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== 沿革 ==
=== 初代 M10型(1982年-1988年) ===
{{Infobox 自動車のスペック表
| 車種=普通自動車
| 設計統括=[[伊藤修令]]
| 車名=日産・プレーリー(初代)
| 車名補=M10型
| 1枚目画像の説明=前期型(1982年8月-1985年1月、欧州仕様)
| 1枚目画像名=Nissan Prairie 1982 Sawston.JPG
| 2枚目画像の説明=後期型(1985年1月-1988年9月)<br>1800エクストラJW-G
| 2枚目画像名=Nissan Prairie 19880311.jpg
| 3枚目画像の説明=車内(後期型)<br>1800エクストラJW-G
| 3枚目画像名=Nissan Prairie 19880311-02.jpg
| 販売期間=[[1982年]][[8月]] - [[1988年]]
| ボディタイプ=5ドア[[ミニバン]]
| エンジン=CA20S/CA18S/E15S
| モーター=
| トランスミッション=5MT/4MT/3AT
| サスペンション=前:[[ストラット式サスペンション]]<br/>後:[[トレーリングアーム式サスペンション]](FF)<br/>[[ストラット式サスペンション|リバースAアーム式ストラットサスペンション]](4WD)
| 駆動方式=FF/4WD
| 全長x全幅x全高=4,090x1,655x1,600mm
| ホイールベース=2,510mm
| 車両重量=1,020kg
| 乗車定員=8人
| 自由項目1(項目名)=ベース車
| 自由項目1(内容)=[[日産・オースターJX]]<br />[[日産・スタンザFX]]
| 自由項目2(項目名)=別名
| 自由項目2(内容)=日産・スタンザワゴン(アメリカ)<br />日産・マルチ(カナダ)
}}
当時荻窪にあった旧・[[プリンス自動車工業|プリンス自動車]]の開発拠点で[[日産・オースターJX|オースターJX]] / [[日産・スタンザFX|スタンザFX]]をベースに開発された車種であり、開発主管は初代[[日産・マーチ|マーチ]](K10型)、[[日産・レパード|レパード]](F31型)、[[日産・ローレル|ローレル]](C32型)、[[日産・スカイライン|スカイライン]]R31(7th)・R32型の開発主管を務めた旧プリンス出身の[[伊藤修令]]である。
 
実質の後継車であった[[日産・ラフェスタ|ラフェスタ]]と競合した[[トヨタ・アイシス]]は、片側のみセンターピラーレス構造を採用しているが、初代M10型プレーリーは、両側共にセンターピラーレス構造をいち早く採用し、[[ベンチシート]]、3列8人乗り、回転対座などのシートバリエーションを実現していた。VN10型[[日産・パルサー|パルサーバン]]から転用された、[[トーションバー・スプリング]]を横置きに配置することでスペース効率を向上させた[[トレーリングアーム式サスペンション]]によって当時としては画期的な超低床レイアウトを実現していた。この超低床を生かす事で小さな外観にそぐわない広い空間を[[5ナンバー]]サイズ内に構築し、日本流ミニバンの始祖的存在であった。前席のシートベルトリトラクターは左右フロントドアに内蔵された。
 
当時は[[ミニバン]]というジャンルが存在しておらず、デビュー時のキャッチコピーも「びっくり BOXY SEDAN」と、'''新しいタイプの[[セダン]]'''という位置付けで、いわゆるミニバンタイプである3列シートのJW系(JW、JW-L、JW-G)のほかに後席を折りたたむことで広いラゲッジスペースを得ることができる2列シートのRV系(RV、RV-S)、同じく2列シートながらRV系に比べ前後シートの間隔を広げたうえ、シートバックの厚みをたっぷりとった固定式シートを採用した、リムジン感覚をうたったSS系(SS-G)、さらには商用車のNV系(3人乗り、3 / 6人乗り)という4タイプのワイドバリエーションをそろえていた。搭載するエンジンは[[直列4気筒]] [[OHC]]の[[日産・CAエンジン|CA18S型]]と[[日産・E型エンジン|E15S型]]。
 
ただし、パワートレーンは、初代プレーリーM10型が発売された前年([[1981年]])にデビューの[[日産・バイオレットリベルタ|バイオレットリベルタ]](1982年廃止) / オースター / スタンザのT11型3姉妹と共用され、省燃費仕様のワイドなギア比のトランスミッションとハイギアードな[[差動装置|デフ]]を流用したことや、1.3トン近い車両重量に対して明らかに力不足のエンジンスペック、さらには最大のセールスポイントである前述の「センターピラーレス構造」に加え、荷役性の向上を図るため開口見切りを大きく下げ、バックドアがバンパーごと開口する画期的なアイディア(超低床レイアウトゆえの措置)に起因するボディ剛性の低さなどが災いし、コンセプト的には各方面で評価されたものの、走行性能や動力性能の評価は芳しくなく、販売面ではそれらを大きく反映する結果となった。また「センターピラーレス+両側スライドドア」はボディ側ドア側双方ともに負担が大きく、スライドドアの耐久性と言う面でも難があり、当時の設計&生産技術の限界を露呈させる結果となった。2代目は余裕を持たせ、[[日産・ブルーバード|ブルーバード]]ベースで開発されることとなり、これらの反省点も盛り込まれた。
 
北米輸出仕様の名前は[[アメリカ合衆国]]ではスタンザワゴン(''Stanza Wagon'' )、[[カナダ]]ではマルチ(''Multi'' )の名で販売された。
* [[1982年]]8月、発売開始。この時は[[フェンダーミラー]]が装着されていた。
* [[1983年]]3月、[[特別仕様車]]「50スペシャル」発売。
* 1983年6月、特別仕様車「エクストラ」発売。
* [[1984年]]1月、エクストラ JW、エクストラ JW-G追加。
* 1984年6月、車種体系見直し。JW、JW-G廃止。
* [[1985年]]1月、マイナーチェンジ。フロントグリルの意匠変更やリアクォーターウインドウがルーフまで回り込むなど、内外装のデザインが一部変更される。特に外観上大きく変わった点では、ボディ剛性の向上策としてバンパーごと開口していたリアハッチゲートをバンパー上端から開口する様に変更し、ボディ後端部への補強が施された。またエンジンにも手を加えられた。搭載されるエンジンは[[直列4気筒]] [[OHC]]の[[日産・CAエンジン|CA18S型]]・[[日産・E型エンジン|E15S型]]。
* 1985年9月、2.0L CA20Sエンジン搭載のパートタイム4WD車(リヤサスペンションはB12型[[日産・サニー|サニー]]4WD系の[[ストラット式サスペンション|リバースAアーム式ストラットサスペンション]]を使っている)を追加設定。翌10月には4WD特別仕様車「ウィンタースペースワゴン」を発売。
* [[1986年]]11月、一部変更。駐車灯が廃止される。
* [[1987年]]8月、車体色変更。
* 1987年9月、特別仕様車「4WD JW-L ノルディカバージョン」発売。
* [[1988年]]5月、サイクルキャリアが標準装備の特別仕様車「サイクルスポーツバージョン」発売。
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ファイル:NissanMulti.jpg|マルチ(後期型)
ファイル:Prairie 1500.JPG|リア(前期型、欧州仕様)
ファイル:BywaterNissanStanza 02.jpg|リア(後期型、スタンザワゴン)
</gallery>
 
=== 2代目 M11型(1988年-1998年) ===
{{Infobox 自動車のスペック表
| 車種=普通自動車
| 車名=日産・プレーリー(2代目)
| 車名補=M11型
| 1枚目画像の説明=前期型 240 G
| 1枚目画像名=Nissan Prairie 1988.jpg
| 2枚目画像の説明=プレーリージョイ
| 2枚目画像名=Nissan Prairie Joy 001.JPG
| 3枚目画像の説明=プレーリージョイ<br />エアロエクスプレス
| 3枚目画像名=Nissan Prairie Joy 003.JPG
| 販売期間=[[1988年]][[9月]] - [[1998年]]
| ボディタイプ=5ドア[[ミニバン]]
| エンジン=KA24E/CA20S→SR20DE
| モーター=
| トランスミッション=5MT/4AT
| サスペンション= 前:ストラット式サスペンション<br/>後(前期):ストラット式サスペンション<br/>後(後期FF):[[トーションビーム式サスペンション]]<br/>後(後期4WD):[[リンク式サスペンション|5リンク式サスペンション]]
| 駆動方式=FF/4WD
| 全長x全幅x全高=4,350x1,690x1,650mm
| ホイールベース=2,595mm
| 車両重量=1,320kg
| 乗車定員=5-7人
| 自由項目1(項目名)=備考
| 自由項目1(内容)=前期型のデータ
| 自由項目2(項目名)=別名
| 自由項目2(内容)=日産・アクセス(北米)
| 後継=
}}
[[1988年]]9月発売。[[日産・ブルーバード|ブルーバード]]をベースに開発された。後席スライドドアは踏襲したが、センターピラーを持つ構造となる。当初は2.0Lの[[日産・CAエンジン|CA20S型]]のみで、グレードもJ系(J-6、J-7、J-8)とM系(M-5、M-7)の2種類と、初代デビュー時に比べて大幅に簡略化されている。オートマチックが4速化される。初代はシート配置でシリーズを分けていたが、2代目では豪華装備のJ系に対して廉価仕様のM系という分け方をされていた(アルファベット後の数字は乗車定員)。このため、2列シート仕様はM-5のみとなり、一般ユーザーにとっては選びにくいものになってしまった。M-5はカタログ上では商用車を想定したようなグレードでもあった。ベースとなった[[日産・ブルーバード|ブルーバード]]が採用していたストラット式リヤサスペンションを受け継いでいるため、このストラット・タワー部が3列目の居住空間を狭めていた。
 
[[1989年]]5月、特別仕様車「アウトドアバージョン」発売。
 
1989年9月、A/Tシフトロック変更およびオーディオフェーダー機構変更。
 
[[1990年]]9月、直列4気筒 2.4L [[OHC]] [[日産・KAエンジン|KA24E型]]を搭載した「240 G-5」と、「240 G-7」の240G系が追加される。これらは5人乗りと7人乗りでの装備の差は特になく、北米向けモデルを国内の基準に合わせた仕様としたもの。
 
[[1993年]]に北米で[[日産・クエスト|クエスト]]が発売されたため北米仕様は前期型のみとなった。ちなみに北米での販売名はアクセス(''Axxess'' )と名付けられていた。
 
[[1995年]]2月、「RVリミテッド」設定
 
1995年8月、マイナーチェンジ。北米向けを考慮する必要がなくなったことから、日本国内市場に特化し、一般消費者には不評であったスタイルの変更を中心に、[[マーケティングリサーチ|リサーチ]]結果をできる限り盛り込むこととなった。
 
リアオーバーハングを延長し、車内を拡大するとともに、フロント部分は、以前のスムーズなワンモーションフォルムから一転して、R50系[[日産・テラノ|テラノ]]にも通じる、[[RV]]風のボリュームのあるものとするなど、大幅に変更し、グレード名に「ジョイ」を冠することから営業上の車名も「プレーリージョイ(Prairie joy) 」とした(正式な車名はプレーリーのまま)。時流に乗り、[[純正]][[エアロパーツ]]装着の「エアロエクスプレス」というグレードも設定された。2.0LエンジンはCA20S型から[[日産・SRエンジン|SR20DE型]]へと世代交代され4速A/Tのみが組み合わされる。また、北米でのスタンダードであった2.4Lエンジンと、初代からの特徴でもあった、[[シフトレバーの配置|コラムシフト]]や[[ベンチシート]]が廃止されたが運転席SRSエアバッグが全車標準装備となる。リアサスペンションは同じ日産のステーションワゴンW10型[[日産・アベニール|アベニール]]同様2WD車がトーションビーム式トレーリングアーム、4WD車は5リンクとなる。これにより従来型にあったストラット・タワー部の張り出しがなくなり3列目の居住空間が改善された。
 
この変更で、特にスタイリングについては識者や[[マニア]]からは大変な不評をかったが、日産の目論見どおりファミリー層や高齢層の支持を得て、販売台数は一気に増加した。しかし、ジョイになってから極端な営業車並みの仕様は消え、当時の日産の安全基準に合わせた安全装備や快適装備も増え最低価格も200万円近くに値上がりしたためプレーリージョイより車格が上でありながらほとんど売れ筋グレードの価格に差がない[[ホンダ・オデッセイ]]やのちに発売された[[三菱・シャリオグランディス]]には勝てなかった。
 
[[1997年]]5月、一部改良。主な変更点は「助手席エアバッグ&ABSの標準装備化」、「車内の抗菌化(インナーグリーン)」、「UVカット断熱グリーンガラス採用」、「テールゲートにガラスハッチを採用」など。 尚、ガラスハッチは次のM12型にも引き続き採用された。
 
[[1998年]]10月<ref>{{cite web|url=https://www.carsensor.net/catalog/nissan/prailie_joy/|title=プレーリージョイ(日産)のカタログ|中古車なら【カーセンサーnet】|date=2020-1-19|accessdate=2020-1-19}}</ref>、生産終了。在庫対応分のみの販売となる。
 
[[1998年]]11月、リバティのサブネームを付けた3代目と入れ替わって販売終了。
<gallery>
ファイル:Nissan Praire M11 Loire42 1980s.jpg|前期型
ファイル:Nissan Prairie M11 001.JPG|240 G-5(リア)
</gallery>
 
=== 3代目 M12型 (1998-2004年) ===
{{Infobox 自動車のスペック表