「全日空61便ハイジャック事件」の版間の差分

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* この事件を受けて運輸省航空局は、犯人が指摘した羽田空港(第1旅客ターミナル)の「警備保安上の問題点」について急遽臨時予算を投じて対応するとともに警備を強化し、全国の空港でも同様の保安上の問題点がないかどうかについての調査・対策を行った。
* おもな対策としては、保安検査場の[[金属探知機]]感度の引き上げや、盲点となった1階到着ロビー(受託手荷物返却場)入場後の2階ゲートラウンジ(出発口)への後戻りができないよう、[[自動改札機]]に似た逆流防止ゲート(「進入禁止」の標識があり、逆戻りすると警報音が鳴る)の設置とその付近で監視する警備員の配置がある。これにより、「61便の搭乗手続・セキュリティチェックを経て入場したゲートラウンジから到着ロビーの受託手荷物返却場へ向かい、伊丹からの乗り継ぎ到着便の受託手荷物に入れた凶器を取り出してゲートラウンジへ逆戻りすることでセキュリティチェックを免れて搭乗する」という犯人が実践した手段をとることは不可能となった。
また、それまで機長の裁量で認められてきたコックピットへの一般乗客の見学・立ち入り禁止<ref>[[2001年]]の[[アメリカ同時多発テロ事件]]発生以降、コックピット侵入抑止として[[ICAO]]の指導により全世界の航空会社に拡大した。</ref>、当時18空港しか設置されていなかった受託手荷物検査時の[[X線]]透視検査装置を対テロ対策の促進合わさり、全国の[[第三種空港|ローカル空港]]や定期運航路線のある離島飛行場へ順次の追加導入されを進めたことなどが挙げられる。
* 当事となったANAは現在、搭乗する際のチェックインは2次元バーコードでの読み取りとしている。このチェックインでは入場の際のセキュリティチェックで使用した2次元バーコードと必ず同じものを使用しなければならない。もし、異なる2次元バーコードを用した場合はチェックイン機で警報音が鳴り入場際にセキュリティチェックを受けていないものとみなされ搭乗することできない。ANAもセキュリティチェックインで使用した2次元バーコードの紛失や誤用を防ぐため、マイレージカード(含むANAカード)や携帯電話やスマホの2次元バーコードなどでを用いてのセキュリティ通過・チェックインも可とし、カウンターでも利用客からの申請がない限り必要最小限以外のければ特に2次元バーコード発行しないこととしている。
* [[2004年]](平成16年)に供用開始した羽田空港第2旅客ターミナルビル(本事件当事であるANAが利用)では、出発ゲート(地上2階=到着ゲートの[[中二階|M2]]相当)と到着ゲート(地上1.5階部分)、[[東京空港交通|ランプバス]]出発待合室および手荷物返却場・到着ロビー(地上1階)の3層構造とし、[[ボーディングブリッジ]]を用いる搭乗口では各ゲート階へ通じる緩やかな[[スロープ]]型の通路2本がくの字型に設置され、通路前にある扉の開閉により流入をコントロールしている(第1旅客ターミナルや地方空港に見られる従来の搭乗口に出る形式ではない)。[[2010年]](平成22年)竣工の新国際線ターミナルでも同様の構造がとられている。また、後に[[福岡空港]]でも国内線ターミナルで大幅な改修が行われた際にも第2旅客ターミナルビルに見られる搭乗者と降機者の動線を完全分離する形を取っている。
* ただし、[[#犯人|前述]]のとおり、犯人が犯行前の同年6月中旬に保安構造についての改善と自身を警備員として雇用を求める投書を送付したことについて、運輸省(当時)側は民間航空会社との会議の結果以後対応せずに空港ビルや航空会社など民間側へ丸投げし、受任した民間側もコストを理由に対応しかねていた(放置した)事実が、[[読売新聞東京本社]]社会部が[[2002年]](平成14年)に[[情報公開]]請求して開示された資料で判明し、[[5月12日]]付朝刊で[[スクープ]]された。事件が未然に防げた可能性があるとして、各社の対応のずさんさが改めて露呈した。