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{{Otheruses|[[数理論理学]]|[[数学]]などで用いられるその他の完全性|完全性 (曖昧さ回避)|[[情報セキュリティ]]|データ完全性}}
 
[[数理論理学]]における'''完全性'''(かんぜんせい、{{lang-en-short|completeness}})にはと呼ばれる二つの意味関連するが異なる概念がある。
#[[形式論理]]体系で恒真である命題が必ず証明できる性質(意味論的完全性)
#形式論理体系で表現可能な任意の文の肯定または否定が証明できる性質(構文論的完全性)
 
# 意味論的完全性: [[形式論理]]体系が「恒真である命題が必ず証明できる」という性質(意味論的完全性)を持つこと
[[クルト・ゲーデル|ゲーデル]]は[[ゲーデルの完全性定理|完全性定理]]によって、一階述語論理におけるどんな理論も'''前者'''の意味で完全であることを証明した。有名な[[ゲーデルの不完全性定理|不完全性定理]]は、自然数論を含む無矛盾で再帰的な理論が'''後者'''の意味では完全な体系に成り得ない事を示している。
# 構文論的完全性: 形式論理体系における理論が「(その理論で用いている言語で表現可能な)どの命題についても、肯定または否定を証明できる」という性質を持つこと
 
[[クルト・ゲーデル|ゲーデル]]が証明したゲーデルの完全性定理は一階述語論理が'''意味論的完全性'''の意味で完全であるとする。
 
同じくゲーデルが証明した有名な[[ゲーデルの不完全性定理|不完全性定理]]は、自然数論についてのある理論が '''後者'''の意味では完全ではなく、
完全であるように拡張すること(超越的な操作抜きには)もできないことを示した。現在では不完全性定理は[[ペアノの公理|PA]]など他の自然数論の公理系や自然数論以外の公理系についても証明されており、一定の性質を満たす公理系であれば広く成り立つ定理であると理解されている。
 
== 関連項目 ==
* [[完備性|完備]] (曖昧さ回避) - complete, completeness は数学の他の分野でしばしば[[完備性|完備]]と訳される。
 
{{math-stub|date=2014年9月}}