「無段変速機」の版間の差分

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=== トロイダルCVT ===
[[File:Extroid CVT.jpg|thumb|日産のハーフトロイダルCVT(エクストロイドCVT)。両側のインプットディスクに二つのアウトプットディスクが挟まれており、中央の歯車を介して[[プロペラシャフト]]側へ出力する]]
フリクションドライブを高度に発展させた形態である。入力軸に繋がった円盤(インプットディスク)と出力軸に繋がった同形状の円盤(アウトプットディスク)を向かい合わせ、各ディスクの間には複数の転輪(パワーローラー)の外周部分が強い力で挟まれて動力を伝達する。パワーローラーの傾斜角を変化させるとそれに応じて2枚のディスクの回転数の比も変化し、可変変速比が得られる。着想自体は古くから存在したが、非常に高い圧力下で摩擦と潤滑を両立させての精密作動が要求されるため、実用化は極めて困難であった。
 
実用化に至った事例では、日産がジヤトコ・トランステクノロジー([[ジヤトコ]])、[[日本精工]](NSK)、[[出光興産]]と共に開発、[[1999年]]に発表した「ハーフトロイダル式」と[[イギリス]]の[[トロトラック]]が[[ジェイテクト|光洋精工]]と共に開発し[[2003年]]に発表した「フルトロイダル式」とがある<ref>[http://eb-cat.ds-navi.co.jp/jpn/tech/ej/img/no160/160_06.pdf IVTバリエータの動的モデルの開発] - Engineering Journal No.160(2001年 / 2015年10月5日閲覧)</ref>。両者の違いは入・出力ディスクの形状とそれに挟まれたパワーローラーの接し方であり、フルトロイダルでは窪みのあるディスクでパワーローラーを挟み込むのに対し、ハーフトロイダルでは[[漏斗]]状のディスクにパワーローラーを押し当てて駆動する<ref>[https://www.irjet.net/archives/V3/i8/IRJET-V3I8114.pdf half toroid cvt system - irjet]</ref>。フルトロイダル式は「線」で接する円盤形パワーローラーを用いており、ローラーの厚みの分だけそれぞれのディスク接する位置が異なって半径に差ができるため、強制スリップがほとんど(スピンロス)の発生は避けられない。対するハーフトロイダル式は、ほぼ「点」で接する球形パワーローラーのハーフトロイダル式が伝達効率が高く、スピンロスもほとんど発生せず、理想に近いとされる。対する一方でハートロイダル式は「線」で接する円盤形パワーローラーを常に強ており力で押し付け続けなければならず円盤の両端軸受部半径に差のトルク損失ため、強制スリップ両方式発生効率避けほぼ同等と考えられないる<ref>{{cnCite web |author=浅野憲治 |date=November2003 2019|url=http://eb-cat.ds-navi.co.jp/jpn/tech/ej/img/no164/164_05.pdf |title=自動車用無段変速機における当社での取り組み(PDF) |publisher=[[光洋精工]] |accessdate=2020-04-01}}</ref>
 
しかしフルトロイダルCVTは製品化されず、ハーフトロイダルCVTも有望視されながら、コスト面の課題から自動車用としては生産を終了している。自動車以外の用途では、[[固定翼機|固定翼]][[哨戒機]][[P-1 (哨戒機)|P-1]]に搭載される[[川崎重工業ガスタービン・機械カンパニー]](現:[[川崎重工業航空宇宙システムカンパニー|航空宇宙システムカンパニー]])製の一定[[周波数]][[発電機|発電装置]]「T-IDG」に使用されている<ref>[https://www.khi.co.jp/pressrelease/detail/c3061114-1.html 航空機用一定周波数発電装置「T-IDG®」を新開発] - 川崎重工業(2006年11月14日 / 2015年10月5日閲覧)</ref><ref>[http://www.khi.co.jp/news/detail/20101130_1.html 航空機用一定周波数発電装置「T-IDG」を次期固定翼哨戒機(P-1)量産機向けに初納入]{{リンク切れ|date=2019年1月}} - 川崎重工業(2010年11月30日 / 2015年10月5日閲覧)</ref>。