「コンブ」の版間の差分

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文章断片化是正。加えて、曖昧な「もの」が目立ったので、一部は是正した。曖昧な表現は、文学でどうぞ。
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{{生物分類表
|色 = khaki
|画像 = [[ファイルFile:Kelp in Neskowin.jpg|250px]]
|画像キャプション =
|名称 = コンブ科
{{栄養価 | name=りしりこんぶ 素干し<ref name=mext7>[[文部科学省]] 「[http://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/1365297.htm 日本食品標準成分表2015年版(七訂)]」</ref>| kJ =577| water=13.2 g| protein=8.0 g| fat=2.0 g| satfat=(0.51) g| monofat = (0.45) g| polyfat =(0.47) g| carbs=56.5 g| fiber=31.4 g| sodium_mg=2700| potassium_mg=5300| calcium_mg=760| magnesium_mg=540| phosphorus_mg=240| iron_mg=2.4| zinc_mg=1.0| copper_mg=0.05| Manganese_mg=0.22| betacarotene_ug=850| vitA_ug =71| vitE_mg =1.0| vitK_ug=110| thiamin_mg=0.80| riboflavin_mg=0.35| niacin_mg=2.0| vitB6_mg=0.02| folate_ug=170| pantothenic_mg=0.24| vitC_mg=15| note =ビタミンEはα─トコフェロールのみを示した<ref>[[厚生労働省]] 「[http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000114399.pdf 日本人の食事摂取基準(2015年版)]」</ref>。エネルギー: 暫定値| right=1 }}
{| class="wikitable" style="float:right; clear:right"
|+ 乾物100g100 g中の食物繊維<ref name=suisan>吉江由美子、「[https://doi.org/10.2331/suisan.67.619 海藻の食物繊維に関する食品栄養学的研究]」 『日本水産学会誌』 2001年 67巻 4号 p.619-622, {{doi|10.2331/suisan.67.619}}</ref>
|-
! 項目 !! 分量
|不溶性食物繊維|| 29.1 g
|}
'''コンブ'''(昆布)は、[[不等毛植物門]][[褐藻|褐藻綱]][[コンブ目]][[コンブ科]] (学名:{{Sname|Laminariaceae}} )に属する数種の[[海藻]]の(一般的)名称である。生物学が生まれる以前からの名称であるため、厳密な定義はできないが、葉の長細い食用のものがコンブと呼ばれる傾向がある。コンブ科に属する海藻でも、[[オオウキモ|オオウキモ(ジャイアントケルプ)]]は通常、コンブとは呼ばれない。
 
'''コンブ'''(昆布)は、[[不等毛植物門]][[褐藻|褐藻綱]][[コンブ目]][[コンブ科]] (学名:{{Sname|Laminariaceae}} )に属する数種の[[海藻]]の一般的名称である。生物学が生まれる以前からの名称であるため、厳密な定義はできないが、葉の長細い食用のものがコンブと呼ばれる傾向がある。コンブ科に属する海藻でも、[[オオウキモ|オオウキモ(ジャイアントケルプ)]]は通常、コンブとは呼ばれない。
[[生物学]]ではカタカナ書きの「コンブ」が使われるが、単なる「コンブ」という種は存在せず、[[マコンブ]]や[[リシリコンブ]]、[[ミツイシコンブ]]などのように、コンブ科植物の[[種 (分類学)|種]]の[[標準和名]]に用いる。他方、食品など日常的には'''昆布'''や'''こんぶ(こぶ)'''の表記も使われる。[[ウェブスター辞典]]などにもそのままkombuとして記載されている<ref> 米原万里『旅行者の朝食』にはソ連で深刻な食料品不足のときでも誰にも買われず商品棚を満たしていた缶詰に「昆布のトマト煮」というものがあったと書いてある。</ref>。
 
[[生物学]]ではカタカナ書きの「コンブ」が使われるものの、単なる「コンブ」とう種は存在せず、[[マコンブ]]や[[リシリコンブ]]、[[ミツイシコンブ]]などのように、コンブ科植物の[[種 (分類学)|種]]の[[標準和名]]に用いる。他方、食品など日常的には'''昆布'''や'''こんぶ(こぶ)'''の表記も使われる。[[ウェブスター辞典]]などにもそのままkombuとして記載されている<ref> 米原万里『旅行者の朝食』にはソビエトで深刻な食料品不足のときすら誰にも買われず商品棚を満たしていた缶詰に「昆布のトマト煮」というものがあったと書いてある。</ref>。
 
== 分類と生態 ==
[[File:Saccharina latissima NOAA.jpg|thumb|200px|海岸に打ち上げられたカラフトコンブ (Saccharina latissima) ]]
 
コンブ科{{Sname||Laminariaceae}} <small>Bory de Saint-Vincent</small>には次の13属があり<ref name="algaebase">Guiry, M.D. & Guiry, G.M. (2013年). “[http://www.algaebase.org/browse/taxonomy/?id=5225 Family:''Laminariaceae'']”. AlgaeBase. World-wide electronic publication, National University of Ireland, Galway. 2013年6月6日閲覧。</ref>、[[マコンブ]]などが属する[[カラフトコンブ属]]、[[ネコアシコンブ]]などが属する[[ネコアシコンブ属]]<ref>[http://www.godac.jamstec.go.jp/bismal/j/view/9019772 コンブ科] BISMaL (Biological Information System for Marine Life) 独立行政法人[[海洋研究開発機構]]構築 2013年6月7日閲覧。</ref>やカナダからチリに分布する[[ジャイアントケルプ]]の属する''Macrocystis'' 属などがある<ref>大野正夫 「16 世界の海藻資源の概観」『有用海藻誌』 大野正夫 編、内田老鶴圃、2004年、初版、ISBN 4-7536-4048-5、pp.318-319.</ref><ref>Guiry, M.D. & Guiry, G.M. (2013年). “[http://www.algaebase.org/search/genus/detail/?genus_id=35715 ''Macrocystis'' C.Agardh, 1820: 46]”. AlgaeBase. World-wide electronic publication, National University of Ireland, Galway. 2013年6月6日閲覧。</ref>。
* ''Arthrothamnus'' <small>Ruprecht</small> ネコアシコンブ属<ref>[http://www.godac.jamstec.go.jp/bismal/j/view/9019805 ネコアシコンブ属] BISMaL (Biological Information System for Marine Life) 独立行政法人[[海洋研究開発機構]]構築 2013年6月9日閲覧。</ref>
* ''Costulariella'' <small>Petrov & Gussarova</small>
* ''Streptophyllopsis'' <small>Kajimura</small><ref name="algaebase"/> [[クロシオメ属]]<ref>[http://www.godac.jamstec.go.jp/bismal/j/view/9019809 クロシオメ属] BISMaL (Biological Information System for Marine Life) 独立行政法人[[海洋研究開発機構]]構築 2013年6月9日閲覧。</ref>
 
コンブ科の海藻は、日本列島では[[北海道]]沿岸を中心に[[三陸海岸]]などにも分布し、[[寒流]]の[[親潮]]海域を代表する海藻であり、また重要な食用海藻であるだけでなく、大きな[[藻場]]を形成し多様な生態系を保つ働きもある。
 
コンブは[[胞子]]によって増殖する。コンブの胞子大きさは5 [[µm]]程度)はであり、2本の[[鞭毛]]を持ち、海中を泳ぐことができるので特に「[[遊走子]](ゆうそうし)」と呼ばれる。遊走子はコンブの表面から放出され、海中の岩などに着生する。着生した遊走子は発芽して「配偶体」という微小な植物体になる。1個の遊走子から1個体の配偶体ができ、雄と雌の配偶体がある。雌雄の配偶体それぞれに[[]][[精子]]が作られる。この[[]][[精子]]が受精し、受精卵が生長すると巨視的な「胞子体」、つまりコンブとなる。
 
=== 近縁種 ===
コンブ科と同じ[[コンブ目]]に属する近縁なものとしては、[[ワカメ]]などが属する[[アイヌワカメ科]]<ref>[http://www.godac.jamstec.go.jp/bismal/j/view/9020251 ワカメ] BISMaL (Biological Information System for Marine Life) 独立行政法人[[海洋研究開発機構]]構築 2013年6月9日閲覧。</ref>(チガイソ科<ref name="吉田2010">[http://www.sourui-koza.com/kisai_bunrui/mokuroku2010_2.html 吉田忠生・吉永一男 (2010) 日本産海藻目録(2010年改訂版), 藻類 Jpn.J.Phycol. (Sorui) 58:69-122, 2010] 2013年6月9日閲覧。</ref>)や、コンブの原始的な形とわれる[[ツルモ科]]があり<ref>[http://www.godac.jamstec.go.jp/bismal/j/view/9019754 コンブ目] BISMaL (Biological Information System for Marine Life) 独立行政法人[[海洋研究開発機構]]構築 2013年6月7日閲覧。</ref><ref>{{Cite journal |和書|author = 川井浩史|title =海の森をつくる海藻, コンブ類のはなし|date = 2002-07|publisher = 研成社 |journal = プランタ |volume = |number = 82|naid = 40005535422 |pages = 55-62 |ref = }}</ref>、また、[[アラメ]]、[[カジメ]]などが属するレッソニア科が挙げられる<ref name="吉田2010"/><ref>[http://www.godac.jamstec.go.jp/bismal/j/view/9020280 レッソニア科] BISMaL (Biological Information System for Marine Life) 独立行政法人[[海洋研究開発機構]]構築 2013年6月9日閲覧。</ref>。
 
== 漁業 ==
[[File:JapaneseRishiriKombu1.jpg|thumb|コンブの[[乾物]]。「出し昆布」と記されたラベルが見られるように、早煮昆布とは異なり[[出汁]]を取るためにも用いる。]]
 
日本のコンブ生産量は約12万トン(2005年度 生重量)。生産量全体に占める養殖物の割合は約35パーセント(2005年度)。天然物の生産量の95パーセント以上を北海道が占める。また、中国でも80万トン前後が養殖されている。
 
北海道の[[函館市]]沿岸ではマコンブの養殖が盛んに行われている。マコンブは2年生のため、その養殖には2年の時間と手間が必要であり、2年栽培のものに近い質を目指した1年の促成栽培もある。また、産業上重要種であるミツイシコンブ、リシリコンブ、オニコンブに関しても、その養殖法は確立されている。その他の種に関しては天然の現存量が多い、もしくは前述の種より利用価値が低いことから、養殖法が確立されていない。
 
=== 収穫と加工 ===
コンブの収穫は、小舟から箱メガネなどで海中を見ながら昆布の根元に竿を差し入れ巻き付けてねじり取る<ref name="hokkaido-np-2014-7-15">{{Cite news | url = http://www.hokkaido-np.co.jp/news/agriculture/551355.html | title = 羅臼天然コンブ 霧中の初水揚げ 「流氷の影響それほどない」 | newspaper = [[北海道新聞]] | publisher = 北海道新聞社 | date = 2014-7-15 }}</ref>。コンブ漁に用いられる先が二股になった棒は「マッカ」などと呼ばれる<ref name="hokkaido-np-2014-7-15"/>。また、ロープの先に鈎を付けたものを船の上や岸から投げて収穫する方法もある(マッケ曳き)<ref>{{Cite web |url=http://www.mlit.go.jp/kowan/handbook/08-3hen2shou02.pdf |title=2.7 海藻類 |publisher=国土交通省 |accessdate=2020-02-09}}</ref>。この他には、海岸へと押し寄せてきたコンブを、海岸で拾ったり、鈎でたぐり寄せる方法もある。
 
うして収穫したコンブ小石を敷き詰めた干場に運び並べて干す。1〜2回裏返しにし、まんべんなく乾燥させる。乾燥しぎると折れやすくなるため加減が必要である。乾燥時間は半日程度だが、この間に雨に当たると商品価値はくなるので、[[天気予報]]で雨が確実な日は出漁を見合わせることもある。天日ではなく[[乾燥機]]で干す方法もあり、品質は落ちるが、濃霧や日照不足などの理由で乾燥機の使用頻度が多い地域もある。コンブ干しは最適の天候時に、手早く、かつ何度も表裏を返し、適切に干す必要があるため、干し方専門の[[アルバイト]]が募集されるほか、コンブ漁場の近くに[[番屋]]を張り寝泊まりする地域もある<ref>[http://hokkaido.yomiuri.co.jp/shiretoko/2004/2004shikyoku/2004080201_shikyoku.htm 読売オンライン北海道発2004年8月2日] {{リンク切れ|date=2011年10月}}</ref>。また、干した後も、専用の蔵にて「寝かせ」(熟成)の過程が1〜3年、上級品では5〜10年ほど必要であり、大変に手間がかかる<ref>[https://www.konbu.jp/kuragakoi/index.shtml 蔵囲昆布について 奥井海生堂]</ref>。
 
=== 産地と種類 ===
[[File:Rishiri 046 30092006.JPG|thumb|200px|コンブの乾燥風景(利尻島)]]
日本におけるコンブ科の有用種はその有用度から見て、水産物として価値が高く重要な種にマコンブ、ホソメコンブ、リシリコンブ、オニコンブ、ミツイシコンブ、ナガコンブ、ガッガラコンブ及びガゴメコンブがあげられ、補助的な種としては[[チヂミコンブ]]、[[カラフトトロロコンブ]]、[[トロロコンブ]]、[[アツバスジコンブ]]及び[[ネコアシコンブ]]があり、さらに地域的に利用されている種として[[エナガコンブ]]がある<ref>川嶋昭二 「6 コンブ」『有用海藻誌』 大野正夫 編、内田老鶴圃、2004年、初版、ISBN 4-7536-4048-5、pp.59-60.</ref>。
 
日本におけるコンブ科の有用種はその有用度から見て、水産物として価値が高く重要な種にマコンブ、ホソメコンブ、リシリコンブ、オニコンブ、ミツイシコンブ、ナガコンブ、ガッガラコンブ及びガゴメコンブがげられ、補助的な種としては[[チヂミコンブ]]、[[カラフトトロロコンブ]]、[[トロロコンブ]]、[[アツバスジコンブ]]及び[[ネコアシコンブ]]があり、さらに地域的に利用されている種として[[エナガコンブ]]がある<ref>川嶋昭二 「6 コンブ」『有用海藻誌』 大野正夫 編、内田老鶴圃、2004年、初版、ISBN 4-7536-4048-5、pp.59-60.</ref>。なお、日本におけるコンブの主な産地は北海道であり、特に真昆布、羅臼昆布、利尻昆布、日高昆布(三石昆布)、長昆布などが知られる
コンブの主な産地は北海道で、特に真昆布、羅臼昆布、利尻昆布、日高昆布(三石昆布)、長昆布などが知られる。
 
; [[マコンブ]] {{Snamei||Saccharina japonica}}<ref name="吉田2015">{{Cite journal |和書 |author=吉田忠生 |coauthors=鈴木雅大、吉永一男 |title=日本産海藻目録(2015年改訂版 |journal=藻類 |volume=63 |issue=3 |date=2015-11-10 |naid=40020642430|pages =144 }}</ref>(真昆布)
: 主に[[津軽海峡]]〜[[噴火湾]]沿岸で獲れる道南産のコンブ。昆布の最高級品の一つとされることもある。非常に多くの銘柄と格付があり、旧[[南茅部町]]周辺(現在は函館市)に産する真昆布が最高級品とされ、「白口浜」とう銘柄で呼ばれる。そのほか他に旧[[恵山町]]周辺で産する黒口浜、津軽海峡の本場折、それ以外の海域で取れたもの場違折などの銘柄に分ける。市場価値もおおよそこの順番となるが、銘柄内でも品質により数段階の等級に分けられる。だし汁は上品で透き通っていて、独特の甘味がある。[[大阪]]ではこの味が好まれ、だし昆布とえば、大抵この真昆布を用い、取扱量は日本国内の90%に及び、大阪などでは最も価格が高い。また、他の用途としておぼろ昆布、白髪昆布などの薄く削った加工品や、代表的な大阪寿司である[[バッテラ]]に用いる白板昆布がある。現在の分類においては、オニコンブ、リシリコンブ、ホソメコンブは本種の[[変種]]とされている。
 
; [[オニコンブ]] {{Snamei||Saccharina japonica}} var. ''diabolica''<ref name="吉田2015"/>(羅臼昆布)
 
; [[リシリコンブ]] {{Snamei||Saccharina japonica}} var. ''ochotensis''<ref name="吉田2015"/>(利尻昆布)
: 真昆布や羅臼昆布と並ぶ高級品で、生産地は[[利尻島]]、[[礼文島]]及び[[稚内]]沿岸であり、礼文島香深のものが最高級品とされる。味は前者より薄いが、澄んでおり、やや塩気のあるだしが採れる。素材の色や味を変えないため、[[懐石料理]]や煮物で重宝される。また、[[京都]]では最も高級、かつ一般的なだし昆布でもあり、[[千枚漬]]、[[湯豆腐]]、木の芽煮など用途が広く、料亭などでは、上質なだしを採るために1年以上寝かせた「ひね物」を用いる店もある。また、肉質が硬いため、高級おぼろ昆布やとろろ昆布の材料にもなる。生産量の約7%は福岡のうどん店チェーン[[牧のうどん]]で消費される<ref>{{Cite web|title=やわらかい福岡うどんはなぜ美味い?三大チェーンが語る「コシよりも大切なもの」|url=https://www.hotpepper.jp/mesitsu/entry/takuma-otsuka/19-00251#%E5%A4%A7%E9%87%8F%E3%81%AE%E5%88%A9%E5%B0%BB%E3%81%A0%E3%81%97%E6%98%86%E5%B8%83%E3%82%92%E4%BD%BF%E3%81%A3%E3%81%9F%E3%82%B9%E3%83%BC%E3%83%97|website=メシ通 {{!}} ホットペッパーグルメ|date=1570138200|accessdate=2019-10-19|language=ja|last=zuleta42|publisher=}}</ref>。
 
; [[ホソメコンブ]] {{Snamei||Saccharina japonica}} var. ''religiosa''<ref name="吉田2015"/>(細目昆布)
: [[渡島半島]]の[[松前町 (北海道)|松前]]〜[[道北]]の[[留萌市|留萌]]を主体とした[[日本海]]沿岸で獲れる昆布。ほかの昆布と異なり寿命が1年であるため、1年目で刈り取られる。切り口がどの昆布よりも白いために、おぼろ昆布、とろろ昆布に加工されることが多い。以上の4種は分布域が連続しており、遺伝的距離も非常に近く種間交雑が可能である。
 
; [[ミツイシコンブ]] {{Snamei||Saccharina angustata}}<ref name="吉田2015"/>(日高昆布、三石昆布)
 
; [[ナガコンブ]] {{Snamei||Saccharina longissima}}<ref name="吉田2015"/>(長昆布、浜中昆布)
: [[釧路市|釧路]]地方で多く獲れるコンブ。全長15m15 mにも及ぶ。生産量は最も多いが、旨味成分が少ないために一般向けの廉価品として取り引きされる。日高昆布同様、柔らかいために一般では昆布巻きなどに用いられる。沖縄県周辺の島嶼群では大陸輸出を行っていた歴史もあって市場流通が多く最も一般的な昆布であり、古くから野菜代わりに重宝され、切り刻んだものをそのままサラダ感覚で食べたりするほか他に、[[豚肉]]との相性が非常に良いため、炒め物にしたりする。特に棹前昆布と呼ばれる、成熟前の軟らかい長昆布が好まれた。ミツイシコンブと遺伝的距離が近く、本種をミツイシコンブの変種とする説もある<ref>{{Cite web|author=元北海道立函館水産試験場長 川嶋昭二 |url=http://museum-sv.museum.hokudai.ac.jp/activity/symposium/symposium7/kawashima.html |title=形態的特徴から見た北海道産コンブの分類学的考察 |publisher=[[北海道大学]]総合博物館 |format=PDF |accessdate=2011-05-13}}</ref>。
 
; [[ガッガラコンブ]] {{Snamei||Saccharina coriacea}}<ref name="吉田2015"/>(厚葉昆布)
: 釧路地方で多く獲れるコンブで、'''がっがら'''とも呼ぶ。ナガコンブと同じ海域に生息するが、ナガコンブと異なって、波の穏やかな場所を好む。表面は白粉(マンニット)を帯びており、独特の刺激と苦味がある。主な用途は加工用で、佃煮、塩吹昆布、[[ばってら]]などに利用される。
 
; [[ネコアシコンブ]] {{Snamei||Arthrothamnus bifidus}}<ref name="吉田2015"/>(猫足昆布)
: 分布は釧路沿岸から千島列島。コンブ科の褐藻だが、他のコンブのようにコンブ属ではなく、[[ネコアシコンブ属]]に属する。長さは2- mから4メートル m程度で、葉の基部両縁に耳型の突起ができる。根の部分が猫の足に似ていることから猫足と呼ばれるようになった。他の昆布と比較すると粘りと甘味が強いが特徴で、主にとろろ昆布、おぼろ昆布の材料になる。その他、医薬品、試薬に欠かせない[[沃化カリウム]]の原料としても知られていた。養殖法は確立されていない上に、下述のガゴメと同様、フコイダンという粘性多糖類が多く含有されていることから、価格が急騰し、入手が困難になってきている。
 
; [[ガゴメコンブ]](ガゴメ) {{Snamei||Saccharina sculpera}}<ref name="吉田2015"/>(籠目昆布、[[シノニム]]:{{Snamei|Kjellmaniella crassifolia, Saccharina crassifolia}}<ref name="吉田2010"/>)
: 葉(正確には葉状部という)の表面に籠の編み目のような龍紋状凹凸紋様があることからこの名を持つ。北海道函館市の[[津軽海峡]]沿岸〜亀田半島沿岸(旧[[南茅部町]])〜[[室蘭市]]周辺(噴火湾を除く)、青森県三厩〜岩屋、岩手県[[宮古市]]重茂、[[樺太]]南西部、沿海州、朝鮮半島東北部に生育する。水深10 -mから25 25mm付近生育することが多く分布し、浅い側ではマコンブと混じって分布するため、昔は雑海藻となされていた。最大で長さ2mほど2 m程度なり成長し、寿命は3年から5年と考えられている。ダシを取る用途には使われないため、主にとろろ昆布や納豆昆布、[[松前漬]]などの加工品などに用いられた。そのため、他の昆布と比較して価格が低かったが、「[[フコイダン]]」という粘性多糖類が他のコンブよりも多量に含まれ、それがいわゆる機能性成分として作用するらしいことが分かり、価格が急騰した。これまではもっぱら天然に分布するものが採取されていたが、生産量は一時期の10分の1まで落ち込んだ。しかし、現在では栽培方法も確立されており、ガゴメの栽培に従事する漁業者が増え、生産量も安定してきている。
 
=== 主な陸揚げ漁港 ===
* 2002年度(平成14年)
** 第1位 - [[大船漁港]]([[北海道]])
** 第2位 - [[散布漁港]](北海道)
 
== 利用 ==
=== 食材としての利用 ===
[[Image:Tsukudaniphoto.jpg|thumb|昆布を主要な材料として作られた[[佃煮]]]]
古くから日本各地で食べられており、たとえば[[昆布締め]]は[[富山県]]の[[郷土料理]]となっている。昆布巻き[[鰊]]は[[山形県]]、[[松前漬け]]は北海道の郷土料理である、
 
昆布コンブ古くから日本各地で食べられており、主に乾燥させて[[出汁]]をるために[[日本料理]]では幅広く使われる。ロシアでさらに食材としても利用され、結び昆布や昆布巻きなどに用いられる'''棹前昆布'''は「[[:ru:ламинария|海のキャベツ({{lang|ru|морская капуста}})]]早煮昆布」と呼ばれ、漁期前に採取された未成熟で薄い昆布を、煮てから干した加工品であ<ref>早煮昆布はその製造工程で出汁の成分は流れてしまうため、出汁を取るには向かない。</ref>。コンブをべ物として用いた料理それほどよく知日本各地に見られていない(、例えば[[サラダ昆布締め]]に用いは[[富山県]]、昆布巻きニシンは[[山形県]]、[[松前漬け]]は北海道の[[郷土料理]]の1つとして知られる事が多。さらに北海道では、湯通しした若昆布を刺身昆布として食べる習慣もあった他にも、コンブを細長く刻んで'''刻み昆布'''(そうめん昆布)にも加工され'''昆布の佃煮'''が作られる。また、表面を薄く削って'''[[とろろ昆布]]'''や'''おぼろ昆布'''(こちらは糸状ではなく薄く帯状に 削ったもの製品)にするほか、[[酢昆布]]やおしゃぶり昆布としてお茶請け・おやつにも用いられる。北海道では、湯通しした若い昆布を刺身昆布として食べる習慣がある。結び昆布や昆布巻きなどに用いられる'''棹前昆布'''は「早煮昆布」とも呼ばれ、漁期前に採取された未成熟で薄い昆布をボイルして干したものである。
 
ロシアでコンブは「[[:ru:ламинария|海のキャベツ({{lang|ru|морская капуста}})]]」と呼ばれ、[[サラダ]]に用いられる場合もあるが、食べ物としてはそれほどよく知られていない。
 
日本の統計局の家計調査によると、青森市、[[盛岡市]][[富山市]]<ref>総務省統計局の家計調査(二(2人以上の世帯)品目別都道府県庁所在市及び政令指定都市(※)ランキング(平成23年(2011年)~25年(2013年)平均)で消費金額では[[富山市]]2,2052205円、消費量では[[青森市]]668g668 gで1位だった。</ref>が昆布消費量の多い都市(2003〜2005年平均:1世帯たり)で、全国日本の平均の1.4〜1.8倍を消費している。沖縄県[[那覇市]]は7位(全国日本の平均の1.1倍)である。沖縄県はかつて日本産昆布を中国に輸出するための中継地点であったことから、昆布を利用する食文化が生まれ昆布消費量が多かったものの、近年は若者の伝統食離れで消費が減少している。昆布つくだの佃煮の消費量が多い市は[[福井市]]、[[大津市]]、富山市で、これに京都、[[奈良]]など[[近畿地方]]の都市が続く。近畿地方では古くから[[北前船]]によって昆布が多く流通し、独特の昆布消費文化と加工技術が存在するため、つくだ消費量が多い。
 
コンブの比較的新しい利用法としては、コンブを醗酵させて利用することが挙げられる。元来、コンブには[[硫酸基]]を持つ物質が含まれており、菌の繁殖を妨げていたのだが、この硫酸基に影響を受けずに昆布を醗酵させる菌が海底生物から見つかったことで、醗酵塩昆布の開発に拍車がかかった。2004年には[[こうはら本店]]と[[大阪府立大学]]が提携し、発酵塩昆布が発売された<ref>大阪府立大学ハーモニー博物館 [http://www.museum.osakafu-u.ac.jp/html/jp/permanent/detail.php?id=15 発酵塩昆布] 2013年6月11日閲覧。</ref>。なお、コンブを醗酵させる技術は、[[宝ホールディングス|宝酒造]]、[[協和発酵キリン]]などがそれぞれ独自の技術を有する。
 
統計局の家計調査によると、青森市、[[盛岡市]]、[[富山市]]<ref>総務省統計局の家計調査(二人以上の世帯)品目別都道府県庁所在市及び政令指定都市(※)ランキング(平成23年(2011年)~25年(2013年)平均)で消費金額では富山市が2,205円、消費量では青森市が668gで1位だった。</ref>が昆布消費量の多い都市(2003〜2005年平均:1世帯あたり)で、全国平均の1.4〜1.8倍を消費している。沖縄県[[那覇市]]は7位(全国平均の1.1倍)である。沖縄県はかつて日本産昆布を中国に輸出するための中継地点であったことから、昆布を利用する食文化が生まれ昆布消費量が多かったが、近年は若者の伝統食離れで消費が減少している。昆布つくだ煮の消費量が多い市は[[福井市]]、[[大津市]]、富山市で、これに京都、[[奈良]]など[[近畿地方]]の都市が続く。近畿地方では古くから[[北前船]]によって昆布が多く流通し、独特の昆布消費文化と加工技術が存在するため、つくだ煮消費量が多い。
[[File:Kelp candy.jpg|thumb|left|150px|様々な昆布[[アメ]]]]
 
昆布は特に豊富な[[食物繊維]]や鉄分、[[カルシウム]]などが含まれており[[健康食品]]として人気が高い。[[池田菊苗]]が[[1908年]]古来から使われる昆布の旨み成分が[[グルタミン酸]]であることを発見し、これが[[うま味調味料]]の[[味の素]]となった。他にも、昆布には人にとって必須元素である[[ヨウ素]]を多量に含有している。
==== 栄養素 ====
昆布コンブは特に豊富な[[食物繊維]]や鉄分、[[カルシウム]]などが含まれており[[健康食品]]として人気が高い。[[1908年]]に[[池田菊苗]]が[[1908年]]、日本では古来から食材などとして使われてきた昆布の旨み成分が[[グルタミン酸]]であることを発見し、これが[[うま味調味料]]の[[味の素]]となった。他にも、昆布には[[必須元素|ヒトにとって必須元素]]である[[ヨウ素]]を多量に含有している。
{| class="wikitable floatright" style="text-align:center"
|+ 食品1グラムたりのヨウ素含有量<ref name="ranking">
{{cite web
|url=http://fooddb.mext.go.jp/ranking/ranking.html
|}
 
[[厚生労働省]]が発表した「日本人の食事摂取基準(2010年版)」によると、ヨウ素の推奨量は成人で約130 µg/日、ヨウ素の耐容上限量は約2.2 mg/日としている<ref>{{PDF|[http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/05/dl/s0529-4al.pdf 「日本人の食事摂取基準」(2010年版)6.2.5 ヨウ素]}} 厚生労働省</ref>。コンブは大量にヨウ素を含み、素干しコンブわずか1g1 gでヨウ素の耐容上限量約2.2 mg/日に達する。北海道で見られた海岸性甲状腺腫はヨウ素の過剰摂取が原因であると考えられている。半面、ヨウ素の抗腫瘍作用を利用するため少なくとも3 mg/日を摂取すべきとの説も存在する<ref>布施 養善 「[https://doi.org/10.11299/brte.24.117 ヨウ素をめぐる医学的諸問題-日本人のヨウ素栄養の特異性]」 『Biomedical Research on Trace Elements』Vol. 24 (2013) No. 3 p. 117-152</ref>。
 
==== 調理 ====
コンブの表面に付着している白い粉は味の源となっている[[グルタミン酸]]と[[マンニトール]]で、調理前に水洗いをすると流されてしまう。
 
調理の際、[[昆布出汁|だし汁]]に色が付くことがある。このうち、緑色は[[クロロフィル]]の色素で、茶褐色は[[カロテン]]の色である。青紫色への変色は、[[水道水]]に含まれる[[塩素イオン]]によりコンブの[[ヨウ素]]が溶け出し、[[例えばボウル]][[]]などに付着していたデンプンとが適度な温度で[[ヨウ素デンプン反応]]を起こしたもの結果であり、この色は加熱することにより消える。昆布からの[[グルタミン酸]]の抽出には水に含まれる[[ミネラル]]が悪影響を及ぼすので[[軟水]]の使用が望ましい<ref name="column">[http://www.cosmowater.com/fun/column/column_vol5.html 軟水と硬水について]</ref><ref>[http://aissy.co.jp/ajihakase/blog/archives/7866 硬水・軟水で料理の味が変わる]</ref><ref name="minekyo">[http://minekyo.net/publics/index/7/detail=1/c_id=20 軟水、硬水はどのように使い分けされているのでしょうか。]</ref>。
 
2004年、[[こうはら本店]]と[[大阪府立大学]]が提携し[[発酵食品]]の発酵塩昆布が発売された<ref>大阪府立大学ハーモニー博物館 [http://www.museum.osakafu-u.ac.jp/html/jp/permanent/detail.php?id=15 発酵塩昆布] 2013年6月11日閲覧。</ref>。もともと、昆布には[[硫酸基]]をもつ物質が含まれており、菌の繁殖を妨げていたのであるが、この硫酸基に影響を受けずに昆布を発酵させる菌が海底生物から見つかったことで、発酵塩昆布の開発に拍車がかかった。昆布を発酵させる技術は、[[宝ホールディングス|宝酒造]]、[[協和発酵キリン]]、がそれぞれ独創的な技術を持つ。
 
=== 医療での利用 ===
{{main|ラミナリア}}
 
乾燥したコンブは水分を吸収すると膨張するという性質をつ。この性質を利用して、医療用拡張器の原材料としてコンブ科の海藻が利用される。[[子宮|子宮頸管]]等の拡張に用いられる'''ラミナリア'''がそれである。原材料は主に {{Snamei||Laminaria digitata}} の茎根である<ref>{{Cite journal |和書|author = 橋爪一男|title = 「ラミナリア」桿|date = 1939-09-20 |publisher = 日本医療機器学会 |journal = 醫科器械學雜誌 |volume = 17 |number = 3 |naid = 110002532213 |pages = 65-66 |ref = }}</ref><ref>{{Cite journal |和書|author = 宮部雅之|title =国産「ラミナリア」(「ヤポラミア」に非ず)に就て|date = 1938-03-20 |publisher =Japanese Society of Medical Instrumentation|journal =The Journal of Japanese Medical Instruments|volume = 15 |number = 9 |naid =110002532165|pages = 299-304|ref = }}</ref>。
 
=== 工業製品としての利用 ===
コンブに含まれる[[アルギン酸]]を繊維化させものが物を、[[スピーカー]]の音響装置に利用されていする場合がある<ref>{{cite journal|和書|author=|title=パピルス|journal=紙パ技協誌|year=1991|volume=45|issue= 5|pages=605-608| publisher=紙パルプ技術協会|doi=10.2524/jtappij.45.605|url=https://doi.org/10.2524/jtappij.31.12_799 |accessdate=2018-01-14|ref="紙パ技協誌45-5"}}</ref><ref>{{cite web|title=北海道昆布館|url=http://www.konbukan.co.jp/hokkaidou-konbukan.html|accessdate=2018-01-15|publisher=昆布館|ref="北海道昆布館"}}</ref>。
 
== 語源 ==
和語では古くは、食用の海草一般(特にワカメを指して)を「め」と呼んでいた。漢字では、古くは「軍布」([[万葉集]]、藤原京木簡)、「海布」([[古事記]])、「海藻」(平城京木簡、[[風土記]]、[[正倉院文書]])、「和布」([[色葉字類抄]])<!--、「海ソウ」([[新撰字鏡]]。「ソウ」は戸籍統一文字番号366450か?)-->などと当てられていた。『[[本草和名]]』(9世紀初頭)には「昆布、一名綸布。和名比呂女、一名衣比須女」とあるように、とりわけ昆布を指しては「ひろめ」とか「えびすめ」と呼んでいた。「ひろめ」は幅の広いことに(すなわち広布)、「えびすめ」は[[蝦夷]]の地から来たことに(すなわち夷布)由来すると考えられる。「コンブ」に近い名称はやや時代を下り、『色葉字類抄』(1177-81年)に「コンフ」、『[[色葉字類抄|伊呂波字類抄]]』に「コフ」という訓が確認できる。
 
「コンブ」の語源には諸説あるが、特に次の2説が有力である。
 
1つは、漢名「昆布」の音読みであるとする説である([[和訓栞]]他)。この漢名自体は、日本ではすでに正倉院文書や『[[続日本紀]]』(797年)に確認でき、さらに古くは中国の本草書『[[呉普本草]]』(3世紀前半)にまで遡ることができる。[[李時珍]]の『[[本草綱目]]』(1596年)には次のようにある。
 
{{quotation|考えてみると、『呉普本草』には「綸布、またの名を昆布」とある。ならば、『[[爾雅]]』で言われている「綸(という発音で呼ばれているもの)は綸に似ている。これは[[東シナ海|東海]]にある」というものは昆布のことである。「綸」の発音は「関 (gūan)」で、「青糸の綬(ひも)」を意味するが、訛って「昆 (kūn)」となった。|李時珍『本草綱目』 草之八<ref name="本草綱目">[http://zh.wikisource.org/wiki/%E6%9C%AC%E8%8D%89%E7%B6%B1%E7%9B%AE/%E8%8D%89%E4%B9%8B%E5%85%AB Wikisource 李時珍『本草綱目』 草之八]</ref>}}
 
ただし、中国でう「昆布」は、文献によってさまざま様々に記述されており、実際にはどの海藻を指していたのか同定が難しい。たとえば[[陳藏器]]は「昆布は[[南シナ海|南海]]で産出し、その葉は手のようで、大きさは薄([[ススキ]])や葦ほど、赤紫色をしている。その葉の細いものが海藻である」<ref name="本草綱目" />と記しており、アラメ、カジメ、ワカメ、クロメといったもの様々な海藻を想起させる。昆布は、少なくとも当時は、東海(東シナ海)でも南海(南シナ海)でも採れるものではなかった。また、李時珍も[[掌禹錫]](11世紀)に倣い、「昆布」と「海帯」(後者は、現代中国語で昆布を指す)を別種のものとして記述している<ref name="本草綱目" />。
 
もう1つは、[[アイヌ語]]で昆布を指す kompu の音訳とする説である([[大言海]]他)。このアイヌ語は、先の中国語「綸布 (gūanbù)」または「昆布 (kūnbù)」と酷似しており、一方が他方の[[借用語]]である可能性がある。
 
== 歴史 ==
=== 上方食文化における昆布 ===
[[File:Hidaka Kombu.JPG|thumb|right|150px|包装された日高昆布]]
乾燥させた昆布を湿気の多い大阪で倉庫に寝かせておくと、熟成することで昆布の渋みが無くなり甘みがでてくる。大阪に昆布が広まったのは商用船が日本海航路([[北前船]])を通って[[下関港|下関]]経由で大阪に運ばれるようになってからである。[[安土桃山時代]]に農・乾物の一大集積地であった大阪は多湿な気候が乾物や昆布の旨味を熟成させ、江戸時代にはこれらは大阪の味ともされた。
 
乾燥させた昆布を湿気の多い大阪で倉庫に寝かせておくと、熟成することで昆布の渋みが無くなり甘みがてくる。大阪に昆布が広まったのは商用船が日本海航路([[北前船]])を通って[[下関港|下関]]経由で大阪に運ばれるようになってからである。[[安土桃山時代]]に農・乾物の一大集積地であった大阪は多湿な気候が乾物や昆布の旨味を熟成させ、江戸時代にはこれらは大阪の味ともされた。
大阪の農産物と交換に蝦夷から運ばれた乾物は、昆布のほか、[[帆立貝]]、[[棒鱈|棒だら]]、[[身欠きにしん]]などがある。主に商用船は太平洋側を避けて日本海航路で運ばれるようになったことから、大阪より[[敦賀市|敦賀]]や[[小浜市|小浜]]で昆布の消費が多くなっている。
 
大阪の農産物と交換に蝦夷から運ばれた乾物は、昆布のほか他に、[[帆立貝]]、[[棒鱈|棒だら]]、[[身欠きにしん]]などがある。主に商用船は太平洋側を避けて日本海航路で運ばれるようになったことから、大阪より[[敦賀市|敦賀]]や[[小浜市|小浜]]で昆布の消費が多くなって傾向が見られる。
 
また[[刃物]]の街である[[堺]]の職人により、乾燥昆布を甘酢に浸し表面を削った「おぼろ昆布」が生まれた。昆布表面の黒い部分は甘酢がよく染みていることから、酸味が多い黒い「おぼろ昆布」(黒おぼろ)になる。中でも表面を薄く削ってゆくと、内側の白い部分が出てくる。ここは酢に浸っておらず、昆布本来の甘みがある。この昆布は「太白おぼろ」と呼ばれる。最後に残った昆布の芯の部分はばってら寿司や押しすし寿司に使われるばってら昆布(白板昆布)になる。薄く削るには職人による高等技術が必要とされる。
 
上記の堺でも「おぼろ昆布」が発達し、また北前船の集積地でもある敦賀でも「おぼろ昆布」技術が発達した。おぼろを削ったヘタの部分は'''爪昆布'''と呼ばれ、お菓子として食べられることがある。また、爪昆布は煮込むとコンブ特有の粘りが強く出ることから、煮物などの調理の際に煮汁とともに入れ、その粘りを利用して表面に浮いた灰汁取りを容易にするといった使い方もなされ。その他昆布の加工品とえば、塩昆布(日高昆布)が連想されるが、[[戦国時代 (日本)|戦国時代]]の出陣の際、勝ち栗や喜ぶなどの縁起を担いだ出陣式に醤油で炊かれた塩昆布は細目昆布を醤油で煮込んだものと物であった思われる。
 
醤油で炊かれた塩昆布を火鉢の網の上に並べて乾燥させては醤油にけ、網の上で3回乾燥させたものを「'''汐吹き昆布'''」と言い昭和20年代に初めて作り出され商品化された。粉が表面に吹いているように見えるが、これは昆布のうまみ旨味成分が結晶化したものである。しかし現在では、イノシン酸や昆布のグルタミン成分などの調味料をまぶす場合もある。
 
=== 江戸における昆布 ===
北前船で蝦夷地から運ばれた昆布は上方でその多くが消費され、上質なものは上方で消費されたので江戸へ回った分はその残りで、量が多かった日高昆布がほとんどであった<ref>奥井隆『昆布と日本人』日本経済新聞出版社〈日経プレミアシリーズ〉、2012年、初版、ISBN 978-4-532-26177-1、p.71</ref>。また、江戸の水質は上方より[[硬水]]寄りで、昆布のダシが出にくいもの水質であったために、ダシの材料として「[[鰹節]]」が多く使われていた<ref>奥井隆『昆布と日本人』日本経済新聞出版社〈日経プレミアシリーズ〉、2012年、初版、ISBN 978-4-532-26177-1、p.72</ref>。
 
江戸時代に江戸佃島では、昆布などの海藻などを醤油などで煮しめた料理が多く作られ「[[佃煮]]」と呼ばれるようになり、郷土料理となっている。
[[シーボルト]]の『[[江戸参府紀行]]』によると、[[最上徳内]]が[[サガレン]](樺太)に滞在した時に105人中53人が寒冷の影響で死亡したが、徳内は大量の昆布を食べることで、すこぶる健康であったと記載されている<ref>[[宮本義己]]『歴史をつくった人びとの健康法』(中央労働災害防止協会、2002年、129-130頁)</ref>。
 
== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}{{Reflist|2}}
 
{{Wikispecies|Laminariaceae}}
 
* [[乾物]]
* [[昆布茶]](こぶ茶)
* [[昆布締め]]
* [[松前昆布]]
* [[鰊の昆布巻き]]
* [[佃煮]]
* [[酢昆布]]
* [[北前船]]
{{Protist-stub}}
{{Normdaten}}
{{デフォルトソートDEFAULTSORT:こんふ}}
[[Category:褐藻]]
[[Category:食用海藻]]