「コルト・パイソン」の版間の差分
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|種類=[[回転式拳銃]]
|製造国={{USA}}
|設計・製造=[[コルト・ファイヤーアームズ
|口径=.357[[口径]](約9mm)
|銃身長=2.5インチ/4インチ/6インチ/8インチ
|ライフリング=
|使用弾薬=[[.357マグナム弾]]<br/>[[.38スペシャル弾]]
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|有効射程=
|重量=1,092g
|全長=
}}
'''コルト・パイソン'''({{lang-en-short|Colt Python}})は、[[1955年]]に[[アメリカ合衆国|アメリカ]]の[[コルト・ファイヤーアームズ|コルト]]社が開発した[[回転式拳銃]]である。当時のコルト社の副社長、[[フィリップ・シュワルツ]]が命名したパイソンの名称は英語で'''[[ニシキヘビ]]'''を意味する。[[コルト・ディティクティブスペシャル|コブラ]]、[[コルト・キングコブラ|キングコブラ]]、[[#コルト・ダイアモンドバック|ダイアモンドバック]]、[[コルト・アナコンダ|アナコンダ]]と並び、商品名に[[ヘビ|蛇]]の名前を冠するシリーズの1つである。
== 開発 ==
コルト・パイソンは、視察先の[[NRA]]ブルズアイ競技の会場でベンチレーテッドリブとフルレングスアンダーラグを装着したキング社の[[コルト・オフィサーズ]]モデルのカスタム型に感銘を受けたウェストコートにおけるコルト社のトップセールスマン、[[ビル・ヘンリー]]の「最上級のターゲットリボルバーを製品化すべきだ」という主張を受け、コルト・パターンルームの[[ガンスミス]]、[[アドルベルト・アル・ギュンター]]を責任者として開発が進められ、[[1953年]]に完成した試作モデルを経て、第二次世界大戦中に同社が開発したプレミアムモデルリボルバー、[[コルト.357]]を元にした[[プリプロダクション]]モデルが同社のマスターガンスミス、[[アル・デジョン]]によって製作された後、[[1955年]]に同社が「[[.357マグナム弾]]を発射できる」高級ターゲット[[回転式拳銃|リボルバー]]として発表した<ref name=":0">{{Cite book|和書|title=マスターピースピストル 世界の傑作拳銃|date=2017年12月15日|year=2017|publisher=株式会社ホビージャパン|editor=渡辺干年|isbn=978-4-7986-1587-5|pages=127-131}}</ref><ref name=":1">{{Cite book|和書|title=Gun Professionals 2015年10月号|date=2015年8月27日|year=2015|publisher=株式会社ホビージャパン|editor=岩田友太|pages=7-17}}</ref>。
コルト・パイソンは、[[1955年]]に[[コルト・ファイヤーアームズ|コルト]]社が「[[.357マグナム弾]]を発射できる」高級[[回転式拳銃|リボルバー]]として発表した。初めに6インチ、次に2.5インチと4インチの[[銃砲身|銃身]]を持つものが発売され、後に8インチの「[[#コルト・パイソンハンター|パイソンハンター]]」も作られた。また、[[#コルト・コンバットパイソン|コンバットパイソン]]と呼ばれる3インチモデルも存在する。▼
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手作業での調整箇所が多く、生産しにくい構造ながら、その関係で仕上げも念入りに施されていたため<ref name="computer">月刊Gun・本銃が特集されている回から出典</ref>、ライバルメーカーの[[スミス&ウェッソン|S&W]]社などの製品と比較すると高価格となっており、[[1970年代]]半ばの値段だと同社の[[コルト・ディテクティブスペシャル]]のおよそ倍だったとされ、「リボルバーの[[ロールス・ロイス]]」とも呼ばれた。▼
▲手作業での調整箇所が多く、生産しにくい構造ながら、その関係で仕上げも念入りに施されていたため
高価格ながら、各種の特徴を支持するユーザーも現れ、コルト社は廉価版として使用[[弾薬]]を[[.38スペシャル弾]]・[[:en:.22 Long Rifle|.22LR弾]]に変更した「コルト・ダイアモンドバック」という一回り小さいフレームを使用したリボルバーを発売した。また、.22LR弾や[[:em:.41 Remington Magnum|.41マグナム弾]]、.44[[口径]]のパイソンも[[プロトタイプ|試作]]されたと言われるが、製品化には至っていない。
コルト社は[[1999年]]10月、販売減少と製造費高騰を理由として同モデルの生産を停止する発表をしたが、2001年と2003年には少数生産が、2005年には50周年記念モデルの限定生産が行われ、更に2020年1月にステンレス鋼製の4.25インチと6インチ銃身モデルがリニューアル再販開始された。
== 特徴 ==
[[Image:Colt-python-barrel.jpg|thumb|right|バレル上の'''PYTHON 357'''の刻印]]
フレームのサイズは[[コルト・ファイヤーアームズ|Iフレーム]]。[[弾薬]]は、[[.357マグナム弾]]を撃つことができ、[[.38スペシャル弾]]も使用可能<ref group="注">試作モデルの段階では[[.256ウィンチェスター弾]]を使用するモデルも存在したが、将来性が無いという理由で製品化は見送られ、[[.41レミントン・マグナム弾]]を使用するモデルも試作が行われたが、強度不足を理由に中止されている。</ref>。発砲の反動による[[銃口]]の跳ね上がりを抑える重量物として、銃口部まで延長されたエジェクターロッドハウジング<ref>フルレングスアンダーラグ。略称としてフルラグ銃身とも呼ばれる</ref>、ピン止めされた交換可能なランプタイプの照星と上下微調整可能な照門などの外観を持ち、精度向上のために熟練工が1丁1丁調整を行っている<ref name=":2" />。
[[銃砲身|銃身]]上部にはベンチレーテッドリブ(放熱板)と呼ばれる梁状の構造を持ち、銃身加熱による[[陽炎 (気象現象)|陽炎]]を防ぐための実用的な構造であるといわれているが、実際は「放熱の効果はないだろうが、あった方が銃の見栄えが良くなる」とする見解もある 又、極初期のモデルはフロントサイトがやや低く、レッドインサートが入っており、リアサイトも面がフラットなAccroタイプである。グリップも全面にチェッカリングの入ったフルチェッカードグリップとなっている<ref name=":0" /><ref name=":1" />。
初期の仕上げは「コルトロイヤルブルーフィニッシュ」と呼ばれ、スチールフレームの表面に腐食を防ぐ目的で[[四酸化三鉄|黒錆]]を発生させる「[[ブルーイング|ガンブルー]]」という表面処理<ref group="注">ベンチレーテッドリブとフレームの上面は、反射を抑えて狙い易くするため、マットフィニッシュとなっている。</ref>が施された深みのある青を帯びた黒色だったと言われている<ref name=":2" />。外観だけではなく内部も入念に仕上げられており、[[コルト・ファイヤーアームズ|コルト]]社の他の[[回転式拳銃|リボルバー]]より
前述の通り、コルト社の採用している引き金の機構は[[スミス&ウェッソン|S&W]]社のものと比較して扱いにくいため、[[S&W M19]]や[[S&W M586]]のフレームにパイソンの銃身を組み合わせた「スマイソン」や「スモルト([[アメリカ合衆国|米国]]では"Davis Smolt"と
== バリエーション ==
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: [[1980年代]]後半に登場したパイソンの3インチモデル。[[スミス&ウェッソン|S&W]]社や[[スターム・ルガー]]社などのライバル会社が生産している3インチ[[回転式拳銃|リボルバー]]に対抗し、発売された。また、カリフォルニア・ハイウェイ・パトロール<ref>[[アメリカ合衆国の警察#ステート・ポリス]]を参照</ref>が注文し、同モデルをベースにして生産された「パイソン・カリフォルニア・コンバット」というモデルも存在するとされる。
; コルト・ダイアモンドバック
: [[1966年]]に登場したパイソンの廉価版にあたるモデルで、名称の由来は背中に[[ダイヤ]]模様のある[[ガラガラヘビ属|ガラガラヘビ]]の一種。外見こそパイソンと同様だが、全体的に小型である。又、強度の問題と[[弾薬]]の全長の違いからシリンダーの前後長は短く[[.38スペシャル弾]]専用となっており、[[.357マグナム弾]]は使用できない。パイソンのようなロイヤルブルーフィニッシュではなく、普及品レベルの仕上げとすることで生産コストを低くした。銃身長は2.5インチ、4インチ、6インチがあるほか、[[:en:.22 Long Rifle|.22LR弾]]を使用するモデルも存在する。しかし、パイソンより安価といっても他社製のリボルバーと比較すると高価だった事もあって、1989年に生産が終了した<ref name=":2" />。
== S&W M19・M586とコルト・パイソン ==
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