「無段変速機」の版間の差分

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エンジン側プーリーに内蔵されたウエイトローラーというおもりが、回転数により生じる遠心力の大小でその位置を変えることで径を変える機構<ref>『よくわかる最新バイクの基本と仕組み』p.264「8-6 スクーターのクラッチとミッション」、『2007 オールスクーター購入カタログ』pp.117-118</ref>。[[ゴム]]製ベルトの[[張力]]により駆動を伝える無段変速機は[[20世紀]]初頭から存在していたが、当初は伝達できるトルクが小さくゴムベルトの耐久性も不十分であったため[[スクーター]]や小型車などの低出力エンジンの車両にしか使用できなかった。
 
自動車でこの方式を本格的に採用した最初は[[オランダ]]のDAF([[DAF (自動車メーカー)|DAF]](のちの[[DAFトラックス→現[[VDLネッドカー]])で、[[1958年]]に発売した小型車「{{仮リンク|DAF 600|en|DAF 600}}」に、自社開発のゴムベルト式無段変速システム「{{仮リンク|ヴァリオマチック|en|Variomatic}}」を遠心式クラッチと組み合わせ搭載した。ドライブ側のプーリー幅は内部の遠心ウェイトおよび[[インテークマニホールド|吸気マニホールド]][[真空|負圧]]で制御され、ドリブン側はそれには追従する形となっていた。変速機構は[[差動装置|ディファレンシャルギア]]で両輪へ分割された後に置かれるため、現在の一般的なベルト式CVTのような1つのベルトと一対のプーリーという構成ではなく、左右の後輪それぞれに機構が存在する<ref group="注">後にデフ前に配置する事でシングルベルトとしたモデル(DAF46等)も開発された。</ref>。しかし上述のゴムベルトの弱点の他に構造上スペースを大きくとられること、デリケートな変速機構が外部に晒されていることなど課題も多かった。
 
スクーターの駆動方式では、現代に至るまでこの手法が主流を占めている。Vベルトは曲げ抵抗と発熱が少なく耐久性の高い、[[歯付ベルト|コグベルト]]が用いられる。[[本田技研工業]]ではスクーターにおけるゴムベルト式CVTを「Vマチック」と呼称する<ref>[http://www.honda.co.jp/factbook/technology/200909/at200909.pdf Honda オートマチック二輪車の変遷 イージーオペレーション、イージーライドを目指して]</ref><ref>[http://www.honda.co.jp/study-motor/contents/clutch/syousai-page/ Honda|バイク|ベンリィちゃんと学ぶバイクメンテ|クラッチ(詳細)]</ref>。2007年現在ではウエイトローラーに代わってプーリー径を電子制御するマニュアルスイッチ付きCVTも現れており、より柔軟な変速が行える。擬似的に通常のマニュアル式変速機のように操作することもでき、これによりシフトチェンジ感を味わえたりエンジンブレーキを用いたりといったスポーティな運転が可能<ref>『2007 オールスクーター購入カタログ』p.14,p.118</ref>。
 
==== スチールベルト式CVT ====