「家庭教師」の版間の差分

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== イギリスの場合 ==
[[File:Marian Hubbard Daisy Bell and Elsie May Bell with governess.jpg|thumb|[[アレクサンダー・グラハム・ベル]]の娘に本を読み聞かせる[[ガヴァネス]](1885年)]]
イギリスでは近代になるまで一般庶民を対象とした教育機関はほとんど未整備で、[[聖職者]]の家庭や教会でキリスト教の説教とともに簡単な読み書きが教えられるにすぎなかった<ref name="kobayashi58">小林章夫『教育とは - イギリスの学校からまなぶ』NTT出版、2005年、58頁</ref>。上流階級でも子弟が教育機関で教育を受けることはほとんどなく、代わりに学者が住み込みで家庭教師として子弟の教育にあたっていた<ref name="kobayashi59">小林章夫『教育とは - イギリスの学校からまなぶ』NTT出版、2005年、59頁</ref>。
 
[[ヴィクトリア時代]]の[[上位中産階級]]では幼少期は[[ガヴァネス]]と呼ばれる女性の家庭教師が読み書き計算、教養、礼儀作法を教えた。男子は成長するとチューター(tutor)からより高度な教育を受けるか、[[寄宿舎]]のある名門校に通うため家を出た。チューターは学者や芸術家であり自身の専門分野をパートタイムで教えていた。
 
家庭教師を行っていた著名な人物には、劇作家の[[ベン・ジョンソン (詩人)|ベン・ジョンソン]]や[[トマス・ホッブズ]]がいる<ref name="kobayashi59" />。[[アダム・スミス]]は[[グラスゴー大学]][[教授]]を辞めて貴族の家庭教師になっている<ref>[[堂目卓生]]「アダム・スミス」[[中公新書]]、P16</ref>。