「塩化チオニル」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
編集の要約なし
53行目:
== 性質 ==
塩化チオニルは、[[ベンゼン]]、[[クロロホルム]]、[[四塩化炭素]]には溶ける。[[水]]に対しては激しく発熱しながら反応し、[[二酸化硫黄]] SO<sub>2</sub> と[[塩化水素]] HCl になる。また無水の金属ハロゲン化物を作る際の脱水剤や[[カルボン酸]]および[[アルコール]]の塩素化によく用いられる。
: <cechem>FeCl3\cdot 6H2O\ + 6SOCl2 -> FeCl3\ + 6SO2\ + 12HCl</cechem>
: <cechem>RCOOH\ + SOCl2 -> RCOCl\ + SO2\ + HCl</cechem>
: <cechem>ROH\ + SOCl2 -> RCl\ + SO2\ + HCl</cechem>
 
特に他のハロゲン化剤と異なり、反応後の生成物が HCl や SO<sub>2</sub> などガスであることと、塩化チオニル自身が低沸点であることから反応系外に除去することが容易である。それゆえ実験室における[[ヒドロキシ基]]の[[塩素化]]に好んで用いられる。
67行目:
== 製法 ==
塩化チオニルは[[二酸化硫黄]] SO<sub>2</sub> と[[五塩化リン]] PCl<sub>5</sub> と反応させ、副生する[[塩化ホスホリル]] POCl<sub>3</sub> と分留すると得られる。
: <cechem>SO2\ + PCl5 -> SOCl2\ + POCl3</cechem>
工業的には[[二塩化硫黄]] SCl<sub>2</sub> を[[三酸化硫黄]] SO<sub>3</sub>で酸化して製造される。
: <cechem>SCl2\ + SO3 -> SOCl2\ + SO2</cechem>
 
==脚注==