「浮雲 (二葉亭四迷の小説)」の版間の差分

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==作品解説==
[[ロシア文学]]から強い影響を受けた四迷は、同時代のロシアの作家[[イワン・ゴンチャロフ]]の『[[オブローモフ]]』をこの作品のモデルにしたと言われている。また、その文体は第一篇から第三篇に至るまでに大きく変化している。第三篇では文三の独白の部分が増大し、第一篇で顕著に見られた、読者への呼びかけをしながら物語をあたかも主導するような[[語り手]]の姿は背景に退いている。文章中の描写や各章の名称においても、凝った見立てに基づいた[[戯作]]調の表現は物語が進むごとに次第になくなっていく。
 
この作品は未完であると言われるが、第三篇の末尾には「終」と明記されている。それでも未完とされるのは続編の構想と思われる作品メモが発見されたからであり、二葉亭の意思として未完であったかどうかはわからない。