「超音波検査」の版間の差分

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マイクロバルブに超音波を照射すると振動(オシレーション)と圧壊(キャビテーション)が誘導される。マイクロバルブの振動と圧壊は[[細胞膜]]に作用し一過性の小孔を形成し、細胞外の物質が細胞内に取り込まれることが知られている。この作用をソノポレーションという。マイクロバブルを血管内投与し体外から超音波照射すると組織の血管内でマイクロバブルの振動や圧壊が誘導され、周囲の[[血管内皮細胞]]間の[[密着結合]]に作用して血管透過性を変化させることができるのではないかと考えられている<ref>J Control Release. 2015 Dec 10;219:61-75. PMID 26362698</ref><ref>Drug Discov Today Technol. 2016 Jun;20:41-48. PMID 27986222</ref>
<ref>F1000Res. 2016 Mar 10;5. pii: F1000 Faculty Rev-313. PMID 26998242</ref><ref>Front Pharmacol. 2019 Feb 7;10:86. PMID 30792657</ref>。[[血液脳関門]]の透過性の亢進の持続時間は数時間で[[可逆]]的と考えられている<ref>ACS Chem Neurosci. 2013 Apr 17;4(4):519-26. PMID 23379618</ref>。代表的な研究として下記のようなものが挙げられる。集束超音波を血液脳関門に作用させ、[[乳癌]]治療薬の[[抗体医薬]]である[[ハーセプチン]]を脳内に移行させたという研究が知られている<ref>Proc Natl Acad Sci U S A. 2006 Aug 1;103(31):11719-23. PMID 16868082</ref>。カナダのSunnybrook Health Sciences Centreでは[[脳腫瘍]]の患者に集束超音波とマイクロバルブを用いて[[抗癌剤]]の[[ドキソルビシン]]リポソームや[[テモゾロミド]]を脳腫瘍に送達させる治験た報告行われている<ref[>https://clinicaltrialsSci Rep.gov/ct2/show/NCT02343991 Blood-Brain2019 BarrierJan Disruption23;9(1):321. UsingPMID Transcranial MRI-Guided Focused Ultrasound]30674905</ref> 。一方で集束超音波とマイクロバルブの併用は無菌性炎症を起こすという報告もあり[[副作用]]が懸念される<ref>Proc Natl Acad Sci U S A. 2017 Jan 3;114(1). PMID 27994152</ref>。
 
=== 細胞膜を通過するDDS ===