「SH-60J (航空機)」の版間の差分

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=== XSH-60Jの開発 ===
機体としては、米海軍のSH-60Bシーキングホーク、英・伊共同開発の[[アグスタウェストランド AW101|EH101マーリン]]、フランスの[[AS 532 (航空機)|AS.532SCクーガー]]の3機種が俎上に載せられた。AS.532SCは、既に同系列の[[AS 332 (航空機)|シュペルピューマ]]が[[陸上自衛隊]]の要人輸送機として採用されることになっており、また安価であったものの、重心が高いため、デッキハンドリング等艦艇における運用上の問題が懸念された。またEH101は性能面では期待されたものの、当時いまだ計画段階であり、また国際共同開発であったために先行きが不透明であるとみなされた{{Sfn|海上幕僚監部|2003|loc=ch.5 §11}}{{Efn2|EH101は哨戒ヘリコプターとしては落選したものの、後に掃海・輸送ヘリコプターとして導入された。SHXプロジェクト初代マネージャーは、このEH101の完成機に触れて、「これがあの当時もっと形になっていたら、あるいはSHX計画も違ったものになっていたかと思うほど素晴らしい航空機になっていた」と評した{{Sfn|助川|2012}}。}}。
 
これらの検討を経て、機体としてはSH-60Bが選定された。しかし上記の通り、搭載システムはSH-60Bのものとは異なり、海自独自のものを搭載するという形態を考慮し、米海軍と区別して'''SH-60J'''と呼称することとされた。開発に使用する2機分の機体(グリーンエアクラフト)を海上幕僚監部が直接調達して技術研究本部に委託することになり、[[1983年|昭和58年]]度予算でグリーンエアクラフトのうち1機の調達と技術研究本部による開発予算が認められて、開発が開始された。本研究開発の主契約業者は、従来からの海上自衛隊の対潜ヘリコプターの製造・支援の経験を買われ、三菱重工業が選ばれた{{Sfn|海上幕僚監部|2003|loc=ch.5 §11}}。