「ハイパーボリア (クトゥルフ神話)」の版間の差分

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「氷河期」といわない
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主に[[クラーク・アシュトン・スミス]]の諸作品に登場する地で、北極海と北大西洋の間の[[グリーンランド]]近辺にあったとされる<ref name="Ubbo-Sathla"/>大陸である。今日のグリーンランドそのものであるという解釈もある。
 
この大陸は、文明の栄えた都市が存在した一方、[[アブホース]]や[[ツァトゥグァ]]といった暗黒に潜む神々や多くの恐るべき生物が生息していたと言われている。しかし、[[氷期]]の訪れとともに、この大陸は人の住まぬ地となり、住人達は[[ムー大陸]]や[[アトランティス]]に移り住んだという。
 
この設定は当初、スミスが[[パルプ・マガジン]]の同僚作家、[[ハワード・フィリップス・ラヴクラフト]]や[[ロバート・E・ハワード]]の作品等を参考にして独自に築いたものであった。しかし、作品の刊行以前に書簡でこれを受け取ったラヴクラフトはスミスへの返信でこの設定を激賞、更にはこの世界に登場する神格、ツァトゥグァを借りて自身のクトゥルフ神話小説に登場させた<ref> ツァトゥグァの初出はスミス作「The Tale of Satampra Zeiros」([[:en:The Tale of Satampra Zeiros|英語版]])、この作品は1929年執筆、1931年発表。ラヴクラフトは1929年12月にZelia Reed (Zelia Bishop)のために添削/ゴーストライトした「The Mound」にツァトゥグァを登場させている。また、1930年2月より発表の「The Whisperer in Darkness」 (「闇に囁くもの」)でも言及している。</ref>。スミスはそのためその後、このハイパーボリア世界にラヴクラフト的要素をより積極的に取り入れていく。よってこの世界は[[先史時代]]版の[[コズミック・ホラー]]ともいえる性格を持つこととなった。[[ロバート・E・ハワード]]も早い段階から自作において固有名詞を借りている。
ハイパーボリア大陸の最北端にある半島。この地は現在の[[グリーンランド]]とほぼ同じ位置にあったとされている。この半島には、[[ウボ=サスラ]]が護る神々の智慧が記された銘板から知識を得ようとした魔術師ゾン・メザマレックや<ref name="Ubbo-Sathla">『ウボ=サスラ』(Ubbo-Sathla)</ref>、『[[エイボンの書]]』の著者である魔道士エイボンが住んでいた。
 
その昔、この地で、ツァトゥグァを信仰する魔道士エイボンと、ヘラジカの女神[[イホウンデー]]の神官達との間に諍いが生じた。イホウンデーの神官モルギは、エイボンを捕らえ宗教裁判にかけようとするが、それをいち早く察知したエイボンは、ツァトゥグァから託された金属板を利用してサイクラーノシュ([[土星]])へと逃走。それを追ったモルギともども2度とハイパーボリアの地に帰ってくることはなかったが、この事件は「エイボンがツァトゥグァから学びとった強力な魔法の力で脱出し、そのうえ神官モルギをも連れ去ったのだ」と世間では信じられていく。これにより、イホウンデーへの信仰は衰退し、氷期によって大陸の文明が滅びるまでの1世紀の間、ムー・トゥーランではツァトゥグァを信仰する者たちの礼拝が盛んになった<ref>『魔道士エイボン』(The Door to Saturn)</ref>。
 
大陸を襲った氷期により、ハイパーボリアの北にあるムー・トゥーランがまず氷河に覆われ始めた。しかし、この地の氷結は明らかに超自然によるものであった。氷に閉ざされたムー・トゥーランに軍を率いて遠征した王は、随行した魔術師に擬似太陽を魔術で生み出させ氷を溶かしたが、やがて発生した霧により陽光は遮られ、王と魔術師は軍勢の大半とともにその場で氷に閉じ込められ息絶えたと、わずかに生き残った兵士が証言している<ref>『氷の魔物』(The Ice-Demon)</ref>。
 
=== その他 ===