「伊藤仁斎」の版間の差分

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『論語』を「最上至極宇宙第一の書」と称した。
 
[[古義学]]([[古学]])を提唱し、主著として、『[[論語の注釈#論語古義|論語古義]]』『孟子古義』『語孟字義』『中庸発揮』『[[童子問]]』『古学先生文集』などが挙げられるが、生前は[[講義]]と著述の整理・[[推敲]]に尽力し、著作を公刊することはなかった。
 
仁斎の[[学問]]手法は、当時支配的だった[[朱子学]]的[[経典]]解釈を廃し、直接テクストを検討するというものである。朱子学は学問体系としては非常に整ってはいたが、その成立過程に流入した禅学や[[老荘思想]]といった非[[儒教]]的な思想のために[[経書]]の解釈において偏りがあった。仁斎はそのような要素を儒学にとって不純なものとみなし、いわば[[実証主義]]的な方法を用いた。このような傾向は同時代の儒学研究に共通にみられるものである。仁斎は朱子学の「理」の思想に反して、「情」を極的に価値づけした。客観的でよそよそしい理屈よりも人間的で血液の通った心情を信頼している。四端の心や[[性善説]]を唱えた。
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*[[貝塚茂樹]]編集・解説 『[[日本の名著]]13 伊藤仁斎』 中央公論社 1977年、新版・中公バックス 1983年
*[[吉川幸次郎]]、清水茂校注 『[[日本思想大系]]33 伊藤仁斎 伊藤東涯』 岩波書店、1971年
*浅山佳郎、厳明校注『日本漢詩人選集4 伊藤仁斎』 [[研文出版]]、2000年、ISBN 978-487636-190-8
*植谷元校注 『新[[日本古典文学大系]]99 仁斎日札 ほか』 岩波書店、2000年3月
*伊東倫厚 『伊藤仁斎 附伊藤東涯』<叢書・日本の思想家10>明徳出版社、1983年3月
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== 参考文献 ==
*[[尾藤正英]]「伊藤仁斎における学問と実践」、『[[思想 (雑誌)|思想]]』第524号、1968年2月
*吉川幸次郎『仁斎・徂徠・宣長』、[[岩波書店]]、1975年6月、復刊2000年ほか、ISBN 978-4-00-000959-1
*[[渡辺浩 (政治学者)|渡辺浩]]「伊藤仁斎・東涯-宋学批判と「古義学」」
*:[[相良亨]]・[[松本三之介]]・[[源了圓]]編『江戸の思想家たち(上)』、[[研究社出版]]、1979年11月
*[[子安宣邦]]『伊藤仁斎-人倫的世界の思想』、[[東京大学出版会]]、1982年5月 
**増補版 『伊藤仁斎の世界』[[ぺりかん社]]、2004年 ISBN 978-4-8315-1060-0
*[[石田一良]]『伊藤仁斎』<人物叢書> [[吉川弘文館]]、1989年 ISBN 978-4-642-05176-7
*[[相良亨]] 『伊藤仁斎』 ぺりかん社、1998年 ISBN 978-48315-0827-0
*[[丸谷晃一]]「伊藤仁齋の「情」的道徳実践論の構造」、『思想』第820号、1992年10月
*[[谷沢永一]]『日本人の論語-伊藤仁斎「童子問」を読む』 [[PHP研究所]](新版)、2015年2月、ISBN 4-569-82367-X