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'''ミクソゾア'''(Myxozoa, ギリシャ語 ''myx-'' '粘液' + ''zoa'' '動物')は極嚢を持った胞子を作る[[寄生虫]]からなる[[動物]]門である。かつては[[原生動物]]として分類され[[胞子虫]]に含められていたが、その特異性が認識されて独立の門に位置付けられた。現在では多細胞[[動物]]から派生したグループだと考えられている。
 
ミクソゾア類の多くは[[魚類]]と[[環形動物]]または[[コケムシ]]類の2つの宿主を行き来する生活環を持っている。感染は殻(valve)に包まれた多細胞性の胞子によって起きる。胞子には1または2つの'''[[スポロブラスト]]'''(胞嚢体、sporoblast)と、胞子を宿主に固定する'''極糸'''(極繊維、polar filament)が入った1または複数の'''[[極嚢]]'''(極胞、polar(polar capsule)が含まれている。スポロブラストは運動能のある'''アメーバ型胚子'''(amoebula)になり、これが宿主の組織に侵入して多核の[[変形体]](plasmodium)に成長する。その後、核が対になって、一方が他方を取り囲み、新たな胞子を生じる。
 
極嚢は構造や外見が[[刺胞動物]]の刺胞に良く似ている。このためミクソゾア類は極端に退化した刺胞動物であり、その中でも[[ポリポディウム]](''Polypodium'')に近縁だと考えられた時期があった。しかし最近のHox遺伝子の解析では、[[左右相称動物]]が起源という結果になる。また長さ2 mmほどの蠕虫のような寄生虫である''Buddenbrockia plumatellae''が、ミクソゾアに属する[[軟胞子虫]]でかつ縦走筋を持っているという結果からも、左右相称動物起源が強く支持される。