「馬場駿吉」の版間の差分

'''馬場 駿吉'''（ばば しゅんきち、[[1932年]][[11月25日]] - ）は、[[俳人]]、[[美術評論家]]、[[医師]]（[[医学博士]]）。[[名古屋市立大学]][[名誉教授]]（[[耳鼻咽喉科学]]）。

[[愛知県]][[名古屋市]][[東区 (名古屋市)|東区]]に生まれる。実家は[[開業医]]<ref name="宮川">宮川まどか 「[http://www.tokyo-np.co.jp/article/culture/doyou/CK2016010902000256.html 創造の現場に高揚感　科学・文学…分野またぎ芸術批評　馬場駿吉さん（名古屋ボストン美術館長）]」 東京新聞、2016年1月9日（2016年7月19日閲覧）</ref>。[[名古屋市立大学]][[医学部]]を卒業後、同大学で[[耳鼻咽喉科]]の教授を務める。のち同名誉教授<ref name=A>[[須藤徹]] 「馬場駿吉」 『現代俳句大事典』普及版 三省堂、2008年、455-456頁</ref>。[[名古屋市立大学病院]]では院長を務め、感染やアレルギーなどの生体防御反応を研究。また渡米して[[耳]]の欠損の再建技術を研究、500例におよぶ再建手術を手掛けた<ref name="宮川"/>。

中学時代、親戚の開いていた句会を見て以来[[俳句]]に興味を持つ<ref name="宮川"/>。俳人としては[[橋本鶏二]]に師事し、「年輪」ほかの同人として活動<ref name=A/>。第一句集『断面』までは写実的な句風であったが、第二句集『薔薇色地獄』より絢爛な幻視的作風となった<ref name=B/><ref>[[関悦史]] 「[http://kanchu-haiku.typepad.jp/blog/2010/03/%E9%A6%AC%E5%A0%B4%E9%A7%BF%E5%90%89%E5%8F%A5%E9%9B%86%E6%96%AD%E9%9D%A2.html 馬場駿吉句集『断面』]」 閑中俳句日記（別館）、2010年3月11日（2016年7月19日閲覧）</ref>。

1961年、画廊で[[駒井哲郎]]の[[版画]]を見てより[[現代美術]]にのめり込む<ref name="宮川"/>。1960年代から70年代にかけて東京の「実験工房」に通いつめ、[[滝口修造]]、[[武満徹]]、[[澁澤龍彦]]、[[土方巽]]、[[寺山修司]]らと親交を結んだ<ref name=B>[[関悦史]] 「[http://haiku-space-ani.blogspot.jp/2010/03/blog-post_06.html 閑中俳句日記（25）馬場駿吉『薔薇色地獄』]」―俳句空間―豈weekly、2010年3月6日（2016年7月19日閲覧）</ref>。耳の再建技術研究に取り組んだのも[[三木富雄]]のオブジェ作品がきっかけだという<ref name="宮川"/>。2006年、[[名古屋ボストン美術館]]館長に就任。2016年4月より[[愛知県立芸術大学]]油画専攻科客員教授。2019年、長年の芸術評論活動により[[中日文化賞]]を受賞。

[[Category:20世紀日本の俳人]]