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出演者、キャスト
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| 製作総指揮 = [[ダニエル・ルピ]]<br>[[ベアトリス・セケイラ]]
| ナレーター =
| 出演者 = [[ルピタ・ニョンゴ]]<br>[[ウィンストン・デューク]]<br>[[エリザベス・モス]]<br>[[{{仮リンク|ティム・ハイデッカー]]|en|Tim Heidecker}}
| 音楽 = [[マイケル・エイブルズ]]
| 主題歌 =
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| 次作 =
}}
『'''アス'''』(原題: ''Us''、[[英語|英]]: "私たち"の意)は[[2019年]]に公開された[[アメリカ合衆国]]の[[ホラー映画]]である。監督は[[ジョーダン・ピール]]、主演は[[ルピタ・ニョンゴ]]、[[ウィンストン・デューク]]、[[エリザベス・モス]]、[[{{仮リンク|ティム・ハイデッカー]]|en|Tim Heidecker}}が務めている。自分たちと瓜二つの姿をした集団に遭遇した一家に起こる惨劇を描いている。
 
== あらすじ ==
1986年の夏<ref>[https://news.livedoor.com/article/detail/16871992/ 新チャッキーも 暑さも吹き飛ぶ、この夏観るべきホラー映画3選 - Peachy - ライブドアニュース]</ref>、アデレード・ウィルソンは両親とともに[[サンタクルーズ_ (カリフォルニア州)|サンタクルーズ]]にある行楽地を訪れる。ビーチに建てられたミラーハウスに迷い込んだアデレードは、そこで自分にそっくりな少女と出会う。ミラーハウスから戻った彼女は[[トラウマ]]により[[失語症]]となる。
 
現在、大人に成長したアデレードは失語症を克服し、夫と二人の子を持つ母になっている。ウィルソン一家はサンタクルーズにあるビーチハウスを訪れる。反対するアデレードを説得し、一家はビーチへ出かける。彼らはそこで友人のタイラー一家と落ち合う。長男ジェイソンはビーチで、腕から血を流しながら立っている男を見る。
 
夜、ビーチハウスに戻ったアデレードは夫ゲイブに、昔この場所で起こった出来事によってトラウマを負ったことを打ち明ける。ゲイブは彼女をなだめる。停電が起こり、ジェイソンは玄関先に4人の不審者が立っていることに気づく。ゲイブはバットを持って不審者を追い払おうとするが、4人はそのまま屋内に押し入って来る。リビングルームで侵入者たちと対面したウィルソン一家は、彼らが自分たちとそっくりな人間、[[ドッペルゲンガー]]だと気づく。アデレードのドッペルゲンガー、「レッド」はしゃがれ声で「私たちもアメリカ人だ」と主張し、アデレードを手錠でテーブルに拘束する。レッドは長女ゾーラに逃げるように命令し、ゾーラのドッペルゲンガー「アンブラ」に後を追わせる。ゲイブのドッペルゲンガー「アブラハム」はゲイブを殴って気絶させ、屋外へ引きずり出す。ジェイソンは彼のドッペルゲンガー「プルート」に手品を見せて彼の注意を引き、クローゼットに閉じ込めて家から逃げ出す。レッドはアデレードをガラスのテーブルに打ち付けて殺害しようとするが、ジェイソンが逃げ出したことに気を取られる。ゲイブはボート上でアブラハムと戦い、彼をボートのスクリューに巻き込み殺害する。テーブルを壊して拘束から逃れたアデレードは、ジェイソン、ゾーラ、ゲイブと再会しボートで海上に逃げ延びる。タイラー家のビーチハウスにも、巨大なハサミを持ったドッペルゲンガーたちが現れ、家族全員を殺害する。そこへウィルソン一家が到着し、タイラー一家のドッペルゲンガーたちを殺害する。アメリカ全土でドッペルゲンガーたちが出現し、殺戮が行われていることがテレビで報じられている。ウィルソン一家はタイラー家の車を使って町から逃げることにする。そこにアンブラが現れ、家族を追跡する。車の屋根に取り付いたアンブラを振り落とし彼女を殺す。
 
次の朝、ビーチにたどり着いたウィルソン一家を、プルートが待ち構えている。ジェイソンの機転によりプルートは死に窮地を脱したかと思われたその時、レッドが現れジェイソンを略取する。アデレードはすぐさまレッドを追跡する。ゲイブ、ゾーラはビーチで大勢のドッペルゲンガーたちが手と手を取り合いながら長い列を作っている様子を見る。
 
アデレードは、ミラーハウスの地下深くから通じる謎のトンネルのような居住区にたどり着く。居住区には大量の[[ウサギ]]が放し飼いにされている。アデレードは居住区の一室でレッドと対峙する。ドッペルゲンガーたちの正体はアメリカ政府の実験によって製造された[[クローン]]人間“テザード”で、地上に住む人間(オリジナル)と魂が繋がっているという。クローン人間たちは、地上でオリジナルの取った行動に不本意ながらも同調してしまう。彼らはこれまで地下での生活を強いられていたが、レッドは何年もかけて一斉決起を計画していたのだった。アデレードは戦いの末レッドを殺し、ジェイソンを取り戻す。ウィルソン一家は無事に再会し車で町から逃げる。
 
1986年のフラッシュバックで、アデレードが最初にレッドと対面した時の様子が描かれる。レッドはアデレードの首を絞めて気絶させ、アデレードの着ていたシャツを奪い地上世界に出ていく。本作中のアデレードは、実はクローン人間だったことが明らかになる。アメリカ全土に渡りクローン人間たちが手をつないで列をなしている様子が描かれ、物語が幕を閉じる。
 
== 本作の主題 ==
本作に関しては様々な角度から分析がなされているが<ref>{{Cite web|url=https://ca.ign.com/articles/2019/04/26/us-movie-spoilers-ending-explained-what-was-hands-across-america-jeremiah-1111-what-are-the-tethers|title=Us Movie Explained: The Tethered, Hands Across America, Jeremiah 11:11, Rabbits, and Fan Theories|date=2019-04-26|work=IGN|accessdate=2019-09-10}}</ref><ref>{{Cite web|url=https://www.denofgeek.com/us/movies/us/280032/us-jeremiah-1111-jordan-peele-movie|title=Us: How Jeremiah 11:11 Fits in Jordan Peele Movie|date=2019-03-26|work=Den of Geek|accessdate=2019-09-10}}</ref>、ピール監督は本作について「『アス』における主題の一つは、我々が特権に与れない人々の存在をすっかり無視できるということなのです。私たちが享受するに値すると思っているものは、他者の自由や幸福の犠牲の上に成立しているのです。アメリカ合衆国のような、特権を享受する党派的な存在がなし得る最大の害悪は、自分たちが特権に値する人間だと思い込んだり、特権に与れるのは良い場所に生まれたという幸運によるものではないと考えたりすることなのです。私たちが特権を保持しているとき、他の誰かはそのために苦しんでいるのです。つまり、苦しむ人間の存在と富を享受する人間の存在は表裏一体なのです。この点において、クローン人間たちの決起は最も心に響くものになっていると思います。観客の皆さんには、この事実を決して忘れて欲しくないのです。我々は恵まれない人たちのために闘う必要があります。」という趣旨のことを述べている<ref>{{Cite web|url=https://news.avclub.com/jordan-peele-explains-how-privilege-influenced-us-in-an-1835225625|title=Jordan Peele explains how privilege influenced Us in an exclusive clip|date=2019-06-04|work=The A.V. Club|accessdate=2019-09-10}}</ref>。
 
== キャスト ==
※括弧内は日本語吹替
*[[ルピタ・ニョンゴ]] - アデレード・ウィルソン /アデ のドッペ - [[ピタ・ニョガーゴ]]吹替:[[森夏姫]])
**[[マディソン・カリー]] - 子供時代のアデレード
** 子供時代のアデレード - マディソン・カリー
*[[ウィンストン・デューク]] - ガブリエル・ウィルソン/ガブリエルのドッペルゲンガー(吹替:[[乃村健次]])
** 十代のアデレード - アシュリー・マッコイ
*[[エヴァン・アレックス]] - ジェイソン・ウィルソン/ジェイソンのドッペルゲンガー(吹替:[[れいみ]])
*[[シャハディ ガブリエル“ゲト=ジョセフ]] - ゾーラブ”・ウィルソン /ゾー アブのドッペルゲハム - [[ウィストン・デュク]]吹替:[[イブ優里安乃村健次]])
* ゾーラ・ウィルソン / アンブラ - {{仮リンク|シャハディ・ライト・ジョセフ|en|Shahadi Wright Joseph}}([[イブ優里安]])
*[[エリザベス・モス]] - ミセス・タイラー(吹替:[[小橋知子]])
* ジェイソン・ウィルソン / プルートー - エヴァン・アレックス([[れいみ]])
*[[ティム・ハイデッカー]] - ミスター・タイラー
* キティ・タイラー - [[エリザベス・モス]] - ミセス・タイラー吹替:[[小橋知子]])
*[[ヤーヤ・アブドゥル=マティーン二世]] - デヴィッド・ストーン
* ジョシュ・タイラー - {{仮リンク|ティム・ハイデッカー|en|Tim Heidecker}}
*[[アナ・ディオプ]] - スーザン・ストーン
* デヴィッド・ストーン - [[ヤーヤ・アブドゥル=マティーン二世]] - デヴィッド・ストーン
*[[カリー・シェルドン]]、[[ノエル・シェルドン]] - タイラー姉妹
* スーザン・ストーン - {{仮リンク|アナ・ジョップ|en|Anna Diop}}
*[[デューク・ニコルソン]] - マーレイ
*[[ ベッーラド]] - ナンカリ・ェルドン
* リンジー・タイラー - ノエル・シェルドン
*[[ネイサン・ハリントン]] - グレン
*[[ マーレイ - デューク・ニコルソン]] - マーレイ
* ナンシー - [[カーラ・ヘイワード]]
*[[ グレン - ネイサン・ハリントン]] - グレ
 
== 製作 ==
[[2018年]]2月、ジョーダン・ピールはインタビューの中で新作映画の脚本を執筆中であることを明かした<ref>{{Cite web|url=https://www.hollywoodreporter.com/rambling-reporter/jordan-peele-reveals-plans-shoot-next-movie-year-1085424|title=Jordan Peele Reveals Plans to Shoot Next Movie Later This Year|date=2018-02-19|work=Hollywood Reporter|accessdate=2019-01-20}}</ref>。5月、本作のタイトルが『''Us''』に決まり、ルピタ・ニョンゴ、エリザベス・モス、ウィンストン・デュークが起用されたと報じられた<ref>{{Cite web|url=https://www.hollywoodreporter.com/heat-vision/jordan-peeles-us-casts-winston-duke-lupita-nyong-o-elisabeth-moss-1110023|title=Winston Duke, Lupita Nyong’o, Elisabeth Moss Circling New Jordan Peele Movie 'Us' (Exclusive)|date=2018-05-08|work=Hollywood Reporter|accessdate=2019-01-20}}</ref><ref>{{Cite web|url=https://variety.com/2018/film/news/jordan-peele-lupita-nyongo-elisabeth-moss-1202797285/|title=Jordan Peele Reveals Title of Next Film; Lupita Nyong’o, Elisabeth Moss Eyed to Star (EXCLUSIVE)|date=2018-05-08|work=Variety|accessdate=2019-01-20}}</ref>。7月11日、ティム・ハイデッカーが本作に出演するとの報道があった<ref>{{Cite web|url=https://deadline.com/2018/07/jordan-peele-us-movie-tim-heidecker-cast-1202424902/|title=Jordan Peele Social Horror Thriller ‘Us’ Adds Tim Heidecker|date=2018-07-11|work=Deadline.com|accessdate=2019-01-20}}</ref>。19日、アナ・ディオジョップ、ヤーヤ・アブドゥル=マティーン二世の出演が決まったと報じられた<ref>{{Cite web|url=https://deadline.com/2018/07/jordan-peele-usyahya-abdul-mateen-ii-anna-diop-cast-1202429155/|title=Jordan Peele’s ‘Us’ Adds Yahya Abdul-Mateen II And Anna Diop To Cast|date=2018-07-19|work=Deadline.com|accessdate=2019-01-20}}</ref>。9月14日、デューク・ニコルソンが本作で俳優デビューを果たすとの報道があった<ref>{{Cite web|url=https://variety.com/2018/film/news/jack-nicholsons-jordan-peeles-us-exclusive-1202942398/|title=Jack Nicholson’s Grandson to Make Acting Debut in Jordan Peele’s ‘Us’ (EXCLUSIVE)|date=2018-09-14|work=Variety|accessdate=2019-01-20}}</ref>。
 
本作の[[主要撮影]]は2018年7月30日に[[カリフォルニア州]]で始まり、同年10月8日に終了した<ref>{{Cite web|url=https://deadline.com/2018/07/jordan-peeles-us-starts-production-rounds-out-cast-1202436630/|title=Jordan Peele’s ‘Us’ Starts Production, Rounds Out Cast|date=2018-07-30|work=Deadline.com|accessdate=2019-01-20}}</ref>。
== 公開・マーケティング ==
2018年12月25日、本作のオフィシャル・トレイラーが公開された<ref>{{Cite web|url=https://www.youtube.com/watch?v=hNCmb-4oXJA|title=Us - Official Trailer|date=2018-12-25|work=YouTube|accessdate=2019-01-20}}</ref>。2019年2月3日、[[第53回スーパーボウル]]の放送中に本作の特別コマーシャルが放映された<ref>{{Cite web|url=https://www.independent.co.uk/arts-entertainment/films/news/super-bowl-trailers-watch-avengers-endgame-captain-marvel-toy-story-4-a8761951.html|title=Super Bowl: Every film and TV trailer that debuted, from Avengers Endgame to Toy Story 4|date=2019-02-03|work=Independent|accessdate=2019-02-04}}</ref>。3月8日、本作は[[サウス・バイ・サウスウェスト]]でプレミア上映される予定である<ref>{{Cite web|url=https://variety.com/2019/film/news/jordan-peele-us-sxsw-opening-movie-1203102259/|title=Jordan Peele’s ‘Us’ to Open SXSW Film Festival|date=2019-01-08|work=Variety|accessdate=2019-01-20}}</ref>。
 
本作の予告編にピール監督の前作『[[ゲット・アウト]]』を思わせるシーンが多数含まれていたことから、「本作と『ゲット・アウト』が[[シェアード・ワールド|シェアード・ユニバース]]を形成しているのではないか」という仮説が出ていたが<ref>{{Cite web|url=https://junkee.com/jordan-peele-us-get-out/188049|title=Here’s Why Fans Think Jordan Peele’s Next Film ‘Us’ Is Connected To ‘Get Out’|date=2018-12-27|work=Junkee|accessdate=2019-01-20}}</ref>、その予想は外れた。
 
== 興行収入 ==
本作は公開初週末に5100万ドル前後を稼ぎ出すと予想されていたが<ref>{{Cite web|url=https://www.boxofficemojo.com/news/?id=4496&p=.htm|title=Jordan Peele's 'Us' Looking at a $50M+ Opening Weekend|date=2019-03-21|work=Box Office Mojo|accessdate=2019-05-20}}</ref>、実際の数字はそれを大幅に上回るものとなった。2019年3月22日、本作は全米3741館で公開され、公開初週末に7111万ドルを稼ぎ出し、週末興行収入ランキング初登場1位となった<ref>{{Cite web|url=https://www.boxofficemojo.com/weekend/chart/?yr=2019&wknd=12&p=.htm|title=March 22-24, 2019|work=Box Office Mojo|accessdate=2019-05-20}}</ref>。この数字はピール監督の前作『ゲット・アウト』の数字(3337万ドル)の2倍以上のものであった<ref>{{Cite web|url=https://www.boxofficemojo.com/weekend/chart/?yr=2017&wknd=08&p=.htm|title=February 24-26, 2017|work=Box Office Mojo|accessdate=2019-05-20}}</ref>。
 
== 評価 ==
本作は批評家から絶賛されている。映画批評集積サイトの[[Rotten Tomatoes]]には459件のレビューがあり、批評家支持率は94%、平均点は10点満点で7.94点となっている。サイト側による批評家の見解の要約は「ジョーダン・ピール監督の第二作は野心的かつ斬新なホラー映画に仕上がっている。『アス』は「デビュー作で脚光を浴びても、2作目はパッとしない」というジンクスを打破したのである。」となっている<ref>{{Cite web|url=https://www.rottentomatoes.com/m/us_2019|title=Us|work=Rotten Tomatoes|accessdate=2019-05-22}}</ref>。また、[[Metacritic]]には56件のレビューがあり、加重平均値は81/100となっている<ref>{{Cite web|url=https://www.metacritic.com/movie/us|title=Us (2019)|work=Metacritic|accessdate=2019-05-22}}</ref>。なお、本作の[[シネマスコア]]はBとなっている<ref>{{Cite web|url=https://deadline.com/2019/03/us-jordan-peele-weekend-box-office-1202580617/|title=How Universal Drove Jordan Peele’s ‘Us’ To $70M+ Opening, The Best Start For A Live-Action Original Since ‘Avatar’ – Update|date=2019-03-24|work=Deadline.com|accessdate=2019-05-22}}</ref>。
 
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アス(洋画/2019)[[U-NEXT]]<ref>[http://video.unext.jp/title/SID0044558?rid=WP00075 U-NEXT]</ref>
 
== 関連項目 ==
* [[ハンズ・アクロス・アメリカ]]
 
== 出典 ==
{{Reflist}}
 
== 外部リンク ==
{{Commonscat|Us (2019 film)}}
* {{Official website|https://www.usmovie.com/}}{{en icon}}