ革命]]によって成立した現政府の政策により、[[ラテンアメリカ]]地域特有の、スペイン[[植民地]]時代から続いてきた人種に基く伝統的[[階級社会]]は破壊され、多くの白人支配層や中産階級がアメリカの[[フロリダ州]]や[[西ヨーロッパ]]に亡命した。
 
===言語===
[[公用語]]は[[スペイン語]]([[キューバ・スペイン語]])である。だがしかし、[[観光業]]に力を入れていること、アメリカ本土に近いこと、そして公教育の普及率が高いことなどから、[[ホテル]][[レストラン]]、及び都市部などでは[[英語]]が通じることもある。
 
===宗教===
{{Main|キューバの宗教|[[:en:Religion in Cuba]]}}
[[宗教]]の信仰は原則として自由であるが、今では[[無宗教|無信教者]]が人口の55%にまで達している。キューバでもっとも重要な宗教は[[カトリック教会|カトリック]]であり、[[キューバ革命]]以前は人口の70%以上が教徒であった(1957年)。しかし、フィデル・カストロ政権下で信者数は約40%まで減少し、政府から反革命活動をしていないとなされる必要があるなど、現在でも教会の布教活動には政府による制約がなされている。
 
その他の宗教には、[[プロテスタント]]、[[エホバの証人]]、[[ユダヤ教]]、[[キューバのイスラム教|イスラム教]]、そして民族固有の宗教である[[サンテリア]]などがあげられる。東部では[[ハイチ]]からの移民によって[[ヴードゥー教]]も信仰されている。
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===教育===
{{Main|キューバの教育|[[:en:Education in Cuba]]}}
キューバ革命後、政府は教育・社会福祉部門に対する投資率を高め、関連予算額が国家予算の16%を占めるようになった。その結果、教育の無料化と[[非識字]]率の大幅な低下といった成果をげた。
 
キューバでは、[[フィデル・カストロ]]の「アメリカに半[[植民地]]にされたのは[[アメリカ合衆国|アメリカ]]の[[プロパガンダ]]を国民が見抜けなかったから」という考えから、教育に国を挙げて力をいれている。[[初等教育]]は[[義務教育]]となっており、小学校では20人学級や[[サブティーチャー]]制を導入している。2002年のセンサスによれば、15歳以上の国民の[[識字率]]は全体で99.8%であり<ref>https://www.cia.gov/library/publications/the-world-factbook/geos/cu.html</ref>、これは[[アルゼンチン]]、[[ウルグアイ]]、[[チリ]]と並んでラテンアメリカ内では最高水準である。また、国民の大半は[[高等学校]]を卒業している。
 
おもな高等教育機関としては[[ハバナ大学]](1728年創立)などが挙げられる。[[高等教育]]は、19万12621,262人(2001-2002年度)の学生が受けている。
 
また、キューバの学校教育においては[[スポーツ]]にも力を入れており、特に[[野球]]は小学校から大学までの必修科目として取り入れられており、キューバではもっともポピュラーなスポーツとなっている。
 
===医療===
{{Main|キューバの保健|[[:en:Healthcare in Cuba]]}}
キューバの医療制度は[[プライマリヘルスケア|プライマリ・ケア]]を重視した医療制度を採用し、独特の社会福祉政策と同様「キューバ・モデル」として有名である。世界保健機関が発行するWorld Health Statistics 2014年度版によると、医療費の公費負担率は2000年度は90.8%、2011年度は94.7%である<ref>[https://apps.who.int/iris/handle/10665/112738 WHO World health Statistics 2014>7.Health Expenditure(142Page)]</ref>。人口10,0001万人中の[[医師]]数が67.2人と世界でもっとも多いグループに属する<ref>[https://apps.who.int/iris/handle/10665/112738 WHO>World Health Statistics 2014>Part3 Global health indicators>6. Health systems]</ref>。ファミリードクター制を採用し、各地区に配置された医師が地域住民の健康状態の把握を行っている。家庭医は往診が基本である。被災地への医師の海外[[派遣]]も積極的に行っている。これらは、[[マイケル・ムーア]]監督の映画『[[シッコ]]』で紹介された。キューバの所得水準は世界銀行の定義ではUpper Middle Income Countryに分類され、世界保健機関の年次報告書であるWorld health Statistics 2014年度版によると、世界保健機関が指標として定める妊産婦死亡率、新生児死亡率、乳児死亡率、乳幼児死亡率、成人死亡率は、Upper Middle Income Countriesの平均値よりは低いが、High Income Countriesの平均値よりは高く、平均寿命、平均健康寿命はUpper Middle Income Countriesの平均値よりは高いが、High Income Countriesの平均値よりは低い<ref>[https://apps.who.int/iris/handle/10665/112738 WHO>World Health Statistics 2014>Part3 Global health indicators>1. Life expectancy and mortality , 2. Cause-specific mortality and morbidity]</ref>。
 
[[ディエゴ・マラドーナ]]、[[モハメド・アリ]]が治療しにきた。
 
===生活===
キューバ国民は全員が配給手帳を所持していており、毎日配給を受ける。ただし配給とっても無料ではなく、国家による生活物資の超低価格販売である。配給所は街の随所にある。キューバ国民が海外に出国する方法は大きくわけて四種類あり、(1)外国人からの推薦の発行、(2)外国人との結婚、(3)海外に住む家族による招待状の発行、(4)国家による(留学目的などでの)海外派遣である。なお、(2)以降は取得が困難であるため、キューバ人の多くは外国人観光客らと親しくなり、招待状を入手しようとしている。
キューバ国民が海外に出国する方法は大きくわけて四種類あり、(1)外国人からの推薦の発行、(2)外国人との結婚、(3)海外に住む家族による招待状の発行、(4)国家による(留学目的などでの)海外派遣である。尚、(2)以降は取得が困難である為、キューバ人の多くは外国人観光客らと親しくなり、招待状を入手しようとしている。
 
===治安===
社会主義国で貧富の差が小さいこともあって、治安は良好とされている。
 
==文化==
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19世紀においては前期に[[ホセ・マリア・エレディア]]が活躍し、[[ロマン主義]]の文学運動において[[ヘルトゥルディス・ゴメス・デ・アベジャネーダ]]と[[シリロ・ビリャベルデ]]が活躍した。19世紀後半に汎[[イスパノアメリカ]]的な規模での文学運動となる[[モデルニスモ文学]]が隆盛を迎えると、キューバからは独立運動家であり、詩人でもあった[[ホセ・マルティ]]によって『イスマエーリョ』などのモデルニスモ的な詩や、『我らのアメリカ』(1891年)などの重要な評論も発表された。
 
20世紀に入ると、ムラートの詩人[[ニコラス・ギジェン]]によって1930年代にソンの形式を取り入れた詩が作られ、アフロ・キューバ文学が確立された。その後[[アレホ・カルペンティエル]]によって[[ハイチ革命]]を描いた『この世の王国』(1949年)などが発表された。
 
革命後は、1971年の[[パディーリャ事件]]のような革命政権による文学者への弾圧のため、カルペンティエルを例外として多くの作家がキューバを去り、亡命先で執筆を続けた。著名なキューバ人作家としては革命後に亡命し、反フィデル・カストロ運動と『三頭の悲しき虎たち』で知られる[[ギリェルモ・カブレラ=インファンテ]]や、[[ホセ・レサマ・リマ]]、[[レイナルド・アレナス]]、[[ビリヒリオ・ピニェーラ]]、[[セネル・パス]]などが挙げられる。特にアレナスは亡命先の[[ニューヨーク]]で[[魔術的リアリズム]]の傑作として知られる『めくるめく世界』などを残している。
 
また外国出身者でありながらキューバの文学運動に多大な影響を与えた人物として、キューバをこよなく愛したアメリカ合衆国の[[アーネスト・ヘミングウェイ]]が挙げられる。そのほかにも、[[アルゼンチン]]出身でキューバ革命の指導者の1人であり、紀行文の『[[モーターサイクル・ダイアリーズ]]』や革命中のゲリラ戦の経験をまとめた『[[ゲリラ戦争]]』(1961年)、『[[ゲバラ日記]]』で知られ、閣僚を務めたこともある[[エルネスト・チェ・ゲバラ]]は文学においても名高い。
 
===音楽===
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キューバ音楽は、スペイン系とアフリカ系の音楽が融合して生まれたものをベースに、いろいろな要素が混じり合って生まれており、[[ラテン音楽]]の中枢的な存在となる。アメリカ合衆国の[[ジャズ]]などとともに[[20世紀]]の[[大衆音楽]]に大きな影響を与えた。
 
代表的なキューバ音楽は、[[クラシック・ギター|スペインのギター]]と[[アフリカ]]の[[太鼓]]を組み合わせた[[ヨルバ]]系文化の影響が強い[[ルンバ]]や[[ソン]]がある。そのほか、大衆音楽の中には、[[トローバ]]や[[ダンソン]]のようにヨーロッパ音楽の要素が比較的強く残っているものもある。
 
19世紀にフランスの[[ジョルジュ・ビゼー]]が[[ハバネラ]]のリズムを取り入れたときからキューバ音楽の世界への拡大は始まっていたが、キューバ音楽は、まず1930年にソンがアメリカで紹介され、[[1930年代]]以降、アメリカを中心に世界中に広まった。ただし、その際にソンが「ルンバ」として紹介されたため、元来のルンバと「ルンバ」と呼ばれるソン(現在でも社交ダンスで「ルンバ」と呼ばれるものは、このソンである)を区別する必要がある。
 
[[1950年代]]には、[[マンボ]]や[[チャチャチャ]]が世界的に流行したが、1959年の[[キューバ革命]]後はアメリカとの[[国交]]が途絶え、また経済封鎖のためもあり、キューバ音楽が世界に広がる経路が狭まった。ただし、スペイン語圏諸国においては影響を持ち続けた。この1970年代から80年代にかけては、革命後のキューバで若い世代のムーブメントとして起こった[[ヌエバ・トローバ]]が、ラテンアメリカにおいては、社会現象といえるほどの人気と影響力を得た。
 
また、アフリカ的なリズムの素養、ソ連とのつながりによるクラシック的な技術体系が反映されたジャズ演奏者のレベルは非常に高く、70年代の後半にグラミー賞を受けたイラケレ、[[1990年代]]に一世を風靡した[[ゴンサロ・ルバルカバ]]、[[チューチョ・バルデース]]([[イラケレ]]のリーダー)など、数々のハイレベルなミュージシャンを生んでいる。
 
[[冷戦]]後、[[1990年代]]になると、[[ロス・バン・バン]]、[[アダルベルト・アルバレス・イ・ス・ソン]]など、[[サルサ (音楽)|ニューヨーク・サルサ]]のセンスも取り入れたソンのグループが次々に現れ、大きな人気を獲得。また、ヨーロッパなどで公演する演奏家も増加した。1990年代末には古老ミュージシャン達を扱った[[映画]](1998(1998年の[[ヴィム・ヴェンダース]]監督作品『[[ブエナビスタ・ソシアル・クラブ]]』)が世界的なヒットとなったこともあり、経済封鎖自体はまだ続いているものの、アメリカ系大手レコード会社が次々にキューバの音楽家と契約し、来日公演なども増加するなど、キューバ・ブームといってよいほどの活況を呈している。
 
さらに[[21世紀]]にはいって、中南米スペイン語圏およびアメリカのプエルトリコ系で一大ムーブメントとなった[[レゲトン]] (Reggaeton) がキューバにも本格的に到来、[[レゲエ]]と[[ヒップホップ]]、そしてキューバ音楽が融合した[[クバトン]] ([[:en:Cubaton<!-- リダイレクト先の「[[:en:Reggaeton]]」は、[[:ja:レゲトン]] とリンク -->]]) が誕生し、いまキューバの若い世代に強く支持されている。
 
2001年には西側ロックバンドの公演が許可され、[[マニック・ストリート・プリーチャーズ]]がカール・マルクス劇場でライブを行った([[フィデル・カストロ]]も訪れている)。これ以降はカール・マルクス劇場で海外のバンドの公演が行われるようになった。
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===映画===
{{Main|キューバの映画}}
キューバはラテンアメリカの映画大国である[[ブラジル]]、[[アルゼンチン]]、[[メキシコ]]には及ばないものの、域内では映画制作が盛んな国のひとつである。革命前のキューバの映画産業は脆弱なものだったが、1959年に映画芸術産業庁(ICAIC)(ICAIC)が設立されて以来、キューバ独自の映画への取り組みが始まった。ラテンアメリカ初の映画学校が開設されたのもキューバであり、1986年に[[ハバナ国際映画テレビ学校]](EICTV)が設立されてからは[[ガルシア・マルケス]]を筆頭にラテンアメリカ最高峰の人材が映画製作を教えている。
 
著名な映画人としては、イタリアの[[ネオレアリズモ]]に影響を受け、ブラジルの[[ネルソン・ペレイラ・ドス・サントス]]、アルゼンチンの[[フェルナンド・ビッリ]]とともに新ラテンアメリカ映画運動の火付け役ともなった『エル・メガノ』(1955年)の[[フリオ・ガルシア・エスピノーサ]]や、『ルシア』(1968年)の[[ウンベルト・ソラス]]、『[[低開発の記憶]]』(1970年)、『[[苺とチョコレート]]』(1993年)の[[トマス・グティエレス・アレア]]、『[[永遠のハバナ]]』(2003年)の[[フェルナンド・ペレス]]が挙げられる。
 
===カーニバル===
植民地時代からカトリックの暦に合わせて[[カーニバル]]が行われており、特に[[サンティアーゴ・デ・クーバ]]とハバナのカーニバルは規模が大きい。[[コンパルサ]]やコンガと呼ばれるチームが楽器と歌と踊りを交えて道路を練り歩くのである
 
===その他===
*政府が監督下する文化的施策
**[[図書館]]:キューバ最大の図書館はハバナの国立図書館(蔵書数約220万冊)。ハバナをはじめ、主要都市には市立図書館が設置されている。
**[[博物館]]:ハバナの国立博物館は、古典から現代に至る芸術作品、および[[先住民]][[文化_(代表的なトピック)|文化]]の遺物を収集している。
**補足:一部自治体は、演劇や舞踊などの文化活動を支援している。
 
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==スポーツ==
{{Main|キューバのスポーツ|キューバの野球}}
キューバでは社会主義国の利点を生かして、国家による選手育成が幼年期から一貫して行われている。また、高い医療水準にも支えられ、キューバ選手は[[夏季オリンピック]]を中心に輝かしい成績を収めてきた。人口比での[[金メダル]]数は世界トップクラスであり、2004年の[[アテネオリンピック (2004年)|アテネオリンピック]]では9個を獲得した。
 
キューバがスポーツの中で特に力を入れるのは各オリンピックで金メダルを量産している[[野球]]・[[ボクシング]]、それに女子の[[バレーボール]]である。また、[[柔道]]、[[アマチュアレスリング|レスリング]]、[[陸上競技]]の跳躍系種目でも好成績を収めている。一方、[[競泳]]や陸上の長距離種目、[[サッカー]]などは振るわず([[サッカー]]については、かつては強豪だったが、[[国際サッカー連盟]] (FIFA) (FIFA)の国際試合無期限出場停止処分を受けたのをきっかけに弱体化した)、[[冬季オリンピック]]には参加経験そのものがない。またキューバではオリンピックスポーツ選手がスポーツ選手のステータスであり、野球は若干下になる。なお、すべてのスポーツ選手は[[アマチュア]]の[[国家公務員]]([[ステート・アマ]])であり、国内では一般国民と比較して好待遇が与えられている。特に金メダリストは国家英雄として称賛されるが、アメリカなどのプロ選手と比べるとその報酬額ははるかに少ない。そのため、有力選手の中にはアメリカへの亡命者も出現する。また亡命に失敗した選手は国際大会への派遣が行われず、キューバ選手団は常に外部との接触を厳しく制限されながら競技会に参加するという弊害も起こっている
またキューバではオリンピックスポーツ選手がスポーツ選手のステータスであり、野球は若干下になる。
なお、全てのスポーツ選手は[[アマチュア]]の[[国家公務員]]([[ステート・アマ]])であり、国内では一般国民と比較して好待遇が与えられている。特に金メダリストは国家英雄として称賛されるが、アメリカなどのプロ選手と比べるとその報酬額ははるかに少ない。そのため、有力選手の中にはアメリカへの亡命者も出現する。また亡命に失敗した選手は国際大会への派遣が行われず、キューバ選手団は常に外部との接触を厳しく制限されながら競技会に参加するという弊害も起こっている。
 
さらに社会主義国のためにイデオロギーがスポーツに優先する国情があり、かつてはオリンピックの[[ボイコット]]も行った。現在でも、特にアメリカとの関係で国際大会への参加に支障が出る場合がある。
 
==通信とメディア==
[[通信社]]は国営の[[プレンサ・ラティーナ]]に一元化されている。国内でもっとも読まれている新聞は、[[キューバ共産党]]の機関紙『[[グランマ (新聞)|グランマ]]』で、[[スペイン語]]と[[英語]]のウェブサイトを運営している(外部リンク参照)。
 
キューバは現在でも「キューバ共産党の[[一党独裁]]下にあり、[[言論の自由]]に制限がある」とされる。これがアメリカ政府によるキューバ制裁継続の一因となっている。[[フランス]]に本部を置く[[ジャーナリスト]]の国際的[[非政府組織]]「[[国境なき記者団]]」が2005年に発表した「世界報道自由ランキング」では、キューバのランクは調査対象の167か国・地域中161位にとどまり<ref>http://www.rsf.org/article.php3?id_article=17781</ref>、政府の意向に沿わない独立系ジャーナリストの逮捕・投獄・虐待が行われていると指摘されている。2006年5月にはアメリカに本部がある国際非営利団体「[[ジャーナリスト保護委員会]]」が発表した[[検閲国家ワースト10のリスト]]」でキューバが7位に挙げられた。また、国外からの情報を遮断するために[[ネット検閲]]が導入されている。
 
[[インターネット]]への接続自体は2009年の解禁以降、環境が徐々に整備されてきた。公園など全国約500所で[[公衆無線LAN]](規格は[[Wi-Fi]])で有料接続でき、2017年10月には国営通信会社エテクサが一般家庭向け接続サービスの開始を発表した。[[国際電気通信連合]](ITU)の統計によると、2017年時点でキューバ国民のネット利用率は38%。
 
米[[グーグル]]の協力で首都ハバナに2016年開設された唯一のインターネット無料利用センターが接続できなくなっているなど(2018年2月時点)、低所得層を中心にネット利用には依然制約が多い。アメリカ政府はキューバの民主化を促す手段としてインターネットを重視しており、オバマ政権時代にネット関連機器の輸出規制を緩和した。トランプ政権は2018年1月、[[アメリカ合衆国国務省|国務省]]にキューバでのネット普及を支援する特別部署を設置した<ref>[https://mainichi.jp/articles/20180222/ddm/007/030/036000c 【キューバは今 ポスト・カストロ前夜】(1)遠いネットの自由/政府、体制崩壊恐れ]『毎日新聞』朝刊2018年2月22日(国際面)</ref>。
 
==著名な出身者==
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*[[オレステス・キンデラン]](元野球選手)
*[[マイク・クェイヤー]](元メジャーリーガー)
*[[ユリエスキ・グリエル]](野球選手、20172017年ワールドシリーズ第3戦でドジャースのダルビッシュに対し人種差別的な言動を取った野手。のちに謝罪したものの差別行為で20182018年開幕5試合出場停止)
*[[セリア・クルース]]([[サルサ (音楽)|サルサ]]歌手)
*[[アルベルト・コルダ]](写真家)
697 ⟶ 694行目:
*[[カミロ・パスカル]](元メジャーリーガー)
*[[アントニオ・パチェコ]](元野球選手)
*[[ロベルト・バルボン]](元日本プロ野球(阪急=現・オリックス)選手)
*[[ラファエル・パルメイロ]](元メジャーリーガー)
*[[ペレス・プラード]](「[[マンボ]]の王様」)
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*[[ペドロ・ラソ]](プロ野球選手)
*[[アレクセイ・ラミレス]](メジャーリーガー、[[シカゴ・ホワイトソックス|ホワイトソックス]])
*[[オマール・リナレス]](元日本プロ野球(中日)選手)
*[[ドルフ・ルケ]](元メジャーリーガー)
*[[ゴンサロ・ルバルカバ]]([[ジャズ・ピアニスト]])