「王子と乞食」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
32行目:
やがて10歳の誕生日を迎えた2人は、エドワードの住居である[[ウェストミンスター宮殿]]の門前で運命的な出会いを果たす。日頃から自分とは全く違う恵まれた生活を送るエドワードを羨んでいたトムは、王子の姿はどんなものかと宮殿の柵に駆け寄り、一目見ようと身を乗り出す。その時透かさず番兵がトムを捕えて宮殿の敷地から摘み出そうとした。すると「やめよ!」という威厳ある声が背後から聞こえた。その声の主は今まさにトムが見ようとしていたエドワード王子だった。危うい所を助けられ、トムは王子に礼を言う。すると王子はトムに宮殿の中へ入るように勧めてくれた。トムは身分の差を感じて一度は断るも、遂に宮殿の中へ入る事に。エドワードは見たことの無いトムたちの生活をしきりに聞きたがった。話し合ううちに2人はお互いがまるで双子のようにそっくりな顔をしている事に気付いた。そこでエドワードは、今だけ互いの服を交換し、それぞれ入れ替わって過ごすことを思い付く。実はエドワードも堅苦しい宮廷生活に嫌気が指し、外に暮らしている子供たちの持つ自由に憧れていたのだった。
 
しかし“乞食のトム”として外へ出たエドワードは早速番兵に見咎められ、外へ追い払われてしまう。独り残されたトムは宮殿内で家臣や貴族たちに訝しがられる度に事情を説明しようとするがどうしても“王太子エドワード”としてしか見られない。一方のエドワードは下々の人々と会って話をし、貧困に喘ぐ民の姿を見る事で世の現実を身を以て味わわされる事になる。トムもまた、どう見ても馬鹿げているとしか思えない宮廷の制度を見るうちに、富に囲まれていると思われた王室の生活に空しさを覚えるようになった。そして互いが偽りの生活で受難する日々の中、ヘンリー8世が崩御す一つの事件がイングランドに忍び寄ろうとしていた
 
エドワードは、父の戴冠式を阻止すべく、王宮に向かうが貧しい身なりの彼の主張を誰も信じようとしない。
 
== 登場人物 ==