「クラリネット五重奏曲 (モーツァルト)」の版間の差分

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{{出典の明記|date=2010年7月}}
{{Portal クラシック音楽}}
{{listen|filename=Wolfgang Amadeus Mozart - Clarinet Quintet - 1. Allegro.ogg|title=Clarinet Quintet, K.581 - 1.楽章 Allegroアレグロ|description=Performed by William McColl with the Philadelphia String Quartet|filename2=Wolfgang Amadeus Mozart - Clarinet Quintet - 2. Larghetto.ogg|title2=Clarinet Quintet, K.581 - 2.楽章 Larghettoラルゲット|description2=Performed by William McColl with the Philadelphia String Quartet|filename3=Wolfgang Amadeus Mozart - Clarinet Quintet - 3. Menuetto.ogg|title3=Clarinet Quintet, K.581 - 3.楽章 Menuettoメヌエット|description3=Performed by William McColl with the Philadelphia String Quartet|filename4=Wolfgang Amadeus Mozart - Clarinet Quintet - 4. Allegretto con variazioni.ogg|title4=Clarinet Quintet, K.581 - 4.楽章 Allegretto con variazioniアレグレット・コン・ヴァリアツィオーニ|description4=Performed by William McColl with the Philadelphia String Quartet}}
'''クラリネット五重奏曲 イ長調 K.581'''は、[[ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト]]が [[1789年]][[9月29日]]に作曲した[[クラリネット]]と[[弦楽四重奏]]のための[[室内楽曲]]。友人[[アントン・シュタードラー]]のために作曲され、「'''シュタードラー五重奏'''」と呼ばれることもある。同年[[12月22日]]に[[ブルク劇場]]でシュタードラーのクラリネットにより初演された。[[クラリネット協奏曲 (モーツァルト)|クラリネット協奏曲K.622]]と同様に、本来はシュタードラーが用いていた"Bass-klarinet"(現在の[[バセットクラリネット]])のために作曲されたものである。現在一般に用いられる版は[[1802年]]に通常のクラリネット用に編曲されたもので、自筆譜は協奏曲同様に現在紛失している。
'''クラリネット五重奏曲 イ長調 [[ケッヘル番号|K. 581]]''' は、[[ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト]]が[[1789年]][[9月29日]]に作曲した[[クラリネット]]と[[弦楽四重奏]]のための[[室内楽曲]]。クラリネット奏者であった友人[[アントン・シュタードラー]]のために作曲されたため『'''シュタードラー五重奏曲'''』の愛称で呼ばれることもある。
 
== 概要 ==
'''クラリネット五重奏曲 イ長調 K.581'''は、[[ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト]]が [[1789年]][[9月29日]]に作曲した[[クラリネット]]と[[弦楽四重奏]]のための[[室内楽曲]]。友人[[アントン・シュタードラー]]のために作曲され、「'''シュタードラー五重奏'''」と呼ばれることもある。同年[[12月22日]]に[[ブルク劇場]]でシュタードラーのクラリネットにより初演された。[[クラリネット協奏曲 (モーツァルト)|クラリネット協奏曲 イ長調 K. 622]]と同様に、本来はシュタードラーが用いていた "Bass-klarinet"(現在の[[バセットクラリネット]])のために作曲されたものである。現在一般に用いられる版は[[1802年]]に通常のクラリネット用に編曲されたもので、自筆譜は協奏曲同様に現在紛失している。
 
[[クラリネット]]は当時はまだ目新しく、ようやく[[オーケストラ]]の仲間入りをし始めた楽器であった。しかしモーツァルトは当時の楽器のもつ可能性を利用し尽くし、クラリネット音楽の発展に対して重要な模範を提示した。この作品においても、広い音域や歌謡的能力を活用する優れた書法を見ることができる。
 
[[ドイツ]]の[[作曲家]][[ヨハネス・ブラームス|ブラームス]]はこのクラリネット五重奏曲に大いに関心を示し、彼自身同様の編成による『[[クラリネット五重奏曲 (ブラームス)|クラリネット五重奏曲Op. ロ短調 作品115]]を作曲した。この作品の第4楽章はモーツァルトの五重奏作品と同じく変奏曲形式になっている。
 
== 曲の構成 ==
4楽章からなる。演奏時間は30分程度。
 
* '''第1楽章''' [[wikt:allegro|アレグロ]]
; 第1楽章:アレグロ [[イ長調]] 4/4拍子、[[ソナタ形式]]。ヘルマン・アーベルトが「雲のない春の朝」と評した清明な弦楽の旋律にクラリネットの[[アルペジオ]]が応えて始まる。第二主題は第一[[ヴァイオリン]]に提示され、クラリネットに引き継がれる。展開部では主に第一主題を扱い、形通りの再現部が続く。全体的な色調は明るいが響きは頻繁に短調に傾き、それが作品に深い陰影を与えている。
*: [[イ長調]]、4分の4拍子、[[ソナタ形式]]。
; 第2楽章:ラルゲット [[ニ長調]] 3/4拍子、[[三部形式]]。協奏曲のそれと似た性格を持つ、きわめて美しい緩徐楽章。クラリネットと弦楽が豊かに絡み合う。
*:<score sound="1">
; 第3楽章:[[メヌエット]] イ長調 3/4拍子 - トリオⅠ [[イ短調]](クラリネットは休止) - トリオⅡ イ長調。対比的な性格の二つのトリオを持つメヌエット。
\relative c'' { \set Staff.midiInstrument = #"violin"
; 第4楽章:アレグレット イ長調 4/4拍子、[[変奏曲]]形式。軽快な主題に4つの変奏と表情豊かなアダージョ(第5変奏)、アレグロ(第6変奏またはコーダ)が続く。
\tempo "Allegro"
\tempo 4 = 126
\key a \major
\time 4/4
e2( cis | b a) | b4( cis d b) | gis2( a) | fis4( a e a) | e2 d4.(\startTrillSpan cis16\stopTrillSpan d) | cis4
}
</score>
; 第1楽章*:アレグロ ドイツの[[イ長調音楽史|音楽史家]] 4/4拍子、[[ソナタ形式]]。ヘルマン・アーベルト]]が「雲のない春の朝」と評した清明な弦楽の旋律にクラリネットの[[アルペ]]が応えて始まる。第2主題は第1[[ヴァイオリン]]に提示され、クラリネットに引き継がれる。展開部では主に第1主題を扱い、形通りの再現部が続く。全体的な色調は明るいが響きは頻繁に短調に傾き、それが作品に深い陰影を与えている。
 
* '''第2楽章''' [[wikt:larghetto|ラルゲット]]
{{listen|filename=Wolfgang Amadeus Mozart - Clarinet Quintet - 1. Allegro.ogg|title=Clarinet Quintet, K.581 - 1. Allegro|description=Performed by William McColl with the Philadelphia String Quartet|filename2=Wolfgang Amadeus Mozart - Clarinet Quintet - 2. Larghetto.ogg|title2=Clarinet Quintet, K.581 - 2. Larghetto|description2=Performed by William McColl with the Philadelphia String Quartet|filename3=Wolfgang Amadeus Mozart - Clarinet Quintet - 3. Menuetto.ogg|title3=Clarinet Quintet, K.581 - 3. Menuetto|description3=Performed by William McColl with the Philadelphia String Quartet|filename4=Wolfgang Amadeus Mozart - Clarinet Quintet - 4. Allegretto con variazioni.ogg|title4=Clarinet Quintet, K.581 - 4. Allegretto con variazioni|description4=Performed by William McColl with the Philadelphia String Quartet}}
*: [[ニ長調]]、4分の3拍子、[[三部形式]]。
; 第2楽章*:ラルゲット [[ニ長調]] 3/4拍子、[[三部形式]]。協奏曲のそれと似た性格を持つ、きわめて美しい緩徐楽章。クラリネットと弦楽が豊かに絡み合う。
 
* '''第3楽章''' [[メヌエット]]
*: イ長調 - [[イ短調]](トリオⅠ、クラリネットは休止) - イ長調(トリオⅡ)、4分の3拍子。
*: 対比的な性格の2つのトリオを持つメヌエット。
 
* '''第4楽章''' [[wikt:allegretto|アレグレット]]・[[wikt:con|コン]]・ヴァリアツィオーニ
*: イ長調、4分の4拍子、[[変奏曲]]形式。
*:<score sound="1">
\relative c'' { \set Staff.midiInstrument = #"violin"
\key a \major
\time 2/2
\tempo "Allegretto con Variazioni"
\tempo 4 = 109
e4-.\p e-. cis-. cis-.
d8. (e16 fis8. d16 ) b4-. b-.
a-. a-. b-. b-.
a4.\startTrillSpan (gis16 \stopTrillSpan a) gis2-!
}
</score>
; 第4楽章*:アレグレット イ長調 4/4拍子、[[変奏曲]]形式。軽快な主題に4つの変奏と表情豊かな[[wikt:adagio|アダージョ]](第5変奏)、アレグロ(第6変奏またはコーダ)が続く。
 
== 五重奏の草稿 ==
モーツァルトはこの作品のほかに、クラリネットを含む五重奏の断片をいくつか遺しており、補筆・演奏されることがある。
* K.Anh.88 (581a) 断章 [[イ長調]] K. Anh. 88 (581a)
* K.Anh.89 (516e) ロンド [[変ホ長調]] K. Anh. 89 (516e)
* K.Anh.90(580b) アレグロ [[ヘ長調]] クラリネット、バセットホルン、[[弦楽三重奏]]の編成。 K. Anh. 90 (580b)
*: クラリネット、バセットホルン、[[弦楽三重奏]]の編成。
* K.Anh.91(516c) アレグロ [[変ロ長調]] 演奏機会は比較的多い。
* K.516d アレグンド [[長調]] K .Anh. 91 (516c)
*: K.Anh.91(516c) アレグロ [[変ロ長調]] 演奏機会は比較的多い。
* ロンド 変ホ長調 K. 516d
 
== 参考文献 ==
* 『作曲家別名曲解説ライブラリー モーツァルト<2>』音楽之友社、2007
* オスカール・クロル、ディートルルト・リーム編、大塚精治・玉生雅男共訳『クラリネット・ハンドブック』音楽之友社、1984
 
オスカール・クロル、ディートルルト・リーム編、大塚精治・玉生雅男共訳『クラリネット・ハンドブック』音楽之友社、1984
 
== 関連項目 ==
== 外部リンク ==
{{commonscat|Quintet for Clarinet and Strings, K. 581 (Mozart )}}
* {{IMSLP2|work=Clarinet Quintet in A major, K.581 (Mozart, Wolfgang Amadeus)|cname=クラリネット五重奏曲 イ長調 K. 581}}
* {{NMA|171|15|172|58|クラリネット五重奏曲}}
* {{IMSLP2|work=Clarinet_Quintet%2C_K.581_%28Mozart%2C_Wolfgang_Amadeus%29|cname=Clarinet Quintet in A major, K. 581}}
* [http://www.marimo.or.jp/~chezy/mozart/op5/k581.html 解説] - Mozart con grazia