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== 撰者・段成式 ==
撰者の[[段成式]]は、時の宰相や[[節度使]]であった[[段文昌]]の子である。[[青州 (山東省)|青州]][[臨シ区|臨淄県]]の出身、[[字]]は[[柯古]]。官は[[秘書省]][[校書郎]]となり、宮中にある秘閣の蔵書に精通していた。<ref>{{Cite book|title=唐詩選|date=2000年10月16日|year=|publisher=岩波文庫}}</ref>その上、段家には蔵書が多く、また、[[仏典]]にも詳しかった。[[江州 (江西省)|江州]]刺史、[[太常少卿]]などの官を歴任した。官を辞してからは、[[襄陽市|襄陽]]に居を構え、863年(咸通4年)に没した。 <ref>{{Cite book|title=酉陽雑俎 1 382|date=1980年07月01日|year=|publisher=平凡社}}</ref>
 
== 概要 ==
書名の『[[酉陽(ゆうよう)」]]』は、[[沅陵県]]にある小酉山の麓に、書1,000巻を秘蔵した穴が存在するという伝承に則っている。内容は、[[神仙]]や仏[[菩薩]]、人鬼より、怪奇な事件や事物、風俗、さらには動植物に及ぶ[[諸事万般]]にわたって、異事を記しており、中国の[[小説]]あるいは随筆中においてその広範さは一、二を争う。[[魯迅]]の愛読書であり、[[南方熊楠]]が、[[ガイウス・プリニウス・セクンドゥス|プリニウス]]の『[[博物誌]]』と名を比した書としても知られる。
 
[[インド]]や[[ペルシア]]などの海外に関する伝聞も多く記されている。中でも[[撥抜力国]]は西南海中にあって「[[象牙]]と阿末香([[龍涎香]])」を産するといい、今の[[ソマリア]]の[[ベルベラ]]地方を指すとされる<ref>今村訳による</ref>。また、[[継子いじめ譚]]である[[葉限]]の話は[[シンデレラ]]と共通性が高いことが注目される。
 
テキストの伝世に関しては、不明な点が多く、後集10巻の中には、[[明]]代の遺文を蒐集した部分が少なからず含まれるとされる。