「モリのアサガオ」の版間の差分

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: 直樹の養父。元東京西拘置所所長。長年子宝に恵まれなかったため、藤間貴子から直樹を引き取り、養子縁組を結んだ。直樹の大学の卒業式に佐和子が付いて行ったことを「過保護だ」と批判した。
 
==== 確定囚 ====
; 渡瀬満
: 本作のもう1人の主人公。1981年[[8月15日]]生まれ。
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: 作中における2人目の執行囚。
: 舎房では趣味として、毎年春になると木で家の模型を作っていた。幼い頃に両親が離婚し、母親に引き取られたが、その母親も彼を捨てて男の下へと去った。その後は「竹の花園」で日々を送った。その後、無銭飲食を咎められたことに逆切れし、食堂を経営していた倉持家の3人を殺害した。初めはその事件について全く反省していないばかりか遺族までも侮辱する態度をとっていたが、実は親に捨てられたことから「幸せな家庭」を夢見ていた。その後、及川の働きかけもあり、食堂一家の「幸せな家庭」を自らが破壊したことと自分の境遇とを重ね合わせて、混乱して暴れながらも、落ち着きを取り戻した後に多恵子に謝罪の手紙を送った。多恵子が亡くなった後は供養のために事件現場となった食堂の模型を製作していたが、未完成のまま処刑されることとなった。処刑場に連れて行かれる際に、及川に「ありがとう人形を作ってくれて」の言葉を残した。処刑のときは恐怖により悲鳴を上げた際、看守達らに取り押さえられて死刑が執行された。執行後の遺体は納棺され、竹の花園にて荼毘に付された。
; 田尻勝男
: 渡瀬の人生を狂わせた張本人。故人。
: 11年前、強盗に押し入り渡瀬の両親を殺害、渡瀬にも重傷を追わせ、事件現場に居合わせた妹の吉岡小春も失声症に至らしめた。死刑が求刑されたが村雨弁護士が心身喪失を訴えたため刑は懲役12年に留まった。<ref>原作では競馬に全財産をつぎ込むもぼろ負けし電車で客に絡んでいたところを満の父親に殴られたことになっている。</ref>その出所後、元妻の実家にやってきて、前園徳子に金を無心するも出さなかったため娘の前園有歌を気絶させて拉致、コートに包んで歩いていたところを有歌とともに渡瀬に日本刀で殺害された。
; 笹野武
: 模範囚。刑務官のことを「先生」と呼ぶ謙虚な性格。
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: 番外編に登場。
 
==== その他懲役囚 ====
; 田尻勝男
: 渡瀬の人生を狂わせた張本人。故人。
: 11年前、強盗に押し入り渡瀬の両親を殺害、渡瀬にも重傷を追わせ、事件現場に居合わせた妹の吉岡小春も失声症に至らしめた。死刑が求刑されたが村雨弁護士が心身喪失を訴えたため刑は懲役12年に留まった。<ref>原作では競馬に全財産をつぎ込むもぼろ負けし電車で客に絡んでいたところを満の父親に殴られたことになっている。</ref>その出所後、元妻の実家にやってきて、前園徳子に金を無心するも出さなかったため娘の前園有歌を気絶させて拉致、コートに包んで歩いていたところを有歌とともに渡瀬に日本刀で殺害された。
 
=== 関係者 ===
==== 親族 ====
; 及川佐和子
: 直樹の養母。正道が直樹に養子であることを話そうとする度に「幸せな生活に水を差したくない」と止めた。[[グラブ]]とキャッチャーミットの区別が付かず、正道が直樹に、まだグラブが使えるうちにキャッチャーミットを買ったことを批判した。
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: 及川の実母。旧姓は「藤間」。
: 山本の意志により、死刑執行後は籍を抜いて旧姓に戻る。出産してまもなく及川を養子に出し、正道の力添えもあり喫茶店を開く。正道はこの喫茶店に小さい頃から直樹を連れてきていたが、佐和子は決して来なかった。その事を直樹に尋ねられると、貴子は産みの母親から子供を奪ってしまった罪の意識からではないか?と、分析する。直樹が全てを受け入れ自立した後、佐和子が喫茶店に通うようになり、直樹、及川夫婦と良好な関係となる。
; 香西の被害者の母
: 香西に殺害された少年の母親。初めは香西を一生許さないと決め、香西から送られた謝罪の手紙を読むこともなく捨てていたが、「息子は香西を憎み続けることを望むだろうか?」、「香西のことを息子に知らせるのも自分の役目」と思い、7年経って初めて手紙を読み、香西に返事を書いた。
; 田尻達男
: 田尻の弟。有歌を妹のように可愛がっていた。兄と姪を殺害した渡瀬と小春を殺害しようとするが、逆に助けに入った渡瀬に殺されそうになり「俺を殺しても息子が復讐に来る」と言い、「俺が死刑になるなら小春には手を出さないと誓うか」と聞かれ「俺が憎いのはお前だけだ」と思い留まった。渡瀬の死刑確定後、交通事故に遭い死亡した。息子がいる。
; 東條隆
: 東條松之助の息子。松之助の遺志を継ぎ赤石を支援する小学校教師。父の死後、赤石の支援活動を続けた結果、赤石がパチンコ店で怪我したところを目撃した人物を見つけ出し、必死の思いでその人物を説得して証人として裁判に出廷させ、赤石の無罪を勝ち取ることに成功した。
; 西田夕子
: 迫と獄中結婚した女性。元銀行員。
: 獄中結婚した理由はマスメディアには「有名になりたかったから」と答えていたが、実際には、中学2年生の時、彼女自身が起こした実家の工場への放火の罪を着せられ、誰にも信用されなかったショックの余り投身自殺した、同級生の山下([[中島広稀]])と境遇が似通っていて「放火」という点にも共通する迫のことを知り、迫に罪を償わせることで、山下に対する自分の罪の償いをしようとしたためである。
: 迫の病死後、消息は分からないとの記載がある。
; 船木和子
: 深堀の元妻。深堀と[[できちゃった結婚]]し、鶯谷事件の後離婚。深堀とのあいだに一人娘、百合がいる。
 
==== 被害者 ====
; 前園有歌
: 田尻と死別した妻の娘。親権が祖母に移った、もしくは亡くなった母が田尻とは離婚し出戻りになったため母の旧姓である「前園」になっている。母の実家で暮らしていたが出所した田尻に「女の子供は金になる」という理由で気絶させられて拉致され、そのまま目を覚ますことなく渡瀬により田尻の巻き添えを食らい斬殺された。
; 前園徳子
: 田尻と死別した妻。娘の死後は有歌を自分の家で育てていたが、田尻に金を無心されるも出さなかったために有歌を拉致され、渡瀬に殺害されることになった。渡瀬の逮捕後はテレビの取材に答え涙ながらに「有歌を殺されたことは悔しいが田尻は殺されて当然。最初から死刑になっていれば有歌も死なくて済んだ」と答えた。
; 倉持多恵子
: 星山に家族3人(両親・祖母)を殺害された女性。事件当時は出前に行っていたため難を逃れた。末期の[[スキルス|スキルス胃癌]]で死期が迫っており、死ぬ前に自分の家族を殺した星山が何を考えているのか、本当に罪を悔いているのかを直樹に確認してほしいと頼む。その後、星山からの謝罪の手紙を渡され、それから5日後にこの世を去った。
; 福田真也
: 迫が殺害した中学生の弟。迫と結婚した夕子を持っていたカッターナイフで襲い、彼女をかばった及川を刺してしまう。両親が兄の死の真相を忘れようとしていることに憤慨していたが、両親が事件と向き合っていくことにしてからは仲を修復した。
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; 笹野が殺した中学生の両親
: 笹野の息子が自殺した直後は自分たちの息子がいじめをしていたことを否定していたが、息子が殺された後、それぞれのいじめの加害者の家の中で遺品整理をしている時、『笹野の息子をいじめていたことは、永遠に三人だけの秘密にすること』という旨の血判状を見つけ、愕然として認識を改めたらしく、毎年笹野の息子の命日に墓参りをしていた。それを笹野に頼まれて初めて墓参りに来た若林に目撃される。若林が事情を尋ねると、自分たちの息子のせいで笹野の息子が自殺したことについて親として申し訳なく思っているのでこうして命日に墓参りに来ていることを説明。ただし息子を殺された憎しみは消えないため、毎年墓参りに来ていることを笹野本人には絶対知られたくないと、若林に口止めをする。
; 香西の被害者の母
; 前園有歌
: 香西に殺害された少年の母親。初めは香西を一生許さないと決め、香西から送られた謝罪の手紙を読むこともなく捨てていたが、「息子は香西を憎み続けることを望むだろうか?」、「香西のことを息子に知らせるのも自分の役目」と思い、7年経って初めて手紙を読み、香西に返事を書いた。
: 田尻と死別した妻の娘。親権が祖母に移った、もしくは亡くなった母が田尻とは離婚し出戻りになったため母の旧姓である「前園」になっている。母の実家で暮らしていたが出所した田尻に「女の子供は金になる」という理由で気絶させられて拉致され、そのまま目を覚ますことなく渡瀬により田尻の巻き添えを食らい斬殺された。
; 前園徳子
:田尻と死別した妻の母親。娘の死後は有歌を自分の家で育てていたが、田尻に金を無心されるも出さなかったために有歌を拉致され、渡瀬に殺害されることになった。渡瀬の逮捕後はテレビの取材に答え涙ながらに「有歌を殺されたことは悔しいが田尻は殺されて当然。最初から死刑になっていれば有歌も死なくて済んだ」と答えた。
; 楠見佳子
: 過去、星山が育ち、現在、小春の勤めている児童養護施設「竹の花園」の園長。
; 倉持多恵子
: 星山に家族3人(両親・祖母)を殺害された女性。事件当時は出前に行っていたため難を逃れた。末期の[[スキルス|スキルス胃癌]]で死期が迫っており、死ぬ前に自分の家族を殺した星山が何を考えているのか、本当に罪を悔いているのかを直樹に確認してほしいと頼む。その後、星山からの謝罪の手紙を渡され、それから5日後にこの世を去った。
; 村雨弁護士
: 渡瀬と田尻の担当弁護人。「田尻を野放しにした自分のせいで[[平成]]の仇討ち殺人事件が起こってしまった」という自責の念から渡瀬の弁護人になるが、実際は渡瀬に貶められるために利用されていた。
; 鶯谷運送社長
: 貴子を自分のものにするために合理化を口実にして山本と深堀をリストラする。貴子が山本と別れ自分と交際すると言っていたが、いつのまにか山本の子供(及川)を妊娠していて、それに逆上し貴子に暴力や猥褻などの行為をする。貴子に「別れないと殺される」と言わせる為に山本の家に電話をかけたが、その時に貴子が助けを求める声が届き、山本と深堀が駆けつけた。その際に深堀が社員3人を殺害し、これに激昂して灰皿で深堀を撲殺しようとし、止めようとした山本に包丁で刺され死亡した。
 
; 船木和子
=== その他 ===
: 深堀の元妻。深堀と[[できちゃった結婚]]し、鶯谷事件の後離婚。深堀とのあいだに一人娘、百合がいる。
; 村雨弁護士
: 渡瀬と田尻の担当弁護人。「田尻を野放しにした自分のせいで[[平成]]の仇討ち殺人事件が起こってしまった」という自責の念から渡瀬の弁護人になるが、実際は渡瀬に貶められるために利用されていた。
; 楠見佳子
: 過去、星山が育ち、現在、小春の勤めている児童養護施設「竹の花園」の園長。
; 藤間貴子
: 及川と沢崎の行きつけのバー「パパゲーナ」のママ。聞き上手。
; 東條隆
: 東條松之助の息子。松之助の遺志を継ぎ赤石を支援する小学校教師。父の死後、赤石の支援活動を続けた結果、赤石がパチンコ店で怪我したところを目撃した人物を見つけ出し、必死の思いでその人物を説得して証人として裁判に出廷させ、赤石の無罪を勝ち取ることに成功した。
 
== 刊行情報 ==