「こめ油」の版間の差分

書誌情報
(書誌情報)
| 18:1([[オレイン酸]]) || 39.1
|-
| [[多価不飽和脂肪酸]] || 35
|-
| 18:2([[リノール酸]]) || 33.4
また、米の消費量が年々減少しているため、こめ油は安定した出荷がありながら、製造会社は原料の手当てに苦慮している。1990年代には[[エノキタケ]]の培養床に米糠が使われたため、栽培業者と製油業者の間で原料の奪い合いが起きた。エノキダケの方が収益性が良く、栽培業者が米糠を高く買い取ったため、一時、こめ油業界は深刻な事態に陥った。その後、エノキダケの培養床は米糠から[[トウモロコシ]]の芯(コーンコブ)に移行したため、危機を乗り越えることができた。しかし、長期的に見て原料供給が増える見込みが立たないことに変わりはない。
 
他の[[植物油]]原料と異なり、米糠には油脂分解酵素[[リパーゼ]]が多量に含まれている。そのため、原油中の遊離[[脂肪酸]]量が多く、[[酸価]] (acid value, AV) が極めて高い<ref name="masuyama">{{Cite journal|和書|author=益山新六 |date=1969 |title=コメ油について |url=https://wwwdoi.jstageorg/10.jst.go.jp/article11468/seikatsueisei1957/.13/1/13_1_24/_article.24 |journal=SEIKATSU EISEI (Journal of生活衛生 Urban Living and Health Association)|volume=13 |issue=1 |pages=24–27 |doi=10.11468/seikatsueisei1957.13.24 |publisher=大阪生活衛生協会 }}</ref>。[[菜種油]]原油やトウモロコシ原油のAVが一桁であるのに対し、米原油は20以上になることは普通である。また、原油は多量の[[ワックス]]分を含んでいるため、他の植物油よりも強力な[[脱蝋]]装置が必要である。このように、こめ油の精製工程は菜種油や大豆油の精製に比べ手間がかかるうえ、独自の技術や装置が必要である。そのため、[[バブル景気|バブル]]崩壊後、食用植物油会社の再編が進む中でも、こめ油製造各社は独自の地位を保っている。
 
精製の際に除去された[[脂肪酸]]や[[ワックス]]分、抽出かすである脱脂糠等の副産物は[[石鹸]]や樹脂、蝋の原材料や[[肥料]]などとして使用されている<ref name="masuyama"></ref>。
 
==特徴==
脂肪酸組成に占める[[オレイン酸]]の比率が高いことと、α-[[トコフェロール]]に加え[[γ-オリザノール]]、[[フェルラ酸]]、[[トコトリエノール]]などの抗酸化作用を有する成分を多く含み、加熱による酸化が起きにくいことが挙げられる。トコフェロール含量の変化に着目し、active oxygen methodにより植物油脂の安定性を評価したところ、こめ油、[[綿実油]]、[[なたね油]]、[[コーン油]]の順に安定性が高かった。こめ油の高い安定性は、α-トコフェロールだけでなく、トコトリエノールやγ-オリザノールなども含有し安定性に寄与するためである<ref name=ko>谷口 久次, 橋本博之, 細田朝夫 ほか、「[https://doi.org/10.3136/nskkk.59.301 米糠含有成分の機能性とその向上]」 『日本食品科学工学会誌』 Vol. 59 (2012) No. 7 2012年 p. 301-318, {{doi|10.3136/nskkk.59.301}}</ref>。特に酸化されにくさについては、こめ油が製菓業界で歓迎される理由となっており、現在、日本で製造される[[ポテトチップス]]のほぼ全量が、こめ油かこめ油を配合した油で揚げられている。
 
揚げ物をしている人が気分を悪くする現象を「油酔い」と呼ぶ。これは油脂を過熱する際に発生する[[アクロレイン]]という物質の作用であるといわれている。こめ油はこの油酔い現象が起きにくい油とされている<ref name="tuno">{{Cite web|title=こめ油のヒミツ – 築野食品工業株式会社 {{!}} 商品情報サイト|url=https://www.tsuno.jp/enjoy/secret|website=www.tsuno.jp|accessdate=2020-03-19}}</ref>。また、揚げる作業が終わったあとに、油を鍋から他の容器に移す際などの油のキレが良いともいわれる<ref name="tuno"></ref>。これらの現象もこめ油が加熱による酸化が起こりにくいことと関連があると考えられているが、両現象とも科学的には原因が解明されていない。
 
==脚注==
{{Reflist}}
<references />
 
==外部リンク==
* [http://www.oil.or.jp/index.html 社団法人 日本植物油協会]
* [http://www.boso.co.jp/ ボーソー油脂株式会社]
* [http://www.tsuno.co.jp/ 築野食品工業株式会社]
* [http://www.sanwa-yushi.co.jp/ 三和油脂株式会社]
* [http://www.oryza.co.jp/ オリザ油化株式会社]
 
*[http://www.boso.co.jp/ ボーソー油脂株式会社]
*[http://www.tsuno.co.jp/ 築野食品工業株式会社]
*[http://www.sanwa-yushi.co.jp/ 三和油脂株式会社]
*http://komeabura.life/
*http://www.oryza.co.jp/
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